30MMオリジナルストーリー予告編2

審判。

それは、地球軌道上に新たな空間転移門(ゲート)が出現する事で告げられた。

惑星バイロン。
ゲートの向こう側から現れたのは、地球とよく似た星であった。
更にはその星の住人、バイロン人もまた、地球人とよく似た容姿と言語体系を持っていた。

想像だにしなかった、地球人以外の知的生命体。
そんな突然の来訪者に戸惑う暇もなく、彼らバイロン人は地球に対して宣戦布告を行った。

あろうことか彼らもまた、地球同様にエグザマクスと酷似した兵器、ポルタノヴァを保有していたのだ。

第3世代エグザマクス、アルト対ポルタノヴァ。
旧暦時代であれば荒唐無稽なSF作品だと揶揄されたであろう、惑星間での人型兵器同士の戦争が、現実のものとなってしまった。

当初は、双方ともにその優れた拡張性と機動力をもって互角の戦闘を繰り広げるかと思われたが、それは地球側の希望的観測にすぎなかった。
長年に渡る地球全土での紛争が祟り、どの国も優秀な人材や資源を失い、疲弊しきっていたのだ。

かくして戦略的な要所はバイロンの電撃的侵攻作戦によって押さえられ、いよいよ地球側も一枚岩となってこれに対抗することを余儀なくされた。

地球連合の設立である。

あらゆる国家、人種、宗教の垣根を越えて結成された地球連合は、残された戦力を結集させてバイロン軍に反抗。
当初はイニシアチブを取っていたバイロンも徐々に戦況を押し返され、両惑星は互いに次なる一手を探しての膠着状態を作り出した。

すると、拡大する戦火に呼応するように、新たな混乱が生まれる。
地球内外での小規模なゲート出現の頻発、そして両惑星の感知しない、謎の兵器群の発見である。

ある時は天をも貫くような高出力のビーム兵器が、またある時は如何なる攻撃にも耐える未知なる合金製の装甲が。
おそらくはゲートを通ってもたらされたのであろうそれらは、はるか過去の地層に埋まっている物もあれば、近代的なビル群の中にポツリと置かれている物もあった。

戦闘中、偶発的にそれらを回収した陣営がアルト、ポルタノヴァの拡張性を活かして優位に立った。
ゲートによるブレイクスルーを経た科学水準をもってしてもなお解析できない技術も多く、中にはまるで未来から現れたとしか思えない物もあった。

これによりゲートとは、単に長距離間を繋ぐ移動装置ではなく、異なる時間軸あるいは並行世界同士を繋ぐものではないか?との学説も生まれた。

ゲートの正体が何であれ、この兵器群をより多く獲得できた勢力が、この戦争の勝者となる。
両惑星の首脳陣に、こう考える者が現れるのも必然であろう。

互いに本丸となる惑星への侵攻を主としつつも、兵器群奪取に特化させた専任の部隊を設立。
同時に、どちらからともなく兵器群の呼称を「アーティファクト」と改めた。

そして意外なことにアーティファクトの出現が最も多く確認されたのは、地球でもバイロン本星でもなく、長年続いた紛争の中で忘れ去られたかつての新天地、火星であった。

この事実は両惑星を大いに悩ませた。
主要な戦力は、もちろん主戦場である地球とバイロン間の戦線に振り分けざるを得ない。
そうでなければ、緩めた戦線が瓦解し、あっという間に本星へと攻め込まれてしまう。

いくら新たな兵器を手に入れようとも、それでは元も子もない。

ならば、と同じ考えに帰結するところも地球人とバイロン人との相似性を思わせるが、ともあれ双方の出した結論は「正規の軍から逸脱した者たちを火星に送り込む」というものだった。

スカイフォール時に出現した、初代ゲート。
通過時の体感時間にして、僅か30分で火星へと到達できるそれは、両惑星のちょうど中間地点に位置する。
地球側は連合軍の規律から外れた者や更には重犯罪を犯した者達を集め、「エクスプローラー」というもっともらしい名前を与え、次々に火星へと送り込んだ。
一方バイロン側は「火星方面軍」を設立。規模こそ大きいが、やはりこちらも正規の軍人ながら適性に問題ありと判断された者、軍規違反を犯した者への罰則として人員を送り込んだ。

かくして忘れ去られた星、火星は今ここに、惑星間戦争におけるもう一つの主戦場となった。

to be continue the thirty minuits to mars…


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