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投資について その4

中国武漢で発生した得体のしれないウイルスに対して、舐めてたけど本格的に対策を講じないとこりゃ大変なことになるぞと世界が震撼し始めたのがちょうど1年前だ。2020年2月中旬、ビフォア・コロナの世界経済は堅調に成長し、株価は順調に上昇基調を描いていたが、突如コロナに対する不安が世界中を襲い尽くし、大混乱、株価は一転急下降を始めた。

私は10年以上、ほぼ毎日資産とキャッシュフローをExcelでアップデートしていて、現金、株価、外貨(為替)、コモディティ、暗号資産、入出金予定、借入残など、タイムリーに個人と会社のBSとPLを把握しているが、昨年2、3月はそれまで大事に築き上げてきた資産が大幅に削られていく毎日で、現実を直視できずにExcelの更新が滞った魔の期間であった。

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※メインは米国ハイテク株なのでナスダック5年チャートを掲載。断崖絶壁。一気に約半減。

2020年は本厄の年で、そういう非科学的な占いの類は一切信じないタイプなのだが、さすがにお祓い行ったほうがいいのかな、、と弱気になった。結局行かなかったけど。VIX指数は高みを目指し、株は頻繁にサーキットブレーカーを発動しながら、一体どこまで下がるのか全く分からない奈落の底へスカイダイブ状態で、精神的に結構キツかった。

下げ止まる気配のないジェットコースター相場真っ只中の3月、アルバイトで手伝ってくれていた大学生の子達が卒業するので、卒業祝いBBQをゲストハウスの庭でやったのだが、後日社員曰く、その日の私は心ここにあらず状態だったらしい笑。実際その可能性は高く、ほぼ記憶がない笑。彼らにはお詫び申し上げたい。

過去のnoteやtwitterを見ていて下さっている方はご存知かと思うが、私のポートフォリオは比較的ボラティリティの高い米国ハイテク株中心であるため、当時は相当に悲惨な状況だった。暴落と同時に円買いも進み111円あたりから103円まで7%下落というダブルパンチ。とにかくあらゆるリスク資産から一気に安全資産へという強いリスクオフの流れが止まらず、あのとき売っておけばよかった、セクター分散しておくべきだったではないか、私の信じていたバイアンドホールドは間違っていたのか、、と後悔と苦悩の日々であった。

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※今日(2/22)現在の日米株ポートフォリオグラフ。AmazonとTeslaで33%。Apple、Facebook、Google、Nvidiaなどもちらっと見えるのでハイテクよりであることがわかるかと。Othersは200銘柄以上あるがセクター分散は考慮していない。銘柄選定は適当です笑

しかしそこから1年。まさかその3月でしっかりと底を打ち一気に反転、そのままほぼ一本調子でここまで上昇し続けるとは誰が予想できただろうか。順調過ぎる見事なV字回復。売らなくてよかった!笑。一旦売って避難するというような選択肢はそもそも無いのだけれども。まあ利確するまでは含み益など幻と言ってしまえばそれまでだが。

今月、日経平均はバブル崩壊以来30年ぶりの高値更新、3万円台到達。10年程前の7000円台も経験しているため隔世の感がある。米国も超大規模かつスピーディーな財政出動と強力な金融緩和で金余り状態となり、ワクチン期待も相まって、ダウ、ナスダック、S&P500全てが連日過去最高値を更新している。(足元は長期金利が上昇基調のため調整している)

実体経済の深刻さに反して金融市場が絶好調である現状に違和感を覚えるのは当然のことだろう。ビットコインなどもわけがわからないが上がり続けている。我々素人には到底理解できない次元の出来事なのだから難しく考え過ぎずただ乗っかればいいのである。チキンレース的様相になってきているが、雰囲気投資家の私には未来を信じて引き続きバイアンドホールドする以外に手はない。

最近は専門家や玄人投資家よりも素人投資家のほうがこのビッグウェーブをうまいこと乗りこなしているのではないだろうか。米国ではヘッジファンドが若者ロビンフッダー達にショートスクイーズを仕掛けられて巨額の損失を被る事態が発生したり、個人投資家の存在感が増している。若手ミリオネアが続出しているだろう。日本においても投資経験の浅い若者が相当数億り人になっているはずだ。昨今の過熱感にアラートを発し、過去のバブル崩壊に重ねて悲観的な予想をする専門家もいるが、私はあまり参考にしてはいない。今は近代史上経験したことのない前例無き時代の真っ只中にあり、経験則(アノマリー)は通用しない例外的環境であると考えている。とい言いつつ強気予想の専門家の意見には同意するという都合の良さ、いわゆる確証バイアスに陥っていることは自覚している。未来予想は明るいほうが良いではないか!バブル崩壊や高値掴みに怯えたり、投資格言を過信したりして今のこの活況を指を加えて眺めているだけであったとしたら多大なる機会損失だと思う。私は機会損失が大嫌いだ。

以前も書いたが投資の成否を分けるのはメンタルだと思っている。様々な情報に惑わされて売買を繰り返したり、急落局面でグリップを緩めて手放してしまってはいけない。アメフトのボールと同じ、キャッチしたらハードヒットを喰らおうががしっかりと確保し続ける。銘柄や購入タイミングも大事だが、それ以上にメンタルタフネスが重要だと思っている。(アメフトのホールド力は上手いこと言おうとしたけどフィジカルの問題だなと書いた後に思った笑)

ではいったい具体的にどれくらいのメンタリティが必要なのか?を定量化するならば、あくまで私の経験を元にした体感だが、仮に100万円の投資資金があって2倍にしたいとすると、60万円減ったときに耐えられるか、というところだろう。6割減から10割増の幅だ。1000万円投資で+1000万円のために一時的な-600万円(1000万円→400万円)に耐えられるか。1億なら-6000万円。入金力や保有資産額、年齢や家族構成によって許容できる金額は異なるとは思うが、多くの人は許容できないだろう。投資とはそういうことだ。損を許容せずにリターンは得られない、しかし堪えた暁にはプラスになる可能性が高い。

上記はどちらかというとハイリスク・ハイリターンの感覚値で、もちろんローリスク・ローリターンの手法も存在する。個別株ではなく、インデックスファンドやETF、リート、債権など、リスク許容度に応じてアセットアロケーションを組んだり、ペーパーアセットではなくハードアセット中心でも良い。与信を活かした不動産投資もやりようによってはありだろう。投資元本が無くてもレバレッジを効かせてチャレンジできるメリットは大きい。高所得サラリーマン向けの節税を謳う都内1ルームサブリース付き投資なんかだとかなり分が悪いと思うが。

優秀なビジネスマン(多くはサラリーマン)は周りにもたくさんいるが、投資をしている人は少ないと感じる。余計なお世話だとは思うが、とてももったいないと感じる。idecoすらやっていないどころか知らない。NISAやふるさと納税、住宅ローン減税なども然り。そして貯蓄重視の生命保険に若い頃からガッツリ加入していたりする。自分が死ぬ将来のために保険をかけるのではなく、将来の安心ややりたいことを実現するためにリスクを取って投資をすべきだと思う。数十年コツコツと保険料ではなく投資をすれば保険金額を超える資産を築くことは不可能ではない。結局保険会社は保険料を運用しているのだし、投資を運用委託するのではなく、自分でやればいい。サブリースもそうだが、何事もリスクヘッジしようとし過ぎるとその代償は大きくなるものだ。(保険はもちろん保障や節税を目的として加入する意義はある)

仕事を頑張ることはもちろん素晴らしいことで、給与以外にも得られるものは多数ある。しかし、同時にファイナンシャルリテラシーを高める努力も怠るべきではない。仕事の時間を削ってでも資産形成にリソースを割り当て、資産という分身にも働いてもらって自分と資産の2馬力で資産形成することができれば効率的だろう。更にマイクロ法人を設立すれば3馬力となり、打ち手が増える。残念ながらサラリーマンはしっかりと税金を取られる仕組みになってしまっている。これから就職や転職をする人は副業可能かどうかを選定基準のひとつに組み入れることをお勧めする。「投資は性に合わない」とか「楽してお金を増やす行為は卑しい」などと考える日本人は多い。しかし仕組みを知った上でやらない選択をするのであれば良いと思うが、大半は知ろうともせずに雰囲気で批判している気がしてならない。投資は「不労所得」というイメージが強いだろうが、「労働」の「労」ではなく「心労」の「労」は相当なもので、心身どちらを使って所得を得るか、という違いだと思う。

長く投資を継続するためにも健全な精神を保つことが肝要なので、ストレスの無い生活を送ることを心がけている。混んでいる土日祝は外出を控え、空いている平日に活動する(といってもコロナ禍なのでわきまえつつ)。サーフィンのように新たなアクティビティにチャレンジし、熱中することで体と心をリフレッシュさせる。もうすぐ42歳、体が動くうちに積極的に食わず嫌いをせずに未知の領域にエントリーしてみて視野、世界観を広げていきたい。そのために時間とお金を使っていく。単なる浪費はしない。

先月ゴルフを始め、先週車を買った。どちらとも縁も興味もなかったが、全てが新鮮で知れば知るほどああこういう世界もあったのかと面白い。ゴルフはほぼ毎日練習している。上手くなって350ydとかドライバーで飛ばしたいし友人とのラウンドで迷惑をかけないレベルに早く到達したい。車は来月納車予定でどう活用するかプランニングしている。車は経済合理的に買ってはいけないものだと考えていたが、合理性重視の考え方を徐々に緩和していこうと思っている。これもコロナの影響だろう。コロナ終息にはまだ暫く時間がかかりそうだが、明るい未来を信じて投資も日々の生活も前向きに取り組んでいきたい。

注意:あくまで投資は自己責任でお願いします笑

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