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サーフィン

前回からだいぶ間が空いてしまった。最近の活動についてはInstagramやFacebook、Twitterをフォローして下さっている方はご存知かと存じますが、生涯の趣味とすべく始めたサーフィンにかなり熱中しております。連日代わり映えのしない海の動画をひたすらポストし続けておりますが、SNSフレンズの方々におかれましては日頃クリック賜りまして恐縮です!

6/20に始動してから現在(11/13)まで70回(6月:3回、7月:10回、8月:12回、9月:17回、10月:17回、11月:11回)サーフした。着実にペースを上げ、2日に1度の頻度でそろそろ5ヶ月が経過する。当初は週1、2回程度、波があって天気が良くて比較的空いてる昼間にゆっくりやろうかなくらいの緩めの活動方針だったのだが、何故か次第にストイックな追い込み型スタイルになってしまい、アメフト現役時を超える黒さを手に入れ、髪の毛は徐々に茶色くなり、常に若干の疲弊感を携えている今日このごろ。当然肩は一向に良くならず、整体に通いながら取り組んでいる。いったい何がアラフォーの私をここまで掻き立てるのか、よくわからないけどそういうところがあるのは自覚している。

サーフィンは海、太陽、スローライフ、笑顔、みたいなピースフルなイメージとは異なり、実際はかなり弱肉強食で、老若男女上級者初心者関係なく、沖から姿を現した1本のグッドウェーブを狙って一斉に熾烈なポジション取りとパドル合戦が開始され、多くの初心者はチャレンジするものの結果的には譲ることとなり、勝者が颯爽とライディングしている姿を後ろから眺める敗者がずらり、というような構図が延々そこかしこで繰り広げられる想像以上にシビアな世界であることを知った。私はさっき良い波に乗ったのでそこのビギナー女性にお譲りしますよ、みたいなジェントルな精神は存在せず、アグレッシブにトライしにいかなければただただ浮かんでいるだけで終了してしまうということを早々に学んだ。周りを見渡すとおじさんおばさんばかりで若者は少なく、始めてみたものの楽しくなくて大半が辞めていくのだろうと推察している。上手い人は乗れるからさらに上達し、下手な人はなかなか乗れないので上達が遅い。その2者間のボーダーラインを突破するまでには膨大な時間とエネルギーを投入しなければならない。

私のホームスポットである鵠沼は国内随一の混雑スポットのようで、多少なりとも波があれば基本混んでいる。波伝説という波情報アプリをサブスク登録しているのだが、[現在のサーファー人数]は他のスポットに比べて段違いに多い。[七里ヶ浜30人][鎌倉高校前70人][鵠沼400人]え?400?40じゃなくて?みたいな。特に夏の土日は小波であろうが常に芋洗い状態で、1つの波に2桁のサーファーがテイクオフし、手前で波待ちしている人を避けながらライディングする。サーフィンは"1 man 1 wave"と聞いていたが、どうやら鵠沼ではそんなルールは適用外らしく、"10 men 1 wave"くらいでぐるぐるみんなでまわし乗りしている。結構殺伐とした雰囲気だし、実際かなり危険なので、ひと夏経験して土日祝は休サーフ日にして平日頑張ろうと決めた。結局最近ちょくちょく土日も行ってしまっているのだけれども、そわそわしてしまうので、諦めがつくように波が無いことを願っている。

サーフィンには”前乗り”と言って波に乗る優先権がある人に対して前に乗って横取りしてはいけないルールが有る。これが明確ではないのも混乱の要因で、初心者がよくわからずに波に乗ったら優先権のある上級者に怒られる、みたいなシーンは日常茶飯事だ。ボードが当たって怪我したり、喧嘩になったりするケースもある。先日も女性ショートボーダーが随分アグレッシブに波を取りに行くなあと思っていたら、やっぱり前乗りしてしまっておっさんロングボーダーに激怒されてあっちにいけ!とか言われてて、私は上手くなって前乗りされたとしても絶対女性には怒りませんよと思いました。

いくら波が良くてもカオスな海に入っていては上達の機会が少ないため、最も空いている平日の日の出直後を狙うべきと考え、9月頃からは日の出直後を狙って5時に起床し、即ウェットスーツに着替え、原付を10分走らせ、浜辺で動画撮影し、ストレッチして海へ突入!という一連の流れがモーニングルーティーンとなった。まさか日の出時間を気にしながら生活するようになるとは思わなかった。

もちろんサーフィンするために早起きしはじめたのだが、そうすると夜22時位には眠くなってしまって就寝し、朝5時位に目が覚めてしまって、2度寝するのもあれだしサーフィン行くか、という流れが定着したのが実際のところ。すでに寒さ厳しく、真冬の早朝海に入るとか過酷すぎだろとか思うけど、一旦今のスタイルを崩したら仮に「明日は朝いい波が来そうだから早寝早起きしなきゃ」となってもリズムが変わると心身への負荷が高くつく気がするので、このままいけるところまでいってやろうと思っている。起床時しんどくても江ノ島と富士山を両手に見て朝日を浴びながら海に浮かんでると癒やされるし。一見健康的っぽいけど朝から冷たい海に長時間浸かるという行為はかなり体に悪いのではと思うものの、上達のためには休まずに経験値を積み続けなければならない。

ここまで書いたことを振り返ってみたらネガティブ寄りのトーンになってしまっているが、当然楽しさを感じられているから続けている。波にうまいこと乗れたときは爽快だし、たまに訪れる”上達を実感できる瞬間”は気分が良い。ビッグウェーブを思い通りに乗りこなせたときの高揚感は格別なのだろう。国内外様々なスポットでサーフィンしてみたいし、板やフィンの種類による違いが分かるようにもなりたい。まだサーフィンの奥深い世界の入り口に立っているに過ぎず、知らないことだらけだが、逆にそれがやる気にさせる。まず今やるべきは基礎を身に付けることなので、Youtubeを教科書に日々試行錯誤を繰り返している。

サーフィンにも基本姿勢があるはずで、アメフトで言うFFP(Football Fundamental Position ※和製英語だと思う)のようなSFPを会得したいのだが、Youtubeを見ていていても何が正しいのか正直よく分からない。パドルの仕方ひとつとっても入水は親指からと言う人もいれば小指からという人もいるし、板に立つときも前足からか後足からか両足同時か、重心は前加重か後加重か中心か、などなど様々なサーフィン論が存在する、ある種宗教的な世界なのだと理解し、とにかく色々試しながら自分に適した姿勢やスタイルを確立していくしかないと考えている。目線とやや内股で低い姿勢が大事なのはアメフトと同じっぽい。

私にはアメフト選手として19年のキャリアがあるため、何かにつけアメフトとサーフィンを比較して考えてしまいがちなのだが、2つのスポーツは対極に位置すると感じる点が多い。アメフトは仲間が居てコーチ、スタッフ含め100人程度の大所帯で活動するが、サーフィンは基本1人だ(当然プロの世界なんかはチームを組織しているのだと思うが)。1人で海に向かい、海に2,3時間浸かり、1人で帰る。その間一言も発しないし、恥ずかしいミスをしても無言で何事も無かったかのようにまた沖へ向かう笑。これまでに2回だけ「今何時ですか?」と聞かれて答えたことしか無い。団体競技と個人競技なのであたりまえだが、孤独である。

アメフトはほぼ全ての練習を録画し、レビューするが、サーフィンは基本やりっぱなしだ。録画、レビューしてくれるサービスには一定の需要があると思う。しかしスキルアップを求める人ばかりでは無いようで、リフレッシュ目的だったりマインドフルネス的活動としてサーフィンしている人も少なからずいるようだ。自分の当初の目的もどちらかというとそっち側だった。

アメフトは対戦相手を研究し、戦略を立てて、プレーを覚え、毎プレーやるべき事が指示されるが、サーフィンは記憶すべきことや他者に指示されるようなことはなく、そのときの波の状態に合わせて自分の瞬時の判断でプレーする。アメフトは勝敗があるが、サーフィンはプロの世界はおいといて、勝ち負けではなく"楽しかったかどうか"が価値判定基準で、楽しみ方は人それぞれ。沖の方でずっと浮かんでるだけで満足な人もいれば、密集地帯で「あぶねえ!あぶねえ!」と威嚇しながら周囲のサーファーを抑えて良さそうな波は全て乗りにいこうとする人もいたりする。冷たい視線を受けながらやってて楽しいのだろうか?と思うけど勝った気になったりしてて楽しいんだろう。

サーフィンは自分の世界観やスタイルを追求するスポーツなのだと思う。初心者が何を偉そうにと我ながら思うけど、どういうサーファーを目指すのかという理想像を持ちながら取り組むものなのではないだろうか。今はがちゃがちゃした感じではなく、穏やかにゆったりとしたライディングが理想。年齢的にもショートでばたばた忙しなく板を動かすよりは、ミッドレングスやロングで最小限の動作によって無駄なく滑らかに板をコントロールするような乗り方がカッコいいと思う。基本は譲るくらいの余裕を持った平和なスタイル。

とは言いつつも人に負けたくない気持ちはあるので、平均的な初心者の成長曲線はアウトパフォームすべく、適度なストイックさで引き続き日々精進したい。少なくとも1年間は今のペースで継続するつもり。これまでの5ヶ月間で体重は2kgほど減ったものの胸肩腕まわりの筋肉は落ちておらず、腹回りもわりとシェイプされた気がしている。下半身は細くなってしまった。サーフィンは無酸素運動だと思っていたが、2,3時間海に入ってると意外と細かく動き続けているので有酸素運動になっているのかも知れない。サーフィンしていればジムで筋トレする必要性は無さそうだ。

いつか「元アメフト日本代表の41歳が結構ガチでサーフィンを始めて1年経ったらどれくらいやれるものなのか?」みたいなYoutube動画を制作したいと思っていますので、楽しみにしていて下さい笑。

以上、たかが5ヶ月ほどの経験でサーフィンについて思うところを書いてみましたが、初心者の戯言なのでご了承下さい。

寒さひとしお厳しき折、フットボーラーの皆様はシーズン終盤、サーファーの皆様はハードコンディションシーズンをこれから迎えるかと存じますが、風邪やコロナを召されませぬようご自愛されつつ、よい冬を過ごしましょう。では

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