【TSMC】
台湾積体電路製造股份有限公司( Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.、TSMC )は、中華民国の新竹市新竹科学園区に本社を置く半導体製造会社である。世界の半導体受託生産の5割超を占め(2021年時点)、世界最大のファウンドリである。なお専業ファウンドリというビジネスモデルを成立させたのも同社で、同社の誕生以前は日系メーカーが受託生産を行うことがあったが、事業として成立させたのは当社である
台湾工業技術院(ITRI)発のベンチャーで、「電子工業研究発展第3期計画(通称:VLSI計画、期間:1983.7~1988.6)」の成果として1987年に設立された。初代会長の張忠謀(モリス・チャン)は、1985年にテキサスインスツルメンツの上級副社長だったがITRIの会長として引き抜かれ、ファウンドリというビジネスモデルの発想も含めTSMCの設立に深く関与した。オランダのフィリップス社は設立資金の27.5%を出資するなど同社の設立を支援し、技術的に協力したが、のちに経営不振からTSMCの持株を放出している。
設立当初は信頼を得られず苦戦したが、徐々にアメリカのファブレスメーカーの製造を請け負うようになり、「イギリスのArm社が設計プラットフォームを提供し、アメリカのファブレスメーカーが設計し、台湾のTSMCで製造する」という構図が固まり、日本や欧州のIDM(垂直統合型メーカー)が駆逐される。そういう意味では長年日本の半導体業界とTSMCの相性は悪かったのだが、駆逐され切った結果逆にwin-winの構造が生まれつつあり、つくば産総研における国際共同研究、熊本における工場新設計画が進んでいる。昨日の敵は今日の友。なお日本のネットのごく一部では「TSMC陰謀論」という新たなジャンルの陰謀論が育ちつつある。香ばしい。
<参照>
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