【ノンキャリア職員】
国家公務員2種または3種試験(現「一般試験」)に合格し、一般行政職として中央省庁に採用された職員をさす。キャリア官僚には若くして幹部候補者として昇進ルートが敷かれ、概ね課長級までの昇進は保証されているのに対し、ノンキャリア職員は逆に通例では課長級以上の出世は困難となり、一般に予算や制度運用など専門性/継続性が必要な職務に充てられることが多い。
一般にこれを「身分制」「非合理な差別」と批判する向きもあるが、早期退職慣行がなく公務員として定年を迎えられる、じっくりと専門性を身につけられる、煩わしい政治問題に巻き込まれる機会が少ない、といったメリットもあり、一概にノンキャリア職員が自身の待遇を後ろ向きに捉えているというわけではない。例えば財務省主税局のノンキャリア職員は必然的に担当する分野の税制について国内有数の知見を有することになるので、霞ヶ関内部ではその知見と横柄さを持って大いに恐れられている。
近年では幸か不幸かキャリア官僚組の若手職員の退職が相次いでいるため、その穴を埋めるためにノンキャリア職員からの抜擢人事が増えている。
<参考文献>
「用語集 政治・経済【新訂第5版】」(清水書院)