【ボクシニ 〜20年のキセキ〜】13

1月26日
屈辱の次の日

ベットから起き上がることすら困難だった前日
一晩明けてスッと起き上がれるようになっていた
とは言うものの、どこか怠さを感じている
リハビリを開始しようとしてもその怠さが邪魔をする


「もうどうにでもなれ」


と、投げ出したい感情が押し寄せてきて心が折れそうになったが
昨夜の恥ずかしさを思い返すと、歯を食いしばり持ち堪えた


〜必死に立ち上がろうとする〜


ベットの横から足を出し
そのまま立ち上がった
久しぶりに地面の上に立つ感覚は
とても不思議な感覚だ


〜一歩踏み出してみる〜


身体がぐらつく
何でもいいから捕まりたくり
点滴にすがろうかと思ったが
「甘えるな」と自分に言い聞かせて
自分の力で立つことを選択する


〜もう一歩〜


徐々に慣れてきたことを実感する
行けるとこまで行きたいと決心した瞬間目標を立てる


〜自分の病室の出入口まで行って帰ってくる〜


ベットから降りた位置から
自分の病室の出入口まで
普通に歩けたら10歩もいらないだろう
だが、今の僕にはその3倍は必要だ


やっと想いで自分の病室の出入口に到着
息は切れ
汗だくになる
ベットに戻ろうとした自分の目に映ったのは
隣りの病室の出入口


〜距離は今までの倍〜


途轍もなく長く感じるが
ここまで来たら行ける
そう自分に言い聞かせ
歩き始める



つづく


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