【ボクシニ 〜20年のキセキ〜】最終話

気がつけば交通事故から15年が過ぎていた…

普通に生活したり
普通に動く分には
手術の傷口の痛みや違和感などはない
それだけならリハビリは必要ないと思えるくらい回復している
ただ、無意識のうちに
腹部を覗き込んで「ト」に見える傷口に
身体全体が吸い込まれるように
僕は身体のバランスを崩していた 


自分の身体のバランスは気づきにくい


自分ではこのバランスが正しいと思っているからこそ盲点で
人は自身の目線と他者目線とでズレている場合が多々ある


スポーツトレーナーになって5年


そのことを今まさに自分の身体を通して改めて知った瞬間だった


傷口のリハビリは想像をはるかに超えてつらい…
かさぶたを剥がして
剥がしたところを奥までいじられて無理矢理広げられてるような感覚に近い


何とも言えない気持ち悪さがある上に
今まで使ってない箇所だったため
少し動いただけで筋肉痛が起こる…
リハビリしながら


「この動きができなかったから投げ方も上からより横からの方が使いやすかったのか」


と、新たな発見と共に


「使いやすいとこだけ使うことで身体のバランスを余計に崩していたのか。バランス崩せばそりゃ良いパフォーマンスは続かないよな」


と、数年前の自分自身を客観視することもできた


「だからこそバランスは大事なんだ、ケガはしない方がいいんだ」


改めて強く思った瞬間だった

それから数ヶ月後のシーズン開幕戦
打者として今までにない活躍を見せてから活躍を続けレギュラーを自らの手で勝ち取った
昨シーズンオフには期待されていなかったホームランも打つことができた

その後
同年に中学野球部の監督に就任することになり、プレーヤーとして引退を決めて指導に専念することになる


36歳〜

中学野球部監督を退任後
僕はプレーヤーに戻ることを選択をしなかった
理由は

治療家として
鍼灸師もして
スポーツトレーナーとして
一人でも多くの人に笑顔になってもらいたい
そのために時間を費やそうと決めたからだ
また
僕のようになってほしくないという思いと
僕のように良くなる可能性はいくらでもあるということを知ってほしいという思いもある


【可能性は無限大】


身体の外側と
身体の内側の
バランスを整えてから前進しよう
そうしたら
100%不可能が99%になるかもしれない

だからもしあなたが
どれだけバカにされたって
どれだけ笑われたって
僕はバカにしないし笑いもしない
例え僕以外全員がそうしても
僕はバカにしないし笑いもしない

「いいじゃん・最高・がんばろう」

僕はこの言葉を届けるよ

いつまで?

死ぬまで届け続けるよ



僕は死にました

そして

僕は生まれ変わることができました



ありがとう





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#僕は生まれ変わることができました

#ありがとう

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