【ボクシニ 〜20年のキセキ〜】24

3月初旬

僕は事故以前に勤めていたアルバイト先に復帰することができた

2月16日の退院した日は帰宅直後
力尽きたかのように横たわったが
徐々に慣れていき
日常生活を送る上では問題なかった
でもいざ働くとなると些か不安はあった


復帰前に店長と面談した
勤務時間や日数など
徐々に慣らしていくように調整したり
いろいろ配慮してくれた


嬉しかった反面、申し訳なさが強かった…
一日も早く普通に働きたい
でも身体が言うことを聞かない…
そんな日々を繰り返す


と、ある日
アルバイト先の電球が切れてしまい
僕か電球交換をするように指示を受けた
身長が高いことが最大の理由なのは一目瞭然だった


「はい、すぐやります」


至って普通のことなので
何の違和感もなく作業に取り掛かろうとした
その瞬間


「痛っ!!!!!」


痛みが走った瞬間
僕は咄嗟にうずくまった


『どうしたの?大丈夫??』


周りの人がざわつく


「大丈夫です」


痛みが走ったのは腹部だった
大きく「ト」の字になった傷口が
裂けるような痛みが走り
あまりの痛さにうずくまるしか
僕は選択肢を選べなかった


何かあったら心配させてしまう…


何事もなかったように振る舞ったが
痛みはしばらく消えず
僕を苦しめた


僕は死にました


もうあの頃の僕は死にました
もうあの頃の僕は昔の人間…
いや、別の人間
では今の僕は誰なんだ?
心の葛藤は続く



つづく


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#実生活 #復帰 #葛藤 #別の人間

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