![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/1538490/rectangle_large_4bd92d0fdf21247f1562497413a030ca.jpg?width=1200)
ステマが嫌いなので星井七億氏の単行本について普通に感想を述べました
ツイッターや個人ブログで商品を紹介すると「ステマだろ」と言い出す人が必ず出てくる。「お前これで幾らもらったんだよ」と、無賃金だしそもそもステマじゃないのにステマを疑われたり反感をかったりする。よって、私はステマが嫌いである。
この三段論法が合っているかどうかは自分で書いているくせによく分からないが、三段論法と言いたかっただけなのはよく分かる。
というわけで、先日、「もしも矢沢永吉が『桃太郎』を朗読したら」という記事で一躍有名になった星井七億という人と会って飲んだ際、「単行本出版おめでとうございます!」的な祝いの言葉と女の子同士がイチャイチャしているだけのエロ本を贈ったところ……
なぜか、星井氏の単行本が贈られてきた。4月16日が発売日(たぶん)なのに、その日より先に送られてくるということは、「宣伝してください!」ということだろう。しかも、発送元は星井さんではなく出版社。
……正直な話、星井さんの本は欲しい(意図せずダジャレになったのは星井さんのせいです)と思っていたので有難かった。が、ただ送られてきただけで、私には一銭も入ってこないのである。1080円くらいの購入金は浮いたが、宣伝(ステマ)の代金はもっと高いと他のライターさんからよく聞いていた。
「やっと私にもステマっぽい何かが来たのにお金もらえないなんて!」と、守銭奴の自分は憤慨した。あと、出版社の方が私の苗字を間違えていたことにもコノヤロウと思った。島津じゃなくて嶋津だよコノヤロウ!
ということで、今回は星井七億さんの「もしも矢沢永吉が『桃太郎』を朗読したら」(星井七億、鉄人社、2015)について、私が思ったことを嘘偽りなく書きたいと思う。
【紙の手触りついて】
表紙は、重厚感を持たせるようなベージュ色とマッチするよう多少のノイズ(要はザラつき)が感じられる。星井氏もツイートしていたが、紙には拘りがあるようだ。しかし、表紙以外の紙は白(オフホワイト)に近いように感じ、「えー? 表紙に拘ったんならさぁ……もっとほら……なんかあるじゃん」と思った。活版印刷ならもっと良かった。
……このように、文句をつけようと思えばいくらでもつけられる訳であり、あくまでも私の感想である。
別に、急になんか怖くなったから言い訳したわけではない。
【内容について】
本題である。
正直に言って、面白かった。
ブログに載せていたネタにも多少手が加えられており、活字の世界に読者を導いてくれる。書き下ろしネタもブログのテンションや読みやすさ、そして、『楽しんでもらおう』という書き手の意識が感じられた。
……というのは後づけ。
読んでいる間は、上記のような「理屈っぽい解釈をして楽しむ」ようなクソみたいなコトをしている暇はなく、クスクスと笑いながらページをめくる手が止まらなかった。「モールス符号で『桃太郎』を書いてみた」というモールス符号だけで埋め尽くされた、意味わかんないしモールス符号を読めないと文字通りの「読み物」として機能を果たさないネタもあった。良い意味で本当にバカバカしく「この本、何でもありだなwww」と、表紙の重厚感と内容の(いい意味での)ギャップにも笑ってしまった。
書き下ろしネタには下ネタもある。星井さんが官能小説を読んだことがないのであれば「この想像力はどこから来るのか」と疑問に思ってしまうほど。……とは言っても、引くほどえげつないわけではなかった。
たぶん彼は官能小説で〇いたことがない。
【内容への不満点と、とりあえずのまとめ】
「ヤクザ映画みたいな『走れメロス』」と「もしもビートたけしがいろんなおとぎ話を読んだら」という書き下ろしもあったので、「お! 『アウトレイジ』ネタくるか!?」と思ったのだが特になかったところで一個人として裏切られた感を覚えたのが今でも忘れられない。
しかし、私が勝手に抱いた期待を例に出して批判することはできない。
実際にめちゃくちゃ笑ったし、生協のナントカさんすら一日で読めなかった私がその日のうちに読み切ってしまった程である。
買って損はないだろう。
あ、思いだした。コレ↓
本やマンガをよく読む人は、表紙の下にボーナストラックがあるかも!? と期待しがちだと思うんですけど、特に何もなくてションボリしました。
***
2015/04/09 22:49 追記。
星井さんから連絡がありました。「官能小説で◯いたことは、あります!」とのことです。