自慰と自賛
本当は、いつでもどこでも、最高の漫才を演りたいけれど、肉体面や精神面にどうしてもムラがあるため、ぐだつく、へなへなの漫才をしてしまうことがある。そんなとき、ポーカーフェイス気取りの自分は、表情にこそ出さないものの、内心、死にたくなる。死にたくなる、というよりも、生きてる意味無いやん、という感じで、その度に白髪が一本増える。夜になると、仕方無いよネ、と自分を慰めつつ、プリンを食べて、夜を明かす。こんなときに自分を慰めてくれるのは、とろ甘いプリンくらいしか無い。
昔から、人に褒められることがあまり無い。同業の芸人連中は、おもしれーっすねー、なんて言って褒めてくるけれど、芸人など嘘つきの性病人間ばかりなので、別段嬉しくはない。また、お客さんで舞台後に自分に話し掛けてくる人はほぼいないので、勿論褒められることも皆無に等しい。となると、やはりこれも、自分自身しかいない。自画自賛というやつで、良い出来の舞台の後などは、おれは凄いネ、と夜通し自画自賛をしながらプリンを貪り食っている。
とりあえず、舞台終わりにはプリン。というお話。
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