審査員してきた
楽屋Aのバトルライヴ『楽屋Bバトル』で審査員をしてきた。このライヴは、"Bメンバー"の出演者がネタをして、観客票+審査員票で戦うというもの。11組出演するのだが、観客は面白かった3組に○をつけて、それが票となる。審査員は30票持っていて、それを自由に振り分けられる。プラス配信で見ている人の票?も合算されて、合計票で順位が決められる。
普段は作家やテレビ局ラジオ局のプロデューサーなど、裏方が審査員をやっている。今回何故か自分に依頼が来たので引き受けた。OBが試合の日に来るようなキモさ…いよいよ老害か…とも思ったが、自分も出演者と同じく未だに戦っている。同じく舞台に立つ人間が審査をやる以上は、観客とは違う視点でやった方が良いかなと思った。自分はこうしたライヴの順位なんて気にする必要は無いと思っているタイプの人間だが、芸人の中には結構気にする人も多いし、たとえ1票でも多ければモチベーションに繋がる、という人もいるだろう。出演者には審査員の票の振り分けも公開されるので、同業者に評価されたらやっぱり嬉しいだろうし、こちらも勉強させてもらう気持ちで楽しもうと思った。で、やってみたら結構楽しかった!人のネタをしっかり見ることで、自分自身の糧にもなるので、審査員は結構オススメです。
終演後には何組かが来て、「あの、なんかダメ出しを…」って、可愛い。真摯に嘘無く、話した。でも、他人の評価やアドバイスなんて、全く気にする必要は無い。納得するなら取り入れれば良いし、は?と思うなら無視すれば良い。私は私の笑いを作り、あなたはあなたの笑いを作れば良いだけの話だ。
最終的な結果はこうなった。
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自分が票を入れた人が勝ってたり負けてたり、なるほどねーと思ったが、一位のたらちねに関しては自分も一番多く票を入れたし、多分そこは全員納得の結果。書くつもりも無かったが、OPでMCに「嶋仲さんのnote見たら、おれらのことは書かれてなくて〜」みたいな話をされたので、じゃあ全組、個人的な評価を書こうと思う。
たらちね:ネタは文句無しに面白かったが、このネタをやるなら最初のつかみは不必要か、変更した方が良いと思った。
ブルーウェーブ:粗をあげればキリがないが、その粗が魅力なので良い。ボケは、もうツッコミが気狂うくらいにふざけて欲しい。毎回一個は唐突にアドリブでボケるくらいはやれば良い。
ばかんす:自然に見せることと自然っぽく見せることは違う。プレーンな観客にはウケても、コアな観客には見抜かれそう。本人らとも色々話せて嬉しかった。
天平:キモいネタなのに普通にウケてたし、凄い。いつかR-1決勝行くと思う。"癖"って言い方は発展させたり言い回しを変化させていけると思った。このネタなら、BGMはインストバージョンの方が良い。
オカヤマ:後半のグロテスクはちょっと安易かと思った。もっと恐怖にするかもっと阿呆にするか、して欲しい。音声のBGMが音質悪くて勿体ない。音使うコントの人は、絶対音質は綺麗な方が良いので録音と編集ソフトにちゃんとこだわるべきだと思う。
九明ジュエル:喋りは滑らかで良い漫才だけど、ちょっと作りが甘く感じた。他のネタはもっとおもろいんやろな、が伝わったので、全然問題ない。
反町:上と同じ。今日のネタもウケは弱かったが、普通に面白かった。大丈夫。
ぞうキリン:延々とふざけてゆく。そういうときは、一番最初のボケが肝心なので、あれが正解かは分からない。初めのフリが長いとこちらも想像してしまう。ウケてなかったけど、意思はとても伝わるので好き。
てんてらてーんあきら:喋りは上手いけど、ネタが丁寧な分、浅く見えた。こちらの想像を越えて、もっと深いところまでいける。結局はどれだけ農業に愛があるかが、露になる。本人にも伝えたけど。
未来万十:ああいう会話のときはツッコミのスタンスが大切なので、ちょっと甘く感じた。俯瞰して欲しい。別にきみの恋バナにも興味ないよ、という観ている側の気持ち。ネタに関しても、トラックかタコ足どちらかひとつだけで、もっと深く強靭な漫才が作れるはずだろう。
ココナッツ学園:男女二人とも阿呆なので、それが出まくってて良かった。しかし、やはり大切なのは俯瞰…。多分二人とも自分たちがどう見られているかを、まだ意識出来ていない。俯瞰しながら、ずっと不真面目にやって欲しい。
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