マガジンのカバー画像

きっさ

12
好きな喫茶店について書きます。
運営しているクリエイター

記事一覧

喫茶和光

ちょっと昼間なんにも予定が無くて時間があるとき、一人で駅前の喫茶店「和光」へ行く。老舗のサ店、別段お洒落でも何でもないここは全席喫煙OKと貼り出している通り、ヘビースモーカーの溜まり場みたいな感じで、長居しても何も言われない。店員のおっさんも無愛想、いらっしゃいも、へいお待ちも、何も言わぬがそれが良い。自分は一人でここに来たとき、小さな贅沢として「こんがり焼きばうむセット」を頼む。焼かれたバームク

もっとみる

ロージナ茶房

東京に来てもライヴは夜、昼間は暇なのでどこかで時間を潰すしかない。自ずとサ店でも行くかとなる。さて、どこへしけこもうか。ずっと前から行きたくて未だ行けていない、世田谷「邪宗門」は調べると休みであった。平日はもう殆ど営業していないっぽい。ならばと、携帯にメモっていた店「ロージナ茶房」へ行った。

中央線に乗って国立駅で降りる。前に来たのは20歳頃か、友達が当時住んでいて何度か来たことがある。そして国

もっとみる

珈琲貴族エジンバラ

東京へライヴに行った際、大抵自分はどこへも遊びに行く気になれず、東京タワーも上野動物園も行ったことが無い。行くとすれば喫茶店くらいのものである。東京の喫茶店の特徴として、基本的に値段が高い。珈琲600円なら安い方で、1000円取る店も平気で存在する。阿呆かと思うが、家賃相場など考えれば仕方無い。後は、都心の喫茶店はどこもいっぱいで、ドトールの店先に人が並んでいたりする。阿呆かと思う。禁煙の店が多い

もっとみる

御多福珈琲

京都、四条の寺町にある御多福珈琲は、小さな階段を降りた地下の喫茶店。店内はこじんまりとしていて、低い天井、カウンター席とテーブル席が三つほど、ソファ席の生地が良くて、阪急電車みたいな感じ、と書けば関西の人は何となく分かるだろう、指で一方向になぞれば絵が描けるタイプの、あの生地である。色はくっきりとしたブルー、どことなく高級感があって、落ち着く。また、ここは煙草も吸える。このタイプのサ店で喫煙可なの

もっとみる

ゼー六

本町通りにある老舗の店「ゼー六」は、時折無性に行きたくなる。ここはアイス最中と珈琲の店で、元々の菓子店ゼー六は大正時代からあるという。栄えた大通りにぽつんと立つ古い一軒家はそこだけ戦時中から時間が止まっているかのような佇まいである。

店先販売のアイス最中は、店主が小窓越しにアイスクリームをよそって白い最中で包んでくれる。暖簾をくぐると激シブの狭い店内には小さな机が3つだけあり、5人も入ればもう満

もっとみる

喫茶ウーピー

夕刻、靱本町あたりを一人で歩いていた。この辺りは微妙に駅も遠く、これといった特徴の無い上品な街である。猫背の自分は、ズンズンズンズンこぶたがズンズン、などとマスクの中で呟きながら、アテも無くうろついていた。幹線道路を車が行き交い、そろそろ日も暮れかけて、買い物帰りの主婦や仕事終わりのサラリーマンなどが歩いている。自分は、どうしようもなく腹が減っていた。普段から食事に執着が無いため、こうした場合は大

もっとみる

スマート珈琲店、イノダコーヒ、喫茶萱島

こないだ京都で友達と喫茶店のはしごをした。松本隆の本のあとがきに、京都のおすすめの喫茶店について書かれてあるのを頼りに、巡った。どの店も京阪三条駅から徒歩で行ける場所にある。

まず初めは、寺町にあるスマート珈琲店。店内に入るなり自家焙煎した珈琲豆の香りが漂う。二階席で珈琲と名物のプリンを注文した。松本隆曰く、ここのプリンは異常に美味い、らしい。ずっしりとした昔ながらのプリンは、確かに美味かった。

もっとみる

喫茶茶考

阿波座駅前、立売堀にある喫茶茶考は昔ながらの純喫茶で、自分は週一回のアルバイト終わりによく行く。店の名前が良い。喫茶店というものは、居心地や珈琲の味は勿論だが、店の名前も同じくらいに大切なのである。たとえ珈琲が美味い店でも、名前が「cafe&bar Take It Easy !」ならば、別に良いけどすすんで行く気はしない。

表の看板には、劇画のようなガビガビの文字で茶考と書かれてある。何と読むの

もっとみる

ばん珈琲店

大阪で一番美味い珈琲が飲める店だと聞いたので、こないだ行った。珈琲だけの店、と書いてある。その他、滞在は一時間以内で、パソコンなどの作業禁止、喫煙禁止、撮影禁止、大声で会話禁止、などのルールがある。全ては珈琲のためであろう。真剣に味わって欲しい、というプロフェッショナル精神に溢れた店なのだ。自分は緊張した。

店内は木を基調とした穏やかな雰囲気の店で、クラシックが流れている。この内装もまた、お洒落

もっとみる

喫茶門

谷町九丁目の駅通路の地下街にある喫茶門は、まず名前が良い。由来は知らぬが、門、は言いたくなる。もん行く?

赤い四角の看板に「TEAROOM門」と書いてあるのが目印。MON、とも書いてあった気がする。小さな店内にはカウンター(といっても、おしぼりや新聞が雑多に積まれているため誰も座れない)とテーブル席が4つほど、とても綺麗とは言い難い雰囲気で、無愛想な中年のマスターと甘ったるい声の老婆が切り盛りし

もっとみる

喫茶モア

布施にある喫茶モアへ行けば、きっとワクワクすることだろう。駅前の大きなイオンの一階にあるこの喫茶店は、規格外の驚きを与えてくれる。店内は妙に派手な雰囲気で、昭和的な高級感に溢れている。各テーブルには巨大な花瓶が置いてあり、色とりどりの花が咲く。店員のおばさまたち(この店には従業員が5、6人いるのだが全員女性である)は、ふりふりフリルの付いた純白のエプロンを身に着けていて、化粧も濃い。いかにも大阪の

もっとみる

喫茶かるがも

ヤング嶋仲の、おすすめ喫茶店。パチパチパチパチ。ということで、私のおすすめ喫茶店を紹介していきます。新たに作った「きっさ」マガジンです。

本当に好きな場所は誰にも教えたくない、なんて野暮なことは抜きにして、素敵な喫茶店の数々を皆さんにお教えしましょう。今のご時世、飲み会やBBQなどへは行き辛いと思います。そんな時こそ、一人で喫茶店へ行き、ぼんやりするのは如何でしょうか。珈琲を飲んで、煙草を吸って

もっとみる