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言霊大神と少年王と

10月の月参りは25日と少々早めの参拝となった。
向かったのは、昨年もこの時期に参拝させていただいた、「武蔵野坐令和神社」である。

新しい神社で、開放感がとてもある。
私の後に参拝していた人は初めてだったのだろう。「どこで参拝するの?」と戸惑っていた。
確かに、一見わかりづらいかもしれないが、賽銭箱が置いてあり、参拝の仕方も書いてあるので、そこまで迷うことはない。
ただ、これまでの神社っぽくないというのはあるかもしれない。

御朱印も2種いただいた。
一つは直書きのもので、前回もいただいたもの。
もう一つは今回のメインイベントであった、「ツタンカーメンの青春」とのコラボのもの。

これで、御朱印帳予定通りなら今年中にいっぱいになる。
来年1月からは新しい御朱印帳になりそう。これは、新しい御朱印帳を見つけておかねば。
それによって1月の月参り神社が変わってくる。

まだ1月末の話なのでもう少し考えよう。

というわけで、参拝後、腹ごしらえをして(ミュージアム内のレストランで食べた。味変ボロネーゼ美味しかった!)、本日のメインイベント「体験型古代エジプト展ツタンカーメンの青春」を鑑賞。

チケット確認と注意事項確認をしたらいざ出発。
王家の谷、そのお墓の中に入っていくような狭い入り口を抜けると、映像で見たことがあるツタンカーメンの王墓が再現されていました。

一番テンションが上がったのがここで、「おお、あれだ!なんか既視感!(そりゃそうだ)」としばしぐるぐると回る。
狭い部屋なのでその場でぐるぐる回っている感じ。

石棺もですけど、壁画も「あれがオシリスかな?あれはアヌビスだな。ではこれがイシスかな?」と思いながら、そういう神々に見守られながらツタンカーメンは眠っていたのかと。

堪能した後は、さらに奥へ。

最初に目に入ったのが、儀式用の黄金の戦車。ハヤブサ姿のラーと思われる像が乗っている。
それが可愛らしい。
エジプトの神々はよく獣頭で描かれるが、完全に獣化しているのは結構可愛らしいのだ。
後半で見ることができた、アヌビスが乗っている厨子もあり、なんとも後ろ姿の絶対もふもふであったであろう尻尾は何とも言えない。いや、像なので硬いのはわかるが、アヌビスが存在していたらベルベットのような肌触りであっただろうと思うのだ。

そして、その奥には、これまたよく見るツタンカーメンとその妻アンケセナーメンが描かれた黄金の玉座。
9歳から19歳まで王として君臨したツタンカーメンとそれを支えたアンケセナーメンの仲の良さが感じられる装飾である。

中央展示は黄金のマスクと棺。何十にもマトリョーシカのようになっているのがわかる。

そして、プロジェクションマッピングで映像が流れる。

死生観やヒエログリフを読み解く展示、ツタンカーメンパパのアクエンアテンとアテン神の像(アテン神は光源?)などツタンカーメン時代の様子を見ることができた。

途中には10分程度の映像も入るのでのんびり見るのがいい。

全ての展示がレプリカであるということ、体験型を謳っているということで、触れるものもあるのかと思いきや、全くそんなことなく……
映像は素晴らしいが、BGMが大きくてナレーションが聞き取りにくく、スピーカーの前まで行ってみたり……
少々残念に思うところはあったが、ツタンカーメンの時代は時代の転換期でもあったのだろうと思う。

神殿の力が王の力を上回る。それを危惧したツタンカーメンパパであるアクエンアテンがそれまでの多神教であるアメン神信仰を捨て、アテン神の一神教に変革しようとした。

しかし、それはツタンカーメンの時代に結局アメン神信仰へと戻る。

それはツタンカーメンの名からもわかる。
彼は、ツタンカーテンからツタンカーメンに名を変えている。
それが本人の意思かどうかはわからないが。
妻であるアンケセナーメンも確か同じように変わっている。

どちらの信仰が上かどうかというのはどちらでもいいと思うが、どれだけ文明が発達していても、いや、文明が発達したからこそ争いの火種というのはそこここに散らばっていたのだろうと思う。

もし、ツタンカーメンとアンケセナーメンの間に男の子がいたら、そうでなくても、二人の娘の内、どちらかでもちゃんと成長していたら、古代エジプトはまた違った流れを進んでいたのではないだろうかと、ふと思う。

父であるアクエンアテンの像がアテン神の光と向かい合っているコーナーがある。
この宗教改革がまた違った形で実を結んでいたのなら、それも違う流れを進んでいたのかもしれない。

何にせよ。古代エジプトという時代は有名であり、研究されているが、研究し尽くされることはないのだろう。
それもロマンかと思うのだ。

ほぼワンフロアを贅沢に使った展示で、多少の物足りなさはあるものの、古代エジプトの時代に想いを馳せるには楽しい時間だった。


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