「おもしろい」が最強です
立川のサンサンロード、以前はヤギが雑草を食べている光景が人気だった地区に商業施設ができてしばらく経った。
できたことは知っていたが、主に立川に出るのは自転車だったため、どんな施設があるのか知らなんだな。
ホテルやらイベントホールやらができ、その中にミュージアムもできていたらしい。
「谷川俊太郎 絵本☆百貨展」
そんな特別展をやっているということで、谷川俊太郎さんの詩は好きなので、行ってきた。
結論、
「そうだ、これは絵本展だ!詩はないじゃん!!」
だった。
それでも、「もこ もこもこ」とか、「あな」とか「おならうた」とか「ことばあそびうた」は知っていたので、すんなりと楽しめたが。谷川俊太郎の世界観というのは絵本であっても詩だけであっても共通するものなのだろう。
空間をたっぷり使った展示。体験するもの、見るだけでなく耳でも楽しむものなど子供から大人まで楽しめるような展示の仕方だった(なんとなく学園祭や幼稚園などの作品展を思い出すような。もちろんもっと洗練されているが)
「もこ もこもこ」は映像で楽しめる。
人をダメにするクッションが置いてあって、おそらく休日になると取り合いになる可能性もあるのだろうが、この日は平日、一人でぐでぇとクッションに埋まった。
暗がりでの「もこ もこもこ」の映像と朗読。
一人きりの世界。
ぼーっとなるのは当然だった。
最後の方で、「パチンッ」と破裂するシーンがあるのだが、ぼーっとしすぎていて、思わず声が出て、笑ってしまった。
それほどぼーっとしていた。
人をダメにするクッションに見事にダメにされた人だった。
お土産に谷川俊太郎さんの詩が書かれているトイレットペーパーをもらった。カバンに入れるのが一苦労だった。手に持っているのもおかしいし……でもいただいたので大切に持ち帰った。
帰ってきてから、楽譜を取り出してみた。
合唱で谷川俊太郎の詩の歌はよく歌ってきた。
そういうのもあって、何か知っている詩が出てこないかな?とも期待したのだが、そもそもが絵本じゃなかった。
楽譜の最後に載っている詩を眺める。
楽しいなと思う。
振り幅が広い。
クスッと笑えるブラックユーモアの中にちょっとした厭世観が織り交ぜてあったり、打ちひしがれたような中にも希望が見える。
終わりは始まりであり、始まりは終わりである。
そんな感じ。
遠くを広く見つめる。決して一点ではない視点がある。
そしてクスッと笑えるおもしろさが散りばめられている。
また歌いたいなと思った。
そろそろ合唱をするために集まっても大丈夫な時世になってきている。
大掛かりなコンサートをするには準備不足になるが、ちょっと歌うくらいならやっていきたいなと思う。
いいな、谷川俊太郎。