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私がモンスター社員になるまで #2年目

これは、夢と希望で満ち溢れていた新入社員だった私が、
モンスター社員になるまでの物語だ。
(※とあるホワイト企業のヌクモリティ内の話なので基本的に全部ぬるいです。)


4月

他部署から、うちのチームのミスが多すぎるというフィードバックがきた。
どうやら3月に1年度の振り返りを行った結果、
我々のチームにフィードバックしようとなったらしい。
議題の具体例には昨年9月、上司が「なぜこんな間違えて処理してきたのか」とか問い詰めてきた例の件が挙げられていた。
確かに我々のチームにも問題はあるが、
昨年9月のことを今更言ってこられてもなー…というのが正直な感想だった。
私はとりあえず謝罪と、
「再発防止として今はこういう体制で業務を進めているので、
例に挙げられているようなミスは起こらないと思う。
今後もなるべく少なくなるように努力し、
ミスがあった際には再発防止に努める」
といった旨の返信をした。
まあそれでひとまず落ち着いたかなと思っていたのだが、
上司はどこからかそのフィードバックを読んでいたらしい。
「あの件を挙げ玉にあげられていますが…
そもそもあの件を間違えて処理したのは派遣社員さんで、
私は部長から指示されてチェックを緩めていたので気が付かなくて仕方がなかった」
という旨の文章が30行くらいに渡って書かれたメールが送られてきた。
私はもう面倒くさくなってしまって、
「わざわざご説明ありがとうございます。
とりあえずもう返信しておいたんで、
先方がどうしても原因を教えてほしいと返ってきたら経緯を説明しますね。
あと、あげだまじゃなくて槍玉が正しいと思います。」
とだけ返した。
上司からも他部署からも返信は特に返ってこなかった。

5月

私がペアを組んでいる派遣社員さんが、
どうやら業務の質問を他の派遣社員さんたちにしまくっていたらしいことが分かった。
相変わらず私にもたくさん質問が来ているので全く気が付かなかった。
というか、同じことを10回以上聞かれても毎度教えているような状態なのに、これ以上何を質問することがあるんだろうかと思った。
業務の質問以外にも、私用のメールが頻繁に飛んできたり、そもそも態度や物言いにかなりストレスを感じているとのことだった。
ひとまず他の派遣社員さんたちには謝罪と、ひとまず本日中に注意をするのでもし継続するようならもう一度伝えてほしいとお願いしておいた。
ペアを組んでいる派遣社員さんには、
「業務やそのほかの質問はいったん私にしてほしいです。
私は派遣社員さんたちの質問に答えることを考慮して業務が分担されていますが、
他の方はそうではないので、あまりに質問しすぎると他の方の負担になってしまうかもしれません。
私に質問しづらいようだったら上司に相談してみてください。」
と伝えた。
派遣社員さんは分かりましたと答えたが、私はこのときから派遣社員さんが出社した日とそうじゃない日のチームのアウトプット量のデータを集め始めた。

6月

上司が出張から帰った翌週、
「新幹線で隣になった人の体臭が酷くてずっと息を止めていて、
くしゃみと鼻づまりが止まらなくなったので休みます。」
という有給取得の連絡が来た。
相当因果関係を勉強しなおしてこいと思った。
土日もはさんで影響与えてくる臭いってどんなだ。
仮にくしゃみと鼻づまりの原因が他人の体臭でも、
そこまで書く必要ないとも思った。
上司に対する信頼が更に下がった。

7月

私とペアを組んでいる派遣さんが他の派遣社員さん方に質問などをしている問題は、どうやら継続していたらしい。
私が集め続けていたデータでも、その派遣社員さんが出社した日は明らかにチーム全体のアウトプットの量が減っていることが分かった。
自力で業務を進めることができないどころか、周囲の業務を妨害しているといっても過言ではない状態だと思ったので、
上司にことの次第を伝えて、次の契約更新で派遣社員さんは更新終了したいと相談した。
すると上司は
「契約更新終了は派遣社員さんの今後の生活にもかかわるので、
気軽に契約更新終了などと言わないで欲しいです!
でも今回はしまとりねこさんが終了してほしいようなので、仕方がないですね。
そのように部長にも伝えます。」
と言い出した。
これには大変堪えた。
私だって気軽に契約更新終了などと言っているわけではない。
私とペアを組んでいる派遣社員さんが自力で業務をこなせるように一生懸命育成してみたりして、
それでもダメだったので任せる業務の範囲を小さくしてみたりしてみたのだ。
こんなに努力していたのに、何を見ていたら気軽に希望を言っているように見えるのだろうか。
私はここで上司に対する信頼を一切失った。
このときから、上司の日々の業務の成果と、上司が出社した日のチーム全体の成果と、出社していない日のチーム全体の成果などのデータを集めだした。

8月

フロア全体で飲み会をすることになった。
上司は「私お酒強すぎて、お酒とソフトドリンク見分けがつかないので、もし私がお酒を飲んでいたら止めてください」
などと言い出した。味音痴かよと思った。
その後はずっと黙っていたかと思えば唐突に
「○○さんって漫画好きですよね?漫画好きな人って子供っぽいなーって思います。」
などとケンカを売るような発言を挟んでは、場を凍らせ続ける。
私は
「えーでも私も漫画好きですー、ちはやふるとか楽しいですよ。」
などとフォローのような言葉を挟んで話題転換をはかり続けるしかなかった。
飲み会帰りにフロアの人たちから「いつも苦労してるんだね……」って言われたのは正直染みた。

9月

上司が会議中に「最近メールの返信が遅すぎる、すべてのメールに対して1分以内に返信してほしい。返信に時間がかかるなら時間がかかるとだけ1分以内に返信してほしい」
などとできるわけがないことを言い出した。
私は「できる限り早く返信できるように頑張りますが、常にメール画面を見続けられるわけではないので……」と言っておいた。

10月

私とペアを組んでいる派遣社員さんの契約更新の件、どうなったのかと思って上司に聞いたところ、まだ何も進んでいないと言い出した。
直接部長に聞いたところ、そんな話は聞いていないといわれた。
どうやら上司に握りつぶされていたらしい。
私は部長に対して派遣社員さんが起こしている問題と契約更新終了にしてはどうかと申し伝えた。
部長は「まあ確かに、予定していたプロジェクトもなくなって業務量も減ってるし……他のチームメンバーにも話を聞いてみます」と言ってくれた。
その後数カ月して、派遣社員さんは契約更新終了となった。

11月

フロアの人たちに飲み会に誘ってもらえたので行こうとしていたら、
誘われてもいない上司がつかつかやってきて、
「私今日はいけないので日程を変更してください」
と言い出した。
私はうっかり、「あれ、上司さんが来られるとは聞いていませんでした。どなたから誘われたんですか?」と聞いてしまった。
上司は黙って立ち去っていった。
しまった、聞かなければよかったなと思ったけど後の祭りだった。

12月

部長と上司と自分の3人で、チームの1年の振り返りがあった。
部長から何か改善点はあるかと尋ねられたときに、
上司が「しまとりねこさんのチームの業務をもっと速く回すようにしてほしい」と言い出した。
すると部長が「うーん……でもしまとりねこがやってる業務は正直……そこまで誰も必要としていないからなあ……速く回す意味はないかと……」
といったので、私は大変なショックだった。
私のやってる業務って意味なかったんだ……と思った。
もう真面目に働く意欲がなくなってしまった。

1月

働く意欲はないけれども、働かないと食べていけないわけで。
私は引き続き会社で労働をしていた。
そこに部長がやってきて、「新しい仕事してみない?」と言い出した。
断る理由は特になかったのでやりますとだけ答えた。

2月

新しい仕事が始まって、
記憶も記録もないくらいに忙しかった。

3月

引き続き忙しい日が続いていたが、
我々のチームに新しく人が入ることが決まった。
教育担当はまた私になったので、準備作業に明け暮れた。

3年目へ続くはず。

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