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人と向き合うことを教えてくれた長島での暮らし~はるちゃん~
「島で暮らすってどうなの?」ってよく聞かれます。島で暮らす人たちのお話を伺いながら、島暮らしをみぢかに感じてもらうための連載「島で暮らす」。第一回は、鹿児島県の長島町の長島へ東京から移住して暮らすはるちゃんに、移住や島で暮らして感じたことを教えてもらいました。
*インタビューは、はるちゃんが鹿児島県の長島から筆者の暮らす佐賀県の小川島に来られた時に行いました。本文の写真は長島と小川島の風景があります。
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Profile
はるちゃん(しんみはるな)
三重県出身、東京で7年ほど暮らし、体調を崩したのをきっかけに、地方移住を考えるように。2020年8月に鹿児島県の長島へ移住。
忙しい中にもゆったりした時間をみんなが持っている
-島の印象を教えていただけますか?
はるちゃん
長島に訪れるまでは、島はあまり綺麗にされていなくて荒れたイメージを持っていました。実際に長島に来てみると、とても街並みが綺麗で、荒れたイメージは一変しました。
鹿児島県の長島からで繋がっていて、橋を渡って道なりに車を走らせると、道は凸凹してなくてずっと滑らかで、沿道にはきれいな花壇があるんです。長島は石積みと花の町ってキャッチコピーがあり、その通りなのです。土地のポテンシャルとそこで暮らす人たちの土地への思い入れを感じました。
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-元々、長島に住む予定で訪れたんですか?
はるちゃん
全然、暮らすことは考えていませんでした。長島へ訪れたきっかけは、友人が暮らしていて、お試し移住を試してみないかと誘ってもらい、九州へ行ったことがなかったので、面白そうという思いから1ヶ月ほど長島に滞在することになりました。1ヶ月のなかで、農業や漁業体験をさせてもらったり、町役場のイベントのお手伝いをさせてもらい、長島で暮らすいろんな人にお会いしました。町長さんとお話する機会もあったりして。
-移住予定じゃなかったのですね。移住に至った経緯を教えていただけますか。
はるちゃん
移住前は、東京で暮らしていました。体調を崩してしまい、療養することを考えた時に、地方移住を考えるようになりました。地元に帰る選択肢もあったのですが、まだ見たことのない世界をみたいと、療養と言いつつ好奇心が勝ってしまいました。
東京が好きなので、電車に2時間くらい乗れば、東京に行ける場所でどこか良いところはないかと考えていました。移住を考え始めて、周囲にお話をしていたら、地方で頑張る人を取材するライターのお仕事とご縁があって、地方取材しながら、移住先を色々と見てまわっていたんです。
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-東京から2時間圏内の場所だと、長野・新潟・山梨などが移住で人気ですね。長島を移住先に決めた理由は何かありますか。
はるちゃん
長島に移住したのは、単純にいいところだったからですね。1ヶ月過ごした中で、島のいろんな人にお会いして感じたことは、あたたかいんです。東京の人もあたたかいんだけど、初対面の人にも立ち止まって、ちゃんと話を聞いて、話してくれます。島の人たちも忙しいはずなのに、私の話を聞いて、「明日、時間あるなら、見学においでよ」と声をかけてくれるのです。
忙しい時間の中にも、ゆったりした時間をみなさん持っているんだと感じて、長島で暮らす人たちの暮らしに触れたら、健康になれるかもと思ったんです。
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島だからなのか、助け合いの精神
-島に移住して、どうですか?
はるちゃん
体調がよくなりました。東京では、予定を詰め込んでしまう癖があって常にスケジュールを埋めていたんです。島にきて、夜遅くに空いてるお店はないですし、島の人たちの活動は朝が早いことも多くて、環境に合わせて、生活するようになり、規則正しい生活になりました。
-島に移住して良くも悪くも驚いたことってありますか?
はるちゃん
最近の悩みは、島に馴染みすぎて、何におどろいたりしてたか忘れつつあるところですね。
新型コロナに感染して、自宅療養していた時に、いろんな人から大丈夫かって連絡が来ました。1日1回は返事があるまで連絡がきて、困ってることとか何かないかって。すごい親身になってくれて、都会だとそこまで親身に助け合うことがありませんでした。長島は橋でつながるまでは、元々、離島で色々と物資面でも大変だったと聞くので、助け合いの精神があるんだと思います。
あと、仕事が終わって家に帰ると、玄関に魚のお裾分けがあったりするのは、いろんな意味で驚きました。魚をもらえて嬉しいけど、どうやって調理したらいいんだろうって。今では、刺身や漬け、煮付けにしたりして食べれるようになりました。最初は魚のyoutubeを見ながら、思考錯誤の魚料理でしたね。
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長島はブリの養殖が盛んで、年中ブリを食べることができるんです。長島に来たら、ぜひ食べてもらいたいですね。
島のお店の<長島大陸市場食堂>さんでは、ブリが骨まで食べることができるんです。何十時間と煮込んでいて、骨まで柔らかいんです。あと、地元酒蔵が運営しているカフェ<ストップバイ>では、ブリカツバーガーが食べれます。ブリカツバーカーをめがけて長島に来る人もいるんですよ。
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「迷った時は思い出に残りそうな方を選ぶ」
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移住して初めての新年に正月飾りをお焚き上げし、1年の無病息災を願う、<鬼火焚き(おにびだき)>という行事に参加した時に、「よその者の来るとこじゃなか」って言われて、参加者に振る舞われるお酒も頂けないことがありました。仕事の取材も兼ねていたので、なんとか受け入れてみようとしたんですが、難しくて、その時は落ち込みましたね。
2年目にも同じ行事があり、中々気持ちが行きたいに向わないんですよ。大家さんからお焚き上げする正月飾りを持っていってきてほしいと言われて、これは行くしかないって。行ってみると、去年来るなと言っていた人が、手を振って迎えてくれたんです。
「遅い遅い、お酒をずっと用意して待ってたのに、なんでもっと早くこんか」って言われて、1年前はお酒を注いでもらえなかったのに、焼酎を器になみなみ注いでくださって、私の席も用意されていて。1年間、地域の人と向き合うことから逃げずに暮らしてよかったなって思ったし、地域の方が私を知ろうと努力をしてくださったことにも感謝しました。
私の中で「迷った時は思い出に残りそうな方を選ぶ」を大切にしています。行くのが少し辛い時も行かないより行った方が絶対に記憶に残りませんか。良い思い出になるといいんですけど、気乗りせずに、うじうじ家で行きたいけど怖いなって思いながら時間が経ってしまうことってありませんか。でも、行ってみたら、良いことがあったので、行かなかったら知らなかったことってたくさんあると教えてもらいました。1年目に拒否された方が私を受け入れてくれてるんだっていうことには、行かなければ気づけなかっただろうし、行く決断をして良かったと思います。
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人と向き合うことから逃げないことを教えてくれた
私にとって長島は、人と向き合うことを教えてくれた土地なんです。良いことだけじゃなくて、ちゃんと伝えたり、この人苦手と思っても付き合っていくこととか、都会だと避けてしまって、できなかったんです。
長島で、世間というか都会で習ってきた人間関係とは全く違うもっと深いところにある人間とのやりとりを学ばせてもらってるなって思ってます。
コロナ下での移住で少し辛いこともありましたが、逃げなくてよかったと思っています。踏ん張って関わったから、長島の人にも受け入れてもらえたのかなと思います。昔からの友人にも、今の方がいいねって言ってもらえる機会が最近は増えて嬉しいですね。
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てげてげの精神で良いものができる
長島には、「適当」のことを「てげてげ」と言います。長島の焼酎で島美人があるのですが、島に酒蔵が5つあり、各酒蔵のお酒をてげてげの割合で配合したら、美味しいお酒ができたと言われています。最初にてげてげ(適当)に配合して商品にしてしまうのは、長島らしさで好きなところですね。
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コロナによるイベントの自粛や中止が収まりつつあり、本来の長島の姿を取り戻しつつあるので、長島の活気あるところで、暮らしながら楽しみたいですね。
本文で紹介されたブリが食べれるお店
長島大陸市場食堂
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https://nagashimatairiku.com/html/user_data/restaurant/index.html
ストップバイ
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