余白を大事に暮らしていきたい〜島暮らしが教えてくれたこと〜
島で暮らして、インタビューを受けたり、質問を受ける機会がある。「理想のライフスタイルは?」「仕事とプライベートのバランスは取れてますか?」「都心の頃に比べて給料が減りましたよね?」など内容は様々である。
島での暮らしは、仕事とプライベートで分けることが確かに難しいところがある。仕事もプライベートも自分の暮らしであるため、暮らしという視点で、島という地域で3年間暮らして変化した大切な価値観について。
地域に暮らしてみたいが、どうなのか?地域で暮らし始めて、人付き合いや仕事で悩んだ人に少しでもお役に立つことを願って。
自分の時間と向き合う
都心の価値観では、地域では成り立たないでのある。関西、関東でしか生活したことなかった筆者が移住して悩んだことは、時間の使い方である。
夜になると真っ暗で街灯もまばら、夜遅くまで空いてるお店はない。都心部にいると、仕事終わりに、誰かと会ったり、買い物をしたり、大抵のことはできてしまう。
島はそうはいかない。17時の最終便を逃すと、翌日の朝7時までは島から出ることはできないのだ。物理的に移動することができなくなる。
18時から翌朝7時までは、自分の時間なのだ。
都心では、誘惑が多く、またお金があれば、実際に見たり感じたり経験する機会も豊富にあった。自己研鑽に励んで、たくさんの人に会い学ぶことができる。
実際に人に会う事は、都会よりも難しいところはあるが、オンライン文化の発展により、どこにいても、学び仕事ができるようになってきた。空いた時間に学び、働くぞといき込んで、島の夜に予定を詰め込むようになっていったのである。
オンラインだからこそ、予定が埋まりすぎて窮屈に
オンラインで色んな時間を過ごすのも有意義なのだが、今暮らしている場所でしたかったことは何かとふと考えるようになった。
「せかせかして過ごすなら、都会にいた時と何も変わらないのではないかと。」
家族やご近所さんとの時間、自然と関わる時間など、この場所で暮らして何がしたかったのか。オンラインで予定が多くなって、刺激も多くあるのだが、本当にしたかったことなのだろうか。
自分のしたいことは何か?と向き合い、余白の大切さを知る
仕事に追われ、スキルを磨くために研修を受講して課題に追われて、家族との時間や地域の人とのコミュニケーションが減ってしまった。自分のためと思って学び頑張っていたつもりだが、本当になりたい姿、暮らしたい姿なのだろうかと。
1日、仕事や研修のことは何もしないと決めて、家族と過ごす時間を作ってみたのだ。
好きな人となんとなく話すたわいもない事について、のんびり過ごすことはとても有意義な時間であることに気がついた。
仕事においても、学びにしても、予定を詰め込みすぎたスケジュールは生産性の低下や実践したことの振り返りができていないのである。
忙しい時こそ、今やりたいことは何か、これからどうしたいのかを立ち止まって考える時間を持てるようにしていきたい。自分を受け入れてくれている家族や地域を大切に暮らしていきたい。