島で取材するようになって1年。地域取材の反省とこれから取材するあなたへ。
佐賀県の小川島に移住してちょうど1年が経ち、今の聞き書き取材を始めるようになった。この1年を振り返りつつ、反省とこれからを考えてみることに。
7つの島の聞き書きをするために、佐賀県へ
離島で暮らしてみたいなと思っていた時に、佐賀県の島の暮らしや文化を聞いて本にする仕事の募集を知り、応募した。無事に採用されたはいいものの、文章などSNSで日記変わりの投稿をしているだけ。
人の話を聞くことは好きだけど、ただ聞くのと仕事で聞くのは大違いであった。
”誰のために、なぜ書くのか”を考える
日々、島の取材で話は聞くのだが、本制作のクライアントは佐賀県、読者は取材対象の島の人たち。
クライアントの気持ちと読者の気持ちに差がある気がして、どっちの気持ちを優先すべきか悩む日々。何を書いていいのか、写真やグラフィックも何を大切にしていいのかわからなくなった。
何よりも”聞くこと”が一番大切だった
クライアントも読者も、聞くと言葉が返ってくる。自分の気持ちに素直に疑問を問いかけてみた。何を書いていいのか、迷っていること、焦っていることを。
聞いて話している内に言葉や思考が整理されていくのがわかりました。
ただ聞いたことを、書くのではなく、クライアントと取材相手がどんな気持ちでいるのかを聞くことが大切に思う。
迷いながらも言葉にしたritokeiへの寄稿
大好きな離島経済新聞に寄稿する機会をいただいた。
自由に書いていいはずなのに、書けなくなった。自分は何が島でしたいのか、自分の気持ちと向き合うために書いては消してを繰り返した。
思考を止めずに、”何度も考えること”
自分の気持ちと向き合って、書いてを繰り返していく内に大切にしたい言葉や気持ちがわかるようになってきた。
ド真面目に書くのは、面白くない
文章を書くようになって、聞き書き取材したことをそのまま書いても誰も読まない。面白いと言ってもらえる時は、どんな時なのか。それは、言葉の情景や話し手の状況が伝わってくるように書けた時だった。
聞いたことを、”心が動いた”ように書く
ただ、事実や出来事を書いても、誰も読まない。事件や参考書を書くのではなく、地域取材は地域の思いを書くことが必要になる。
取材内容を心で感じたように、話し手が喜んでくれるように、読み手に少しでも話し手の魅力が伝わるように。安易な形容詞で飾るのではなくて、心で感じたままに、状況や情景が伝わるように文章を書いていく気持ちを忘れないでいたい。