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島に暮らして、顔の見える暮らしが教えてくれたこと

「島の何が好きなの?」「田舎の何がいいの?」とよく質問される。大阪出身であることを言うと、必ずと言っていいほど、驚かれる。なんでこんな田舎にと。

そう言われる度に、改めてなぜ、自分にとって今の暮らしが居心地がいいのかと振り返る機会になる。

今の暮らしで一番好きなのは、ご近所付き合い。

「えっ、めんどうじゃない?」って言われるし、地方移住で度々ネガティブな要素で上がってくる項目ではないだろうか、僕はご近所のローカルな関わりが好きである。

都市部のマンションで暮らしていると、お隣や上下の階の人のこと知らないのが当たり前になりつつあり、実家のご近所さんもなんとなく知っているで終わっている。18歳まで暮らした家は、平家で周囲の家とコミュニケーションをとる習慣があった。

「おはよう」「おかえり」「部活はどう?」「こないだ歩いていた女の子は彼女?」と、気軽な挨拶からプライベートなことまで、会うと聞かれていた思春期の頃。あのおばちゃん、めんどくさいなってあの頃は思っていたけど、今では、懐かしくおばちゃんの事を思い出す。

僕にとっての地方暮らしは、島暮らしの経験しかがないのだけど、島暮らしと山暮らしを仮説で比較をしてみると、家同士が密接しているのが、島の印象である。

山と違い、広大な敷地ではなく、港へのアクセスや海風の影響で家の立てれるエリアは島の中で限定される。家が密接にあることで生まれる徒歩圏内のコミュニケーションに僕は魅力を感じている。

何日か外泊すると、「最近島におらんね」「忙しんやね」「どこ行ってたの」と会話が生まれる。高齢になると、島から滅多に出ない人もいる。島の外の情報を伝える伝書鳩になった気持ちで、外に出た時のエピソードを話すと新鮮な会話は、人を笑顔にするものである。

「ご飯はどうしてるの?」「困ったら言いなさい」と何かあると助けてくれるご近所さん。島の父であり、母である人がそこらじゅうにある。島に帰ってくると「おかえり」と迎えてくれる居心地の良さは、疲れて帰ってきた自分を癒してくれる。

何気ない会話を大事にすることで、豊かな気持ちになれることを島暮らしは教えてくれた。


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