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私的ドローン・チャレンジ

 ドローン・スクールに行って来た。1日だけの初心者コース。受講料11万円(税込)(高い。高いよ。)
 ドローンパイロットになりたいわけではない。失業中なので勤務先から受講を促されたわけでもない。“前から興味があったから”だけの理由で。
 その日の参加者は、私一人だった。
 座学2時間、実技4時間。
 国家資格制度が始まって、プロの技術となったドローン操作。ドローン操作のプロになりたいわけではない私一人のためのスクールは、微妙な空気の中で淡々と進められ、終わった。

 会社都合で退職。定年が5年早まった形となった。出来るだけ今まで通りに最低5年、過ごしたい。が、出来そうにない。年齢的にも職種的にも(事務職歴約30年)正社員採用は、ない。パートか、契約社員を探すしかない。パートや契約社員でも難しい。パートであれ契約社員であれ、少しでも若い方がよい。雇う側ならどこも、そうだ。それが現実だ。それはよくわかっている。
 事務職の契約社員(1年契約、更新あり。給与は前職の7割といつたところか。)に応募して、面接に臨んだ。
私自身の感想はー、“半端ない場違い感”。
 そして、不採用。
 履歴書にも職務経歴書にも受け応えにも、大きな不備はなかったと思う。ただ、私はそこにいるべきではなかった、と感じた。先方にとっても望んだ人材ではなく、私も本心からその職場を望んではいなかったと感じた。先方の要望の本意は想像するしかない。履歴書にも職務経歴書にも受け応えにも、全くいいところがなかったのかもしれない。がそれよりも、自分が“今まで感じたことのない場違い感”に、驚いた。
 (このままでは、再就職は無理だな。だって、ホントのほんとのところで、もう、事務の仕事、したくないんだから。)
『前職で一番力を注いだこと』も『自分のアピールポイント』も、私の本心は、これから更に5年、続けたい事ではなかったのだ。
 事務の仕事だったら、新卒には負けないだろうと思う。転職者や派遣社員には、スピードや対応力で劣るかもしれない。将来性?それだけは残念ながら持ち合わせていない。なんだかんだで超のつく不利な状況だ。そこへ来ての“事務はもうやりたくない”本心の露呈。これからどうしたら、、、。

 ドローン・スクールへは、「ただ興味があったから」行ったのだから、再就職には繋がらないだろうことはわかっている。だが、その興味が趣味として楽しむ方向ではなく、五輪の開会式などで行われたパフォーマンスや、防災や点検、農業、運輸等、産業での活用の方向へと向かっているのに、それを全く、かけらも形にできずに、やりたくない仕事ばかり探しては不採用になっている現状が、耐えられない。
 では、どうしたら?

 ドローンより前、55歳の時にピアノを始めた。
 目的は、ボケ防止。『こどものハノン』と『大人のための初めてのピアノ』、二つの教材を用いて毎日自主練。月に一度、先生の指導を受ける。諸事情で長い中断を挟み、退職を機に再開した。その時、リストの『ため息』の楽譜を購入した。まだ、表紙を開くことさえ出来ていない。あくまでも、目標。

 還暦を目前に、ピアノをゼロから始めて、その目標にリストの楽譜を置くことと、リンクするような目標を、私のドローン・チャレンジでも、設定したい。実現の可能性がどれだけ低くても、目標があれば、そこに至る道を想像したり、探したり、どんなに小さな一歩でも、踏み出すことが、出来るのでは?

 ああ、そう考えればなおのこと、ドローンの国家資格、取ってしまえばよかった。いや、簡単ではないだろうけど、フルの講習(2日で30万!)を受けてれば、資格が取れなくても、なにか目標が見えてきたかもしれない。(いや、退職したてで、10万でも思い切ったのだから、30万は無理だった。)いやいや、その前に資格を取ることがまず、目標になってだはずだ。
 で、どうするか。
 資格が取れたとしても、ドローン・パイロットとして就職するのは
年齢的に難しいだろう。それでも、踏み出した一歩は、必ず、後ろ足を引き寄せて、次の一歩を踏み出す力となったはずだ。
 いやいやいや、初心者コースの講習だって、小さな一歩だったのではないか?(10万だって大金だし、4時間、実技、やったし!!)
 よ〜く考えろ、私。
 資格取る、か!?!?
 悩む。
 『目標』の段階で悩んでいる、私の“ドローン・チャレンジ”。
 
 




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