花泥棒は罪にならぬとな?
A、なります。
他人の敷地に生えるものはもちろん窃盗になります。また、公園などの花を盗んでも軽犯罪にあたることもあります。
えーと、まあ詳しく調べたわけではないのでソースは置きませんが普通に調べてくだすって結構ですし、盗みません普通なら。大前提。
この「花泥棒は罪にならない」系の考えは、そんな言葉があるものだから誤解されて広まり、持って帰ってもいいんだー! と思った人が出てきただけで、いわゆる「お客様は神様だ」と同じノリの罪がこの言葉にはあります。
なんでも、花(桜)の枝を折ってしまった坊さんが捕まって幹に縛り付けられた時、花の美しさに歌を詠み、その出来栄えに「花のあまりの美しさに鑑賞しようと枝を折った=無罪」となった、という話に基づくものだということ。
花盗人という狂言らしいですね。
メルカリに売ったりなどはもうダメです。心が穢れきっています。悔い改めなさい。おまわりさん呼ぶから。
花屋でバイトした、というのも話した気がする。
その花屋はスタンドなども請け負っていて、よく配達に行っていた。
スタンド、というのは足付きの盛り花で、よく「お祝い だれそれさん江」などと書いた名札を付けてゴンゴン立てられる、あれだ。
開店の店や講演会、発表会、好きな役者さんに送ったものがロビーに並べられている、などありますね。
葬式などでも祭壇横にズラッと並ぶ。なので見たことがある人も多いかと思う。
地方にもよるだろうが、シマシマは「祝い花は持ち帰り可。仏花は不可」と教わっていた。
可不可、というよりはなんというか、縁起の問題だ……弔事に使ったものを持ち帰るのはよろしからず、という感覚ね……
まあ逆に、祝い事なら持ち帰ってOKなのだが、それだって限度がある。
ある日、花屋の社長がプリプリしながら帰ってきた。
聞けばスタンドを納めに行った帰りだった。パチンコ屋の開店で、スタンド二本持って行ったらしい。
こんちわー花屋でーす、と挨拶して「じゃあここに置いといてよ」と言われたので外の入り口横に設置しようとした。
車の荷台を開けて足を立て、花の刺されたバケツを設置しようと抱え上げた。その瞬間。
「あらーお花キレイねー」
と、オバチャン二人組が花を抜き出したのだ。
「もうコラー言うて腹いっぱい怒ってやったわ!」
と社長。そりゃあ納品前だもの。先方に渡してもいない。うちの在庫だからそりゃあ窃盗だわ。しかも、これから設置しようとバケツ二つを両脇に抱えてたものだから防ぐこともできない。
結局取り返して刺し直したのだが、オバチャンらは何が悪いのかわかってない顔だったという。
一応、パチンコ店には報告しておいたらしい。だって、今日はプレオープン、開店は明日だからだ。開店日を前に丸ハゲになっていても、もううちは補填できないですからね……
いやあ神経太い人はいるものだ。「祝いの花は持ち帰り可」、とは基本的に「祝いが終わったら」が付く。常識的に。
神経の太い人は、おそらく捕まった時に歌は詠めない。
なんでダメなの? という質問しか出ないのなら、まず盗らないことからおすすめしておく。無罪は遠いのだ。