悪事千里を走る(つまり拡散希望)
現代三大身を持ち崩すもの、ネットの炎上、誹謗中傷、FX。
などとか吉田兼好が言ってたらそれっぽい。知らんけど。
誹謗中傷の何割かは正義感での攻撃だったりする。よくある。
残りは本当に嫌いだったり、あまり知らないけどみんな叩いてるから叩いたり、全然知らないけど憂さ晴らしだったりだ。今回はそれらの話ではない。
正義が一番暴力的とは、よく言われていることである。正義の側だと信じれば力一杯殴れるからだ。
自分の信じた正義のため、今日も元気に誹謗中傷をする。
買い物にはこないがお喋りをしにくるじーさんばーさんは多い。マジだ。ヒマなのだ彼ら。そして老人優遇のパスで交通機関乗りやすいものだから、毎日くる。
彼女もそんな一人だった。おそるべきかな、朝やってきて昼までウロつき、バスを使って少し先のショッピングモールに行って、夜また舞い戻ってくるルーチンだった。バイタリティすごいんである。なもので、当然元気だった。いろんなイミで。
あそこの店が何も言わず値上げしてた、あんなんじゃいかん、
あそこの店員が全然こっちを見もせん、通りすがっても何も言わん、ダメじゃないかね、
向こうで今交通事故があってた、道飛び出した人がいたようだ、バカじゃないのか、
などなど。
その日あった天気や出来事、感想などを、誰でもいいから手当たり次第に話かけて聞かせる人だった。
「さっきねぇ」
その日も来た。
「あそこの人が廊下行く人をドーンて突き飛ばしたのよ、ドーンて」
彼女の言う事は主観100なので、軽くぶつかっただけかもしらんが、まあわからない。
「ねー、そんなのいかんよねー、謝りもしないで行くのよそして」
どーでもいいが彼女は元気なだけあって声がデカい。
「今に来るよ、教えてやるからね、あっちの人よ」
いや教えてくれなくても結構ですのでおきゃくさまー。
「ほら! あの人 あの人よあの人!」
指ささないでくださいおきゃくさまー。
「あの人がドーンって! ねー!」
大声で喋っているもので相手のお客様もチラッとこっちを見る。マジ簡便してくれ。正義の味方は必死に話しかけてくるが、ここで頷いたり相槌をうったりすると、店員が客の悪口に乗ったことになる。クレーム案件だ。
私どもをクレームの道に引きずり込まないでくださいおきゃくさまー。
こんなとばっちりな誹謗中傷あったろうか。
ネットは匿名だから好きに書けるとか、テレビではわけのわからない説明されてますが、当然そんなことはありません。
サクッと開示されるし発信元わかるからね。言わない方がいいよ。訴えられるので。
世の中には、思い切り面と向かっても、正義のために声を上げる(笑うとこ)人もおられますがね。