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ココナラ(4176)

ココナラ(4176)がIPO(新規上場)承認発表されましたので、新規上場会社情報のメモします(Pは同社のⅠの部参照)。

<目次>
・基本情報:何となく会社の概要記載
・外部環境:対象会社の市況・競争環境感
・内部環境:会社の事業等で分かったつもりになった記載
・財務諸表考察:ここがメインですが、財務諸表を読んでの感想など
・所感:全体の感想

<基本情報>

・数年前にシェアリングエコノミーの1ジャンル的にスキルシェアリングということで話題があった記憶があります。

・創業は2011年なので10年程度、ココナラ自体のサービスローンチは2012年なので8年程度経過しているようです。

参照として適切かはわかりませんが、メルカリが2013年創業/サービスローンチで2018年上場、ビザスクが2012年創業/2013年にサービスローンチ、2020年に上場なので、サービスローンチで10年以内にある程度勝負は見えるのかといった印象です。


<外部環境>

・会員登録者数や月間利用額なども伸び続けており、このモメンタムがいつまで続くかがトップラインの伸びを決めてくるような気がします(P6-7)。

・過去、テレビCMなどもやっていたと思いますが、今後上場すれば知名度も高くなったりお金が調達できるので一気にスケール出来るかといったところが着目点なような気がします。

・一方で、スキルシェアリング系は結構玉石混合となっているので、多種多様(P5)なサービス群を売りにしていることは一方で分野特化型と比べると何か差異化できるのか、また、事業等のリスクの記載(P14)でスキルシェアのカテゴリーリーダーとの記載があり、棲み分けが出来ているとの記載がありましたが、この辺の事業や市場の深い理解が無いのであまりわからなかったです。また、CtoCはローエンドの印象(低単価)があり、ビザスクのようなEnterpriseを取り込んだハイエンド感のあるビジネスの方が高単価感はある気もしますし、件数が少ない分、係数管理なども楽そうな気がします。実際のところは想像でわからないですが。


<内部環境>

・平均給与が6百万円(P10)だったので少し高めな印象です(メルカリはググったら5百万円程度の模様)。これはエンジニアなど技術者系が多いからかもしれません。

・赤字の主因が先行のテレビCMであることが記載されており(P18)、それを除けば黒字化は出来るとの話。ただし、ユーザー数の拡大を続けないければいけないフェーズなので、当面は広告宣伝費で金額感はわからないですが、投下し続ける可能性はあるのではという印象です。

・この手のビジネスで営業を頑張るといったわかりやすい話ではなく、マーケティング等が重要な中、大量に広告宣伝を突っ込んでどれだけスケール出来るかという点、その時に投じた費用がどの程度の期間で売上・収益になっているかというのを推し量る・コントロールするのは結構難しいんだろうななどと想像します。一方で何もしないという選択は無いと思うので、前に進むしかない、といった感じでしょうか。広告宣伝を戦略的に投下しなければ四半期で数千万半ばから後半の営業利益のように見えるので、年間で営業利益は2-3億円程度は出るようにも見えますが、実績値として表現されるのはまだ時間が必要な気もします(うまくいった場合、その頃にはもっとスケールしていて利益水準の桁が高くなっている気もします)。

・ 少し不思議と言いますか敢えて事業等のリスクの中に書く必要があるのかと思ったのが、「特定カテゴリの高いシェアについて」かと思います。ここは、「占い」カテゴリのサービス全体に占める割合は高い状況にあるとの話で、19/8期で流通高40%(会社売上50%)程度、20/8期で32%(40%)と、減ってはいますが、占いがかなり高いです(P15)。占いをスキルというのか少し分からないですが、数値として立っているのでそういうものかと不思議に感じた次第ですが、そこの話を言ってしまうと??という感じでしょうか。主幹事証券などから記載を求められたのかもしれません。


<財務諸表考察>

(BS)まず着目すべきは、純資産の薄さでしょうか(20/8期の自己資本比率は8.8%, P1)。足元四半期は利益が出ているので良くはなっているようですが、高いとは言い難いと思います。しかし、メルカリのⅠの部も17/6期の自己資本比率が8.1%となっていたので、そんなもんかもしれません。

新株1百万での資金調達のようですが、Market capが100億であれば、(たぶん)5億円程度、(たぶん)200億円なら10億円程度の調達なので、短期的な懸念は解消できるのではないかとも思います。ここは株価次第でしょうか。ファンドが直近(?)の評価で535円なので、そのタイミングですでに評価額は110億円程度のようです。

売掛金に対して、預かり金や前受金が多いようでビジネスモデル的には運転資本は増収すればするほど楽になる(先にお金をもらっている・払うべきお金を預かっているような状態)ので本来的には、借入は必要ないですが、赤字資金として、利益剰余金のマイナス分として見れる気がします。

運転資本もマイナスなのでその辺と借入を合算すると利益剰余金のマイナスと遠くない気もしますが、お金に色は無いのであまり意味のないマッチングのような気もします。Cashは13億円もあるので短期的に何か問題はなさそうです。

(PL)特段記載はないですが、テレビCMなどの広告宣伝でいくらでも触れると思いますので、気を付けるべきはそこだけでしょうか。仮にテレビCMをするとなると1四半期前くらいには見えてくるはずなので、業績予想の修正等には織り込まれてくる部分もあるので、当面は四半期決算毎に気を付けた方が良い気もします。

BS項目ですが繰延税金資産が非計上なのは、過去が赤字だからだと思いますが、欠損金がそれなりに溜まっているはずなので、PLの法人税は利益が出ても当面は税金が安くなると思います。利益が何期か継続的に出た際には法人税等調整額が一気に利益向きの矢印で一気に入って(+繰延税金資産を計上して)純利益的には+αで浮上するタイミングがどこかで来るかもしれません。

その他、監査報酬が40百万円(P56)と前年比で倍増(以上に増加)しており、単一事業にしては高すぎる報酬水準の印象です。サービスラインが増えたからか、別の何らかの理由で監査のスコープが広がったのか、それにしても少し高い気がします。割と昔からIPO噂銘柄になっていたようなのでN-1が長かったのではと勝手に想像するのですが、このタイミングで監査報酬が高くなったのは最近のIPO準備企業の監査受難の話と関係があるのかは不明ですが、赤字に対して負い打ちかけるようなのは、如何なものかとも少し感じました。不当に安くする必要は無いとは思いますが、激増はあまり上場を目指す被監査会社に対して応援する感じが無い印象です。


<所感>

ざっと書いてみましたが、あまり概念的な理解が乏しいので何がシェアリングエコノミーなのかわかっていない部分もあります。ストーリー的には、シェアリングエコノミーの枠でスキルシェアリングというテーマと思いますが、下記の統計が一番個人的にはしっくりきました(根拠ないですがこれくらいかなというイメージで)。

下記の中で半分以上を占めているのがビジネス系で恐らくエンジニアのフリーランスに近いようなものやビザスクで出てくるようなスポットコンサルもこの辺に入ってくるのでしょうか。

ココナラは幅広に扱っているので、全部が対象になると思いますが、20/8期の年間取扱高で62億円程度になっており、ざっくりですが市場の流通額が571億円においてはシェア的には10%を超える程度のようにも見えました(時期が合ってるかはさておき)。そのままのスライドで行けば数年後には市場が1,000億円を超え、10%なので100億円を超えるのですが、ジャンルのミックスの話だったりいろいろな要素があるので、この伸びを超えてくるかは全く不明な気もします。また、先述の占い比率が高い件も含めると占い以外、ビジネスにどれだけアクセスできるかといった話がポイントなのかとも思います。IR的には占い比率やカテゴリ別の構成比は、占い比率を出してしまったので投資家からは求め続けられるような気がします。

メルカリではないですが、更に海外展開などもTAMを広げていくためには求められるような気もしておりますが、P14記載の事業等のリスクでは海外大手事業者の個人間取引プラットフォームの存在に触れており、すでに海外にはそういったプレーヤーが存在しているようです。

株価がどうこうといった話はあまり関心が無いので、他のサイトで見て貰えたらと思います。以上。


重要事項(ディスクレーマー)
IPO関連の自己学習の目的のみに作成したものであり、証券その他の金融商品の売買その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。

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