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避けるほどに追いかけてくる

昼間は夏だけど、夜になると秋。
9月になりました。
この前の台風は大変だったけど、あの前後で季節の感じも少し変わったように思います。
夏も終わりですね。

打ち上げ花火を見上げながら、ずっとこんなだったらいいのにと感じたり。
汗をかきながら食べたかき氷。頭がキーーンってなったなぁとか。
真っ黒に焼けた子ども達の表情を見て、こっちまでにやけてしまったこと。
まだ何か置きっぱなしにしてきてるような、でもだんだん遠ざかっていく夏の思い出。
同じ夏を一緒に過ごして一緒に感じたあの感覚が、今はもうまったく同じものとしては体験できなくて、なんとなくさびしい気持ちになりませんか?
秋の始まりですね。

嫌なものから避けようとすると、避けるほどにそれは追いかけてきます。
これはどうやら世の常のようです。
だからむしろ逆に嫌なものからは避けようとするのではなく、立ち止まってしっかり向き合った方がいいのかもしれません。

自分の中にあるネガティブな感情。
当然、それはあります。
あったりなかったりするのが普通なわけで、全くない人なんていないのではないでしょうか。
イカリとかウソとか、そういうものです。他にもいろいろあるでしょうし、言葉にできないものもあるでしょうし。

そういうのギュー―と押しこめて、誰もいない真っ暗な時間に静かに海岸に行ってポイっと不法投棄しても、翌朝には波に流されて風にあおられたそれが自分の家の近くに置かれていて、しかもカラスに突かれてたりなんかして、余計に嫌な気持ちになる。
よくあることです。
見ないようにするほど、見えて見えてしかたがない。

人間関係においてもそういうことがままあります。
自分は今お腹がすいていて、だったら「わたしはおなかがすいています」って言えば一番いいんだけど、そこにいる誰かに「あなた、お腹すいているでしょう?何か食べますか?」とか言ってしまうんです。
それくらいなら何も問題は起こりません。
「はい、すいています。ええ、ええ、食べましょう」となれば結果お互いがハッピーです。

自分の中にあるザワザワした何か、やな感じの何か、ムカつく何か、何かネガティブなものがあったときに、それをギューッと押しこめてしまって、ザワザワしたものは何もなかったことに、やな感じのものは何もなかったことに、ムカつくものは何もなかったことにしようとすることが私たち、時々あります。
そうやって心を守っているんです。
ネガティブな感情は抱えているだけでしんどいもの。
頭の中に司令塔があって、そこからそういう指示がなされるのです。

なのに……、
そんなふうに自分がギューと押し込めたザワザワした何か、やな感じの何か、ムカつく何か、などなど、とにかくそんな感じの何かが、自分以外の誰か、他の人から見えてしまうことがあります。
部下だったりパートナーだったり。
ザワザワとかやな感じとかムカつく感じとかを抱いているのは本当は自分なんだけど、相手の人がそれを抱いているように見えてしまう。

そして時々、ついやってしまうのです。

そのザワザワした何か、やな感じの何か、ムカつく何かを持った相手を否定したり批判したり叩いたりしてしまいます。
本当はそれは自分の中にあるものなのに……。

自分の中にあるものを相手に投げた上で、その相手を否定しようとする。
心はときどき、なかなか高度なテクニックでそうやって自分の中にあるネガティブな部分から避けようと企ててきます。
でも確かになかなか高度なテクニックなのだけど、それは別のときに、使いようによってはとても役に立つはずなのに、ときに使いようをミスってしまってあまり良い結果にならないことがあります。
それもまた人間の心のいじらしくも可愛くてところだったりするのですが
(だから心の学びはおもしろい)

閑話休題。
使いようをミスってしまってあまり良い結果にならないことがあるんです。なぜなら、この場合、相手から見出したとしても、それはもともと自分の中にあったものなので、相手を否定することによって同時に自己を否定することになります。相手を批判したり傷つけたりすることは、同時に自己を批判したり傷つけたりすることになります。

やっぱりここでもまた、避けるほどに追いかけてきました。
心ってやつは……ほんまに、もう! って思います。
だけど……いや、だからこそもう、避けるのはやめて、立ち止まってしっかり向き合った方が良さそうです。

上の例でいえば、自分の中にあるものを相手に投げたとはいっても、相手に何もなかったはずはなくて、相手にも同じネガティブな部分があったからそこに便乗して自分のネガティブな部分を投げやすかったのだと思うのです。
だとすれば、否定したり批判したり傷つけたりするよりは、同じ思いを心のどこかで抱いている私とあなたで共感し合って話し合えれば良かったんじゃないかな。
お腹すいているでしょう?
うん、すいてる。
何か食べよっか。
そだね。

それに、ネガティブな感情というのは実は本当はとても役に立つ感情であって、大切に向き合った方がいいことがあります。
どんなことに役に立つのか。それはまた別の機会に。

避けるほどに追いかけてくる
ありがとうございました。


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