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吉祥果
今、制作している着物は「吉祥果」というタイトルをつけたザクロをモチーフにしたすくいの着物です。
後ろ身頃の帯を挟んだ上下と袖の裾、計3か所に模様が入る予定です。
この模様を入れる位置が難しいのです。
織着物は伸縮率の違いが大きく出ます。
筬の打ち込みの強弱、織り縮み
機から外した直後でも違います。
織り上がったら、地入れに出します。糊がついている場合は糊を落とし、スチームをあてて地の目を整えてくれます。
地入れに出す前と出した後でも、長さが違います。
大概縮んで返ってくるのですが、横に柄を入れた時に歪まないようにしてほしいと地入れをお願いしたら5回もかけてくださったそうで、その時は地入れ前より伸びていました。
なので、ここら辺に柄を入れたいと計算して入れてもズレている場合があるので難しいですね。(^-^;
すくいの着物は図柄を描いた紙を下に当てて織っていきます。
裏を見ながら織るので、図柄を反転させておかねばなりません。
裏からライトを当てながらラインをなぞるのが便利です。
とっても薄いのでびっくりしました。
伸縮率を計算して、反転位置を確認して織っていきます。
緯糸(よこいと)に手紡(てぼう)の糸を使っているのですが、紡ぎ糸は表面積が大きくムラに染まりやすいので三丁杼を使って織ります。
1段織るごとに杼を変えることによって色むらを出にくくします。
これが一丁杼で織るより、杼を持ち替えるため倍の時間がかかります。
今、織っているのが真ん中よりちょっと外れた部分に縦にどーんと柄が入っている為、左右三丁杼です。
杼をよく落とします。
1時間織っても3~5ミリぐらいしか進みません。(-_-;)
今年中に織り上がると良いなぁ・・・・。