男性が子どもの生後10ヶ月で1ヶ月の育休をとってみてよかったこと
はじめに
夫です。子どもが生まれて10ヶ月のタイミングで1ヶ月間の育休をとりました。せっかくなので、感じたことを残しておきます。
記事の目的
第一に自分の感情の備忘録です。月並ですが、育休をとることで育児の大変さがわかったり、妻の苦労に気づけたりしたので、文字で残しておきます。
第二に同じく男性で育休取得を考えている人の参考にしてもらうことです。男性の育休体験談は今どき珍しくないですが、10ヶ月で育休をとるケースは比較的少ないかもしれません。近い状況の人にとっての参考になればと思います。
家庭状況(夫の育休取得時点)
・共働き。夫婦ともにメーカ勤務(正社員)のアラサー。
・子どもは1人目。10ヶ月。
・妻は出産予定日の8週前から産休・育休取得中。
・夫は(ほぼ)在宅勤務&フレックス。子どもが生まれてからは7:00ー15:30が定時。残業は遅くても17:30まで。
なんで育休をとろうと思ったか
特にきっかけはなく、最初から(結婚したときから)とろうと考えていました。実際に育休をとる段階になって、一応メリットとデメリットを整理し、やっぱりとろうという結論になりました。妻と相談して出てきたメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
・妻の負担が減る。
・夫の子どもと長く一緒にいたいという欲求を満たせる。
デメリット
・家計収入が減る。
・夫の昇進のペースが多少遅れる(かも)。
念の為、デメリットの2つめは単純に育休で休職した期間だけ同期と比べて遅れるというだけの意味です。育休を取得したことによって嫌がらせを受けるとか、そういう話ではありません。職場は育休に理解があり、ホワイトです。
デメリットは2つとも育休の取得期間が極端に長くない限りは許容範囲だったので、とったほうが良いという結論になりました。
期間と時期の決め方
期間は妻と相談して1ヶ月にしました。あまり深い根拠はないですが、1〜2週間程度だと正月休みと大差なく、あまり長くとりすぎても家計に影響がでるので、1ヶ月くらいかな、という感じで決めました。
時期は、実は第一希望は里帰り出産から帰宅したあと(生後1ヶ月ごろ)だったのですが、職場の昇格試験期間とかぶったため、それが終わったあとの生後10ヶ月というタイミングになりました。ワンオペの負荷があまりに高ければ昇格を1年遅らせても第一希望時期に取得したと思うのですが、在宅勤務ができたことなどもあってなんとか回せる状況ではあったので、早期に昇格・昇給できるメリットをとることにしました。
昇格試験が12月まであったのと年明け4月からは保育園にいれる予定だったので、1、2、3月のどこかで育休をとることにしました。そのなかで、旅行にいきたかったのでなるべく子どもが大きくなっているときのほうがいきやすいだろうということと、保育園にむけて子どもの生活リズムを変えていくときに2オペのほうがよいだろうという理由で、3月(=生後10ヶ月)にとることにしました。(そんなに強い理由ではなかったので、仕事的にとりやすい時期があればそれを優先しようとも思ったのですが、上司的にもいつでもよいとのことだったので3月にしました)
育休前後の家事育児分担
育休直前の家事育児分担は以下のような感じでした。実際は2人でやっているものもありますが、メインと思われる方を書いています。負担感は夫婦間で納得感があるように分担しており、項目数が必ずしも負担の大きさを意味しません。
夫
・育児:朝夕(お風呂後)の保湿・着替え・オムツ替え、朝夕の離乳食、お風呂、離乳食作り
・家事:料理(昼夕)、皿洗い、情報機器設定
妻
・育児:寝かしつけ、日中の遊び相手・オムツ替え、授乳、昼の離乳食、歯磨き、その他育児に関する非定期作業(育児グッズ選定、旅行計画、通院、爪切りなど)
・家事:部屋掃除、風呂掃除、洗濯、ゴミ捨て
育休をとってからは、育休前に妻がやっていた育児のうち、昼の離乳食を夫がやるようになりました。また日中の遊び相手・オムツ替えは2人でやるようになりました。他は変更なしです。
育休をとってよかったこと
妻の負担が減った
「生後10ヶ月で育休をとってなにするの?」と聞かれたこともありましたが、普通にやることはたくさんあったので、2オペ化の恩恵はかなりありました。我が家は母乳育児だったので、生後まもなくよりも、離乳食の割合が増えている生後10ヶ月のほうがむしろ夫ができることが増えていた気もします。
我が家の場合、生後10ヶ月ごろには、子どものかまって欲が高くて日中はほぼずっと子どもの遊び相手になることと、離乳食をあまり食べてくれないなか1日4回なんとか食べさせることの負担が大きく、これを2オペで乗り切れたのは良かったです。また育休前半に原因不明の夜泣きが多かったので、その対応にも役立ちました。
妻のしんどさに(少し)共感できるようになった
実際にまとまった期間、仕事を休んで育児に専念することで、妻の感じるしんどさに対し、少し実感を伴って理解を示すことができるようになりました。育休をとる前は仕事をしながらその前後に家事育児をすることと、日中も含めてずっと育児をやり続けることは、同程度のしんどさだと思っていました。しかし、実際にやってみると、自分にとっては(そして多分妻にとっても)、育児だけをやり続けるほうがしんどいかもしれないと思いました。
育休をとってみて、育児には、自分の作業に対するフィードバックが少ないというしんどさがあると感じました。単位時間あたりの疲労度だと育児も仕事もあまり変わらないのですが、仕事だと作業に対して同僚や上司からのポジティブな評価や自身の成長の実感という形でのフィードバックが起こりやすいのに対して、育児だとともに過ごす相手がゼロとは言わないまでもリアクションの少ない子どもであり、ただ時間がすぎるのを待つだけの感覚が強くなってしまいます。このしんどさは仕事の前後に短時間の育児をしただけではわからず、終日の育児を数日間続けることで初めて実感しました。
妻はよく「子どもの世話は生産性がなくてしんどい」といっていました。それに対して、働いているころは「子どもが成長しているから生産的なことしているじゃん」と返してしまっており、その意味することが全くわかっていませんでした。今では妻の言わんとすることが少しわかります。ワンオペ育児をしていると日々の生活でまともなコミュニケーションできる相手がパートナーだけになり、パートナーに共感してもらえないととても悲しくなるので(このことにも育児に専念してみて初めて気づきました)、昔の妻にはよくない応答をしてしまっていました。
いろんな挑戦がしやすい
リスクのある行動をとるためには余裕が必要です。ワンオペ育児の場合、特に子どもが夜に寝てくれなくなると親の体力が奪われて非常にしんどいので、睡眠のリズムに影響を与えうることはあまり気軽にできません。
2オペになることで、「最悪子どもが寝なくてもいいか」と思いながら、比較的気楽にいろいろなことを試すことができました。例えば、保育園入園に向けて就寝のタイミングを遅延させたり、授乳回数を減らしたりすることが、平日も含めて効率的にすすめることができました。これがワンオペだと、そういった生活リズムの変更は土日を狙って、それなりの気合を入れてすることになっていたと思います。
また旅行に行ったり、子どもを色んな人にあわせたりといった楽しいイベントも多くこなすことができました。こうしたイベントも、親の体力を消費するうえ、子どもの生活リズムを崩す可能性があるので、普段はなかなかできませんが、比較的余裕を持ってこなすことができました。おかげで育児の息抜きをしつつ、子どもとの思い出をたくさん作ることができました。
育休をとって悪かったこと
当初から想定していたもの(収入の低下、昇進の遅れ(の可能性))以外は特にありませんでした。当初から想定していたものも、育休期間が長くないので、影響は大きくありませんでした。
おわりに
生後10ヶ月のタイミングで夫が育休をとったところ、多くのメリットや学びがあり、家庭にとって有意義な1ヶ月間とすることができました。メリットとして、妻の負担を減らせたり、いろいろな挑戦や楽しいイベントをこなすことができました。学びとしては、仕事を休んで育児に専念することならではのしんどさに気づき、妻のしんどさを少し深く理解できたきがします。育休前でも、仕事以外の時間でできるほとんど育児はやっていたので、育児のしんどさもなんとなくわかっていたつもりでしたが、全然そんなことはなかったので、認識を改められてよかったです。
最後に妻からの言葉を載せておきます。
「とれるならいつだっていいから育休をとってほしい。月齢ごとに大変さの種類が違うから、月齢が大きいからといってやることがないということはない。なめるな」
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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