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03289 リサーチ演習

・ソース   :教科書〇、参考書×、ネット〇
・難易度   :★★

・解答作成時間:ふつう。論文を読んで理解するのが時間かかる。
・オススメ度 :レポート+テストよりは時間がかからなかった
・先生    :丁寧な添削付き
・返却時間  :2か月長
・ひとこと  :論文ベースのレポ作成。なぜか返却が一番遅かった。


レポート課題


課題は第1課題で①②、第2課題で①②と、4つあり、全て行うものとする。字数はそれぞれ1,000字程度、合計で4,000字程度とする。

第1課題[建築の調査・分析]
①テキスト前半の「Ⅰ 調査の方法」で参考文献、引用文献として具体的に挙げられている調査事例、実験事例、研究事例のうち、建築に関するものについて1つを選び、
 a. 事例名称とテキスト掲載頁(ページ)
 b. 対象とした建築
 c. 目的
 d. 方法(テキスト前半で取り上げられている23項目のいずれであるか)
 e. 結論
を調べてまとめ、
 f. テキスト前半で取り上げられている23項目のいずれか異なる調査方法での可能性について考察
を加えること。
②テキスト後半の「Ⅱ 分析の方法」で参考文献、引用文献として具体的に挙げられている調査事例、実験事例、研究事例のうち、建築に関するものについて、
 a. 事例名称とテキスト掲載頁(ページ)
 b. 対象とした建築
 c. 目的
 d. 方法(テキスト後半で取り上げられている20項目のいずれであるか)
 e. 結論
を調べてまとめ、
 f. テキスト後半で取り上げられている20項目のいずれか異なる分析方法での可能性について考察
を加えること。

第2課題[都市の調査・分析]
①テキスト前半の「Ⅰ 調査の方法」で参考文献、引用文献として具体的に挙げられている調査事例、実験事例、研究事例のうち、都市や地域に関するものについて、
 a. 事例名称とテキスト掲載頁(ページ)
 b. 対象とした都市や地域
 c. 目的
 d. 方法(テキスト前半で取り上げられている23項目のいずれであるか)
 e. 結論
を調べてまとめ、
 f. テキスト前半で取り上げられている23項目のいずれか異なる調査方法での可能性について考察
を加えること。
②テキスト後半の「Ⅱ 分析の方法」で参考文献、引用文献として具体的に挙げられている調査事例、実験事例、研究事例のうち、都市や地域に関するものについて、
 a. 事例名称とテキスト掲載頁(ページ)
 b. 対象とした都市や地域
 c. 目的
 d. 方法(テキスト後半で取り上げられている20項目のいずれであるか)
 e. 結論
を調べてまとめ、
 f. テキスト後半で取り上げられている20項目のいずれか異なる分析方法での可能性について考察
を加えること。

とのこと。結局、何のレポート作ればいいの?ハテナと思った方は、FAQを見ると分かりやすい図があったのでそちらを参照。今回ばかりは、「教科書+ネット上の論文全文」がないと、何もできない…。論文はそのタイトルを入れて検索すれば一発で出てくる。この科目はレポート課題のみなので、レポート得意な人はラクっちゃラク。参考書は不要だった。

実際の提出物

基本的に教科書の中から、異なる分析方法のことも考えつつ、書きやすそうなテーマの論文を探す。どれも知ってるような知らないような馴染みのない分析方法なので、あまり癖が強いものを選ぶと、異なる分析方法が全くできなくなる気がするので、なるべく想像しやすいテーマにした。実際に提出した第1問①を以下に示す。

 a. 事例名称とテキスト掲載頁(ページ)
「学校教室と天井高についての生徒の印象評価と寸法知覚に関する研究」p121~122
 b. 対象とした建築
学校の教室(主に小・中・高等学校)
 c. 目的
教室の天井高が生徒の心理・知覚にどのような影響を与えるかを検証する
 d. 方法(テキスト前半で取り上げられている23項目のいずれであるか)
「感覚空間を探る 実験室実験・マグニチュード推定法(ME法)」
 e. 結論
基準空間2.7mと比較空間2.4mの場合、標準刺激(2.7m)100に対して比較刺激(2.4m)は88.9であ るが、評定値の幾何平均は 68.4であることから、2.4m の天井の高さ感は20%程度小さく評価 されていると考えられる。一方、基準空間 2.7m と比較空間3mの場合、標準刺激(2.7m)100に 対して比較刺激(3m)は111であるが、評定値の幾何平均は 124.2であることから、2.7m の天井 の 高さ感 は 12%程度大 きく評価をされていると考えられる。 つまり、低い方(2.4m)は実際よりも低く感じ、高い方(2.7m)は実際よりも高く感じるとい う結果である。 なお、この傾向は 「高さの実寸法が拡大すると過大評価の傾向がある(※1)」という結果とも 一致する

ここまで、ほぼ教科書丸写し。論文全体を読むよりも、教科書の方が要約されているので分かりやすい。e.には論文から図を引用し、貼り付けた。

 f. テキスト前半で取り上げられている23項目のいずれか異なる調査方法での可能性について考察
「機器で調べる アイマークレコーダ・脳波」
マグニチュード推定法は、被験者が刺激の強さを数値で評価する方法で、主観的な感覚の強さを数値化することが可能である。そのため同じような”感覚”を機械で測定することによっても同じような結果が客観的に出るのではないかと考えた。アイマークレコーダは視線の動きを追跡し、被験者が何を見ているのか、どの程度の時間をその対象に注視しているのかを測定するためのツー ルであり、脳波測定法は、・・・。

といった感じで、選んだ分析方法を読みながら想像の範囲でテキトーにそれっぽく納得できるような文章に仕立てた。論文から図も必ず引用した。

先生からのコメント

講評に大変時間を要し、ご心配、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。

【レポート評価:S】

第1課題①:《S》『学校教室と天井高についての生徒の印象評価と寸法感覚に関する研究』について、元の論文を精読しレポートをまとめられたことが判ります。f.にて、「機器で調べる」を示せている点が評価できます。おっしゃる通り比較的主観的な情報から導かれている方法を採用しているものに対して、より客観性の高い情報を得るという視点は重要です。生理応答を指標とすることで、それが担保できるものと思います。

第1課題②:《S》『CGシミュレーションによる集合住宅地の外部空間構成の評価分析』について、CGを用いることで外部空間の構成要素を追加あるいは変更、削除を容易に行なって比較するという特徴的な実験環境を用意し、因子分析を行うためにSD法に基づく予備実験にて尺度や段階を定めた因子軸を用いて結果を得ている様子がまとめられています。またf.にて「クラスター分析」を挙げ、データの分類を視覚的に示すという考察が出来ている点が評価できます。

第2課題①:《S》『経路探索特性に基づく都市空間の認知プロセスに関する実験的研究 —格子状街路網地区を対象として—』について、実験プロセスや目的を理解した上でまとめることができています。f.にて「想起法」を挙げ、更に2つの方法を挙げて両方の特徴を踏まえて考察している点が好ましいです。あるいは両方を実施、という提案もあり、素晴らしいです。

第2課題②:《S》『街並みの「ゆらぎ」の 物理量分析一街路景観の「ゆらぎ」に関する研究(その1)』について、その特徴である「ゆらぎ」「フラクタル」などによってまとめることができています。f.にて「主成分分析」を挙げています。第1課題②では類似の「クラスター分析」を挙げていましたが、両者の違いを理解して提案している点が
評価できます。主成分分析をどのように実施するか、手順を追って説明し、可能性を示せているところが素晴らしいです。



 各課題とも文章はよくまとめられています。
レポートを補完する図版や写真、表などの資料を用いて視覚的に示せている点が高く評価できます。
 多面的な調査、分析方法が理解でき身についたものと思います。

やった!S評価頂きました。正直、論文読んでも理解に苦しんだけど、その論文から別の分析方法にして考える、ということが難しすぎた。でも、先生が理解できているって言ってくれたから大丈夫なんだろう。
レポート課題は一見大変かも知れないけど、レポート+テストよりも時間がかからず、高評価も付きやすい気がします。


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