悪徳リフォーム業者

悪質なリフォーム業者が捕まった!というニュースを見たり、聞いたりしたことありませんか?
社会問題としてメディアなどでも度々取り上げられる事もあり、リフォーム業界に悪徳業者がいるという事は、多くの人が知っていますよね?
それにもかかわらず、悪徳リフォーム業者についての相談の件数は減っていません。

そのような現状がある中で、いざリフォームをやりたいと思っても、どの業者が信頼できるのかもわからない・・・。

遠方に高齢のご家族がいらっしゃる方は、そのご家族の方がダマされないかも心配ではないでしょうか?

しかし、予め悪徳業者の手口を知っておけば、それらの被害は防ぐことができるのです。

この記事では、リフォームの専門家の立場から、これを知っておけば悪徳業者には騙されない!という知識をお伝えします。

是非、いざという時の為に、この記事を保存して参考にしてください。

1.悪質リフォーム業者が減らない現状

1-1.酷すぎる実態!悪徳リフォーム事例

【事例1】訪問してきた業者に急かされて契約したが音信不通

無料点検にやってきた業者から「屋根がずれていますね」「地震が来たら屋根が落ちてしまう」「早くやらないと大変なことになる」などと言われて不安になり契約した。

見積書の提出はなく、契約書もなかったが業者を信用して代金を支払った。しかし、予定の工事日になっても業者が来ない。

預かった連絡先に連絡をしても電話も繋がらず一切連絡が取れない。

【事例2】ずさんな施工に見積りと違う高額な請求

クロスの汚れが気になったので業者に張り替えを依頼して契約した。見積り時に口頭で伝えられた金額は30万だった。
通常、クロスを張り替える際には、古い壁紙を剥がして凹凸を無くす下地処理を行わなくてはならないが、この業者は下地処理を全く行わず、古い壁紙の上からクロスを貼るというずさんな工事を行った。

その結果、壁は凹凸だらけでひどい仕上がりとなった。

しかも、見積り時には30万と言っていたにもかかわらず、50万の請求をされた。

【事例3】持参したシロアリを見せて脅し、シロアリ駆除の契約を迫る

訪問してきた業者が床下の点検を無料で行ってくれるというのでお願いした。すると、床下から持ってきたというシロアリに食われた木材とシロアリを見せられた。シロアリの現物を見せられて不安になり、慌てて契約して工事をしてもらった。

後日、別の業者に床下を見てもらったところ、ずさんな工事が発覚。意味のない補強金具と不必要な床下換気扇の設置。実際はシロアリも発生しておらず、以前検査後に見せられたのは業者が持参したシロアリと木材だった。当時の業者に苦情を言おうとしたが事務所も存在しなかった。

1-2.相談機関へ寄せられた相談件数の推移

PIO-NETに寄せられた相談件数の推移

全国の消費生活センターと国民生活センターに寄せられた 「消費生活相談情報」のデータベースであるPIO-NETの訪問販売によるリフォーム工事相談件数です。

それでは、なぜ悪徳リフォーム業者は減らないのでしょうか?

まず、要因のひとつに業界への参入がしやすいということがあります。リフォーム業は「自宅兼事務所と電話とチラシさえあればできる」と言われる程です。

通常、建築工事を請け負う場合には建設業許可を受けなければなりません。しかし、下記のような軽微な建設工事と呼ばれる範囲のものであれば、建設業許可を受けていなくても営業が可能とされています。

リフォームの大半がこの軽微な建設工事の範囲である為に、リフォーム業は建設業許可はおろか、何の資格や免許がなくても始めることができるのです。

その為、契約を取って下請けの職人に丸投げするような営業に特化した会社や、専門知識の無い異業種からの参入が相次いだ結果、消費者との間にトラブルが増えています。

もうひとつの要因として、リフォームというものが、やるべき妥当性や施工の品質の面で、素人にはわかりにくい点が多いことがあります。
例えば、外壁塗装であれば、いつ塗り替えなければならないのか、施工は下地処理をしたか、適正な量の塗料を塗ったか、シロアリ駆除であれば本当に被害が出ているのか、ちゃんと駆除されたのか、といった事ように、素人では判断がつかないものが多く、屋根や床下などはそもそも作業状況が見えづらいという事もわかりにくさの要因となっています。

そのようなわかりにくさをいいことに、実際には行なう必要のないリフォームを勧めたり、施工で手抜きをしたりする悪徳業者がいるのです。

2. 悪徳リフォーム業者の手口と対策

悪徳リフォーム業者の被害に遭わない為には、何よりもまず相手の手口を知ることが大事です。この章では、悪徳リフォーム業者がよく使う手口や特徴を紹介いたします。

2-1.訪問販売による営業

前章で紹介したPIO-NETと住まいるダイヤルの相談件数はどちらも訪問販売によるリフォームについての相談です。
訪問販売業者が多い理由として、会社の実態が無いこと、また、クレームが起きても逃げやすいように会社の存在をわかりにくくしている、といったことが挙げられます。

もちろん、訪問販売によるリフォーム業者が全て悪質というわけではありませんが、悪徳リフォーム業者の特徴のひとつに訪問販売であることが多いのは事実です。

2-2.無料点検のはずが高額な請求をされた!
無料点検を行っていますといって訪問してくるパターンです。床下、屋根、外壁、浄水器、給湯器、排水管、換気扇などの点検を無料で行なうと言って訪問し、点検後、実際は不具合が無くても「このまま放っておくと危険です」などと不安を煽って工事契約や商品・サービスの購入をさせようとします。

極めて悪質な業者は点検の際に、故意に設備を壊したり、床下にシロアリの卵を置いていったりします。

【対策】アポ無し無料点検業者は断る

約束も無しにいきなり点検にやってくる業者はきっぱり断りましょう。ただし、正確に状態を把握して正しい施工プランや見積りを出すためには診断・点検が必要不可欠ですから、無料点検を行なう業者が全て悪徳という訳ではありません。良識ある業者であれば、いきなり訪問せずに事前にお客様から診断の申込をもらってから訪問しますので、いきなりアポ無しで「無料診断やってます」と訪問してくる業者に特に注意しましょう。

2-3. モニター価格はぼったくり価格!?

広告用のモニターになっていただければ安くする、見本工事として通常にはないサービスをお付けします等といって売りつける、モニター商法という手口です。

太陽光の業者はお宅は日照条件などの場所が良いのでモニターになってもらいたい、費用は半額でいい、毎月アンケートに答えるとモニター料が貰えるなどと言います。
これらのセールストークは事実ではなく、安いどころかむしろ通常より高い費用を請求されます。モニター料も最初の数ヶ月だけ支払われてから払われなくなります。

【対策】モニター価格という言葉が出たら断る

モニターという言葉を使う業者は信頼できる業者とは言えませんのでキッパリ断るようにしましょう。モニター価格や見本施工で安くするというのは「モニター商法」という悪徳業者の常用手口です。優良なリフォーム業者であれば、そのような大幅な値引きは行ないませんし、そもそも値引く前の価格がぼったくり価格です。不安な場合は相見積もりをして、提示された価格が本当に安いか確認してみるのもいいでしょう。恐らく相場よりも高いはずです。仮に相場の半額だったとしても、モニターに数十万かけるには費用対効果が悪すぎますから、どこかしら手抜きをされてしまう可能性が高いでしょう。

2-4.異常がないなら壊してしまえ!自作自演業者

本来まだ工事をしなくても良いのに、今すぐしなければ大変なことになるといって契約を迫る手口です。点検を装って、故意に設備を破壊することもあります。

霧吹きで雨漏りしている様に見せる

実際には雨漏りが起きていないにも関わらず、霧吹きで天井裏の柱を湿らせて「雨漏りしているので改修が必要だ」といって工事を迫ります。

床下・屋根裏に不必要に調湿材を撒く

シロアリの点検商法で良くある手口です。シロアリがいなくても「カビ・湿気が酷いので家が倒れる」などと脅し、湿気対策として調湿材と床下換気扇を勧めた後に不必要なほど大量な調湿材を散布します。

換気扇の設置作業で二つで十分な広さの屋根裏に十個以上設置した上に、電源の配線すらしません。
また、工費込みで3台15万円程の換気扇を1台10万円以上で売りつけます。

屋根に不必要に耐震金具を設置する

屋根の点検後に「屋根を支える柱が弱くなっているので、耐震用の金具が取り付けたほうが良い」と言って大量の金具を売りつけて設置します。屋根を故意に破壊することもあります。

その他にも、故意に給湯器の配線を切断して漏電させたり、水道管を切って漏水させたりしてから、交換が必要だという悪徳業者も存在します。

【対策】即日契約せず複数の業者に提案を貰って判断する

不安を煽るような事を言われても、その日のうちに契約、また作業をさせないようにしましょう。指摘されたことが正しいかどうかを判断するために、家族や他の業者にも相談してから判断しましょう。

2-5.市町村の職員を装う偽職員業者

「◯◯市の方から(委託されて)下水の点検に来ました。」などと言って、市町村が関与しているような言い方をします。信用して作業をさせてしまうと後に高額な請求をしてきます。

その他には

「消防署の方から火災報知機・消火器の点検に来ました。」

「水道局の方から来ました。蛇口の取替えをします」

「◯◯市から来ました。止水栓(元栓)のサビ止めを行います。」などがあります。

実際は市町村・消防署・水道局の職員ではなく、委託されているわけでもありません。

【対策】身元をしっかり確認する

必ず名刺や資格などの身分証を提示してもらいましょう。例えば、水道局の調査員であれば水道局が発行した写真付身分証明書及び腕章を身につけて付けています。不審に思ったときは契約する前にその業者が関与しているという市町村などに確認しましょう。市町村の調査員が代金を請求することはありませんので、金銭を要求してきた場合にはすぐに警察に連絡しましょう。

2-6.有名な会社名でも油断禁物!大手の会社の名を語る業者

◯◯サービスですが、といって◯◯に大手の会社名を入れて名乗ります。

代理店、指定業者、委託業者などの場合もありますが、まったく関係ないにも関わらず名刺にロゴを記載したりして、大手の関連会社であるかのように思わせます。大手の名を語ってずさんな工事をする業者が存在します。

【対策】親会社に確認する

聞いたことのある名前の会社名でもすぐに信用せずに必ず複数の業者に相談されてください。大手の子会社やグループ会社と主張する場合は親会社にそのような子会社が存在するのか、どういうサービスを行っているのかを確認を取りましょう。

2-7. 最初の価格はなんだった?大幅に値引きして契約を急かす業者

既に紹介したように無料点検後に

「早くやらないと大変なことになる」と不安を煽って契約を急かしたり、

「今日中にご契約いただければ、工事費を半額にいたします!」などと言って早く契約するように迫ります。

営業専門の会社に多いパターンです。

元の値段から3割から半額も値引きするケースもあり、そもそもの価格設定がボッタクリで意味を無してないことがわかります。

【対策】大幅に値引きする業者は断る

元の値段があってないようなものなので、値引きを理由にその場で契約を迫られても契約はせず、必ず複数の業者に見積りを取って相場を確認しましょう。

2-8.契約や工事を強引に進める傍若無人業者

契約内容をよく理解していない高齢者などに対して強引に契約を迫ります。断ると契約するまで長時間居座って帰らないといった迷惑行為を行ないます。
また、工事を強引に進める業者もいます。例えば、浴室の工事のみだったはずが、洗面所やトイレ等の工事まで勝手に進めていきます。

【対策】レコーダーに録音して警察に通報する

居座って帰らないなどの迷惑行為を行われた場合は警察に通報しましょう。万が一、居座りなどの強引な勧誘を受けて契約させられた場合は、消費者契約法によって契約を取り消すことも可能です。強引な勧誘はレコーダーで録音しておくことも有効です。

2-9 契約書を渋る業者はNG!トラブル回避は契約書を交わすことにあり!

悪徳業者の中には契約書を交わさず、口約束で工事を始めるものもいます。このような業者は契約の際に口頭で約束した額よりも高い金額を請求してきます。
契約自体は口約束でも成立しますが、契約書がなければ何の工事を、いつまでに、いくらでやるのか、といった事が残らない為、トラブルになりやすいでしょう。
また、いざトラブルになってしまった場合にも、契約書がないと証拠が不十分であるため、訴訟においても不利です。

契約書を渡された場合もしっかり契約書の記載内容を確認してください。悪徳業者が使う契約書は契約の日付が無い、工期の日付がない、クーリングオフの記載がないなど、法定の要件を満たしていない場合が多くあります。法定の要件を満たした契約書とは下記の内容が記載された契約書です。

契約書を渡された場合は下記の内容を最低限確認しましょう。

工期:着工日と竣工日

施主とリフォーム会社の住所・連絡先

工事費の内訳と合計金額

支払い方法・支払い時期

これらの記載が無い場合は安易に契約せず、きちんと明記してもらうようにしましょう。

また、着工や工期が遅れた場合について、遅延損金の支払いについてもしっかりと業者に確認し、遅れた場合はどんな対応をしてもらえるのかを記載してもらうようにしましょう。

2-10.いつくるの?工事を始めない・途中で放棄する業者

リフォーム業者に代金を支払ったが、工事着工予定日になっても工事が始まらず、連絡もつかないというケースや、工事を途中で勝手に中止して一方的に契約を破棄を通告してくるような、途中放棄をするケースがあります。

【対策】工事代金を後払いにする

先に代金を払うことによって起きる被害といえますので、このようなケースを防ぐには工事代金を着工前に払わずに後払いにしましょう。
また、代金を支払ってしまった場合でも、契約書に工事予定日の記載があるにもかかわらず着工されない場合は、契約を解除して工事代金の返還を求めることができます(債務不履行解除・民法541条)

2-11.素人に知識を逆手に取った施工不良・手抜き工事

リフォームは素人の消費者には施工の内容がわかりにくい為、正しい工程を行わない「手抜き工事」を行なう業者がいます。

例として

下地処理を行わず、古い壁紙の上からクロスを貼った為に、表面が凸凹になった。

外壁塗装で品質基準の塗料を塗らない、また塗料を指定以上に薄めて使った為に、数年で剥がれてきた。

など。

また、設計書通りに施工しなかった為に、洗面化粧台がスペースに合っていないなどの適当な施工を行なう業者もいます。

【対策】作業の様子を写真に収める・リフォームかし保険の加入業者に依頼する。

工事中の様子を写真に収めるなどして、全てを業者任せにしないようにしましょう。また、完了検査には必ず立ち会って施工の仕上がりを確認ましょう。
しかし、仕上がりを見ても手抜き工事か判断がつかない場合がほとんどですので、業者を選ぶ際は施工後に瑕疵が見つかった場合に補償される「リフォームかし保険」に入っている業者を選びましょう。リフォームかし保険では、リフォーム工事の施工中や工事完了後に、第三者検査員(建築士)による現場検査を行います。これにより、質の高い施工が確保されます。また、工事に欠陥が見つかった場合に、補修費用等の保険金が事業者(事業者が倒産等の場合は発注者)に支払われ、無償で直してもらうことができます。

リフォームかし保険の登録業者は下記より検索できます。

http://search-kashihoken.jp/

2-12.最初の見積りと価格が全然違う請求が!

最初の打合わせや見積りでは安かったのに、後から高額な追加費用を請求してくるケースです。見積り内容が一式となっており、この工事はオプションになります。これは見積りには入っていません等と言って高額な請求をされます。
当初予定の無かった工事をあたかも必要だと言ってどんどんと追加工事を契約させていきます。

【対策】詳細な見積書を提出してもらう

このケースでは最初に提示された見積り書が一式見積りであることが多いです。必ず、見積り時にどの箇所を何の材料を使って工事を行うのかが明記された詳細な見積りを出してもらうようにしましょう。また、契約にない工事を勝手に進めようとした場合ははっきりと工事を止めるように言うことが大切です。

2-13.あなたの家にもありませんか?表札のマークが危ない!

リフォームも含めた悪徳訪問販売業者が行なうマーキングという行為です。表札・ガスメーター・郵便ポストなどに、家の住人の情報を仲間に知らせる為にシールを貼ったり、ペンで目印をつけたりします。
印の意味や利用方法は業者によって様々ですが、マーキングの例を紹介いたします。

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