厳島神社

「神を斎(いつ)き祀(まつ)る島」という語源のように、古くから島そのものが神として信仰されていたという厳島(宮島)。その海上に神秘的に建っている嚴島神社は、1996年世界遺産に登録されました。多くの人々が信仰したという古式ゆかしき神社でもあり、四季を通じて国内外から多くの人々が訪れる観光名所です。いつ、誰によりなぜ建てられたのか、その歴史と匠の技法を駆使した見事な建築技法を知るべく嚴島神社の必見ポイントを紹介していきます。
平家繁栄を物語る海上社殿 

そもそも、嚴島神社は潮の満ち引きのある場所にわざわざ建てられたのでしょうか。宮島全体が神と捉えられていたため、木を切ったり土を削ることで「ご神体」を傷つけないようにと潮の満ち引きのある場所に造られたといわれています。
「嚴島詣」は江戸時代にも大流行 【基本情報03】

嚴島神社は古代から瀬戸内海の安全を祈願する参詣者が多く訪れ、平安時代後期より平清盛が深く信仰したことから、神社の名は広く知られるようになりました。そして、瀬戸内海を往来する漁民や、商人たちの「嚴島詣」が盛んになっていき、江戸時代には伊勢詣、四国遍路と並んで西国の民衆の代表的な参詣地として流行したようです。

前面の青々とした海、背後に広がる緑の弥山原始林を背景とし、神社建築の魅力を際立たせる朱の嚴島神社は、松島、天橋立と並ぶ「日本三景」の一つとして有名です。御本社の祓殿正面にある高舞台は、大阪の四天王寺・住吉大社の石舞台とともに舞楽の「日本三大舞台」といわれています。嚴島神社の神事である「管絃祭」は毎年旧暦の6月17日に行われています。

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