しまなみを楽しみ尽くすイベント「しまなみ映画祭」
こんにちは。しまなみ映画祭実行委員会です。
今、しまなみ映画祭の準備を進めているのですが、思った以上にたくさんの面白いことが起きているので、noteに書きまとめることにしました。
まずは、私たちの活動について紹介させてください。
島巡りの楽しさを知ってほしい
「しまなみ映画祭」は、9月27日(金)〜29日(日)で開催する、島巡りを楽しんでいただくための映画祭です。
開催会場は、広島県尾道市の「生口島(いくちじま)」と「因島(いんのしま)」、竹原市の「大久野島(おおくのじま)」、愛媛県今治市の「大三島(おおみしま)」という、4つの島々。県が異なると距離があるように感じるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
しまなみエリアでは、すぐに島を越えることができ、誰でも島巡りを楽しめます。4つの島々を移動することは、思っている以上に簡単なのです(一度でも来たことがある人なら分かってくれるはず……!)。
世界に視野を広げてみても、こんなにも気軽に島巡りをできる場所はほとんどありません。しまなみエリアの魅力はそこにあると考えています。
こうした理由で私たちは、島巡りの楽しさを多くの人に体験してもらうために、映画をはじめとした食や音楽などを楽しめるイベントをつくることにしました。
楽しむと同時に考えたいこと
「かつては、海は今よりも生活に近かった」──。しまなみエリアで暮らしてきた地元の人たちに話を聞いてみると、このような特徴があるように感じます。
単に交通手段が船だったからではなく、海からの恩恵を体いっぱいで楽しんでいただろうと思わせる話が多いから。「島単位ではなく海域単位で生活は成り立っていた」と言われる話も、そう考える理由のひとつです。
話が難しくなりました。
分かりやすく言うと、島で暮らしている人たちは、自然の中で工夫しながら生きてきたのだと思います。
そして、こうした生活の豊かさはどこにあって、今を生きる私たちはそこから何を学べるのでしょうか?
しまなみエリアの島々は少しずつ根づいている文化が違うので、島巡りが考えてみるきっかけになるはずだと、しまなみ映画祭実行委員会は思っています。
会場のテントは竹でつくる
このようなことができたらいいなと話し合っていたところ、会場のひとつである「大三島」の運営を担ってくれている「しまなみ地球の楽校」から、素敵な提案がありました。
「会場で使うテントは、自分たちで竹でつくりませんか? それを教えてくれる講師の人が、今後うちに来てくれるので、みんなで一緒に勉強してみましょう」
竹でつくると言っても、ホームセンターで竹を買うのではなく、自分たちで竹林から刈り出したものを建材にします。アルミフレームなどでできたテントと同じように折りたたむことができて、耐久性の観点でも大きな問題はありません。パーツが壊れたら買い換えるしかないテントに比べて、一部のパーツが壊れてしまったらそれを取り替える材料を竹林から刈ってくればいいだけなので、無駄なゴミを出すことはありません。
むしろ、不要になった竹はチップにして堆肥化すれば、農家にとって必要なものになるので、ゴミを出さない仕組みになる可能性もあります。
しまなみ映画祭実行委員会は、竹のテントをつくって、会場を装飾することにしました。
異なる価値観と出会える場所に
竹で何かをつくるという知恵は、海が今よりも生活に近かった時代にあったこと。橋を渡るのではなく海を越えるしか選択肢がなかったからこそ、限りある資源を少しでも長く使おうと、先人たちは数えきれない多くの試行錯誤を重ね、その道を探ってきました。
今の時代、数千円を出せばテントは買えるかもしれないけれど、あえて時間をかけて自分たちで竹のテントをつくれば、そうした時代の豊かさを体感できるかもしれません。
その想いでつくったテントは並んでいるだけで、きっといろいろなメッセージを届けられ、参加者の人たちに考えるきっかけを提供できるかもしれません。
さらに言えば、しまなみ映画祭実行委員会はこの活動を通して、島と島の交流を今以上に活性化させ、参加者の人たちと一緒に新しい価値観に触れたいと思っています。
次のnoteでは、竹のテントづくりワークショップの内容について紹介しようと思います。
続きはこちらから
Photography | Hayate Tanaka / Kazuto Uehara
Text | Shotaro Kojima
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