日本語と英語の違い@空気を読むことを強要してくる言語、日本語。
アメリカ人はハッキリ物を言う。
日本人は空気を読みつつ曖昧な言い方をする。
すごくステレオタイプなイメージですが、なんとなく共有できる感覚ではないでしょうか。僕も自分自身のことをハッキリと言ってしまうタイプだと思っていましたが、アメリカ人と接するようになり、自己認識を少し改めるようになりました。あの人達と比べたら、僕、結構遠回しな表現使ってる。
そして英語を使うようになって、アメリカ人たちがハッキリ物を言う背景も少し理解できるようになった気がします。比較すると、日本語は言語としてめちゃくちゃ空気を読む能力を要求してくる。そして、英語はハッキリ言わないと伝わらない、言語としてそんな構造になってる。
そんな話を紹介したいと思います。
「〇〇さんはいらっしゃいますか?」
例えば、会社の代表の番号などに電話をかける時、なんて言いますか?
「〇〇さんはいらっしゃいますか?」
と言いますよね。これが英語になると
「Can I speak to 〇〇, please?」
となります。翻訳すると「〇〇さんとお話したいのですが」という感じでしょうか。この日英の違いを意識するとすごく面白いんです。
日本語をそのまま受け取ると、「そこに〇〇さんがいるかどうか」しか訊いてないんですよね。英語にすると「Is there 〇〇 san?」という感じでしょうか。それが受け手側で、電話をかけてきている、という文脈を読んで、「(ああ、〇〇さんとお話がしたいのね)はい、代わります」となる。
これは典型的な例ですが、こんな感じで、特に意識していないと思うのですが、日本語はとにかく文脈に依存していて、空気を読んでいかないといけない言語なのですよ。よく言われる「主語を省略しがち」というのもそうです。先程の例で、「〇〇さんとお話したいのですが」と言いましたが、これは意訳ですね。もう少し正確に直訳を試みると、「私は〇〇さんとお話ができますか?」が正しいでしょう。すごく不自然な日本語になりますよね。主語が自明な場合は省略した方が自然に聞こえる。これが日本語という言語です。
ジョークを言った後の一言。
もう一つ、僕が典型的だなぁと思う事例を。
アメリカ人って、ジョークが大好きで、結構真面目な会議の場でもユーモラスな発言があって笑いが起こったりする、そんな気軽な感じが僕はなんですけども。(アメリカのホームコメディとかよくありますけど、若干大げさに脚色はされてますが、ほぼあんな感じです)
ジョークを言った後、必ずと言っていいほど "Just Kidding" とか "Just Joking" (冗談だよ)とかって言うんですよね。逆に僕がボケた時に言い忘れていると "Seriously?" (それマジで言ってんのか?)と聞かれたりして。英語はジョークであることも明確にしないとダメなんですね。
ボケとツッコミが身体に染み付いている関西人としては、笑いが起こるタイミングが若干ズレたりして、なかなか慣れません。英語でのノリツッコミなんて成立する日は来そうにありませんね。
ハイコンテクストとローコンテクスト。
一般的に、日本語はハイコンテクストで、英語はローコンテクストな言語に分類されるようです。コンテクスト=文脈への依存度が高いか、低いか、ということですね。(※ハイ・ローは良い・悪いを意味しません)
こんなハイコンテクストな言語で生活をしていたら、そりゃ曖昧な言い方にもなるし、ハッキリとした物言いが苦手にもなりますよ。だって、言語がそうなってないんだもの。京都の「良い時計したはりますなぁ」なんてその最たるものではと思います。あんなの、アメリカ人に絶対に伝わらない。
逆に英語で仕事・生活をするようになって、ハッキリとしたした物言いをしないと伝わらない、という経験を何度もしています。ちょっとキッパリ言いすぎかな、というくらいで丁度良い。疑問文にはまずYes/Noで答えてから話し始める癖がついてきたし、依頼事項もちゃんとやってほしいことを明確に書く。「何卒宜しくお願い致します。」みたいなのは本当に伝わらない!何を、誰に、どんな感じでお願いしているのか。これでもかってくらい明確にしないと、相手はお願いされている認識すらなかったりしますからね。
日本語だと直接的すぎてともすればいやらしく聞こえるようなことでも、英語にすると自然だったりするから、それが面白いところですね。
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