君に贈る火星の
「火星人なの、私」
六星占術の事かと思っていたけど、毎晩、君は空を見ては泣いているから。僕は火星の道導の話を知っていたから、本当にそうなんだろうと思うようになった。
「火星と月が最も接近する皆既月食の日に、願いが叶うと言われている」
今日しかない。辺りが暗くなり、月が地球の影に入り赤銅色に変わる。
月は光を失って、火星の赤が輝いている。
「君に贈る火星の道導」僕の家に伝わる送りの言葉の呪文を唱えた。
火星まで射す真っ赤な光の道が現れた。
「君は知っているんでしょ。迎えの言葉の呪文を」
「本当に心から愛せる人ができた時に、私の一部を貴方に捧げて、火星へ帰るのです。今まで本当に、ありがとう。ずっと見守っています。愛しています。」
「貴方に贈る火星の光明」君は、迎えの言葉の呪文を唱えた。
真っ赤な光とともに彼女は消えた。やっと帰れたね。
皆既月食の日に願いが叶うらしい。
僕は、愛という名の永遠の赤い光を受け取った。
406文字。
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失恋冷蔵庫にて「ルビが文字数に含まれない」とか書いてしまい、大変申し訳ありませんでした。普通に含まれていますね!読まれた方は、さぞ可笑しく思った事でしょう。我ながら、なんでそう思ったのだろうとびっくりしています!削除させていただきました。
こちらでお詫びして訂正させていただきます。
お付き合いいただき、ありがとうござます。
ここまで、貴重なお時間を!ありがとうございます。あなたが、読んで下さる事が、奇跡のように思います。くだらない話ばかりですが、笑って楽しんでくれると嬉しいです。また、来て下さいね!