高齢出産をした私が思った事 ④高リスク多すぎ
産婦人科の医院を受診し、妊娠を確認できた喜びも束の間、今後の分娩する病院を決めなくてはならない。
私が妊娠した時には、産科セミオープンシステムが採用されていました。
初期妊娠リスク自己評価表は、年齢、お産の経験、身長、体重、タバコやお酒、薬の服用、既往歴の有無、など18項目があり、合計点数で評価されます。
妊娠リスクスコアが低リスク(0−1点)、中リスク(2−3点)、高リスク(4点以上)と三段階にわかれています。高リスクになるほど、帝王切開率(予定+緊急)、低出生体重児率(2500g未満)、早産率(36週以前)、分娩児大量出血率、NICU入院率などが20%以上の高確率で発生しています。
初期妊娠リスク自己評価表を見てみると、驚愕の事実を知った。
1問目で、医師に相談することになってしまった。
私は、40歳以上に該当する。
39と40と1歳違うだけで、点数が跳ね上がる事に驚いた。その他の項目も合わせて、合計7点だった。4点以上でハイリスク妊娠に対応可能な病院での妊娠健診、分娩を考慮してください、とある。医院ではなく、医療体制が整った病院で、健診をしてもらわなければならなくなった。
40歳というだけで、5点。子宮筋腫も4センチくらいが何個かゴロゴロとあって、そして血液型も不規則抗体マイナスであった。
予定日に合わせて分娩が混み合っていると、病院は受け入れてくれないかもしれない。条件に合った病院が受け入れてくれるか分からず不安だったが、何とか家の近くにある、私が希望していた総合病院に決まり、ほっと一安心した。
母子手帳の交付をしてもらい、「わたし妊娠したんだな」と実感。
「若いうちに出産したほうがいいよ」
「うっせいわ!余計なお世話だ」
その気持ちもよくわかる。他人が、どうこういう話ではないと。
以前、高齢出産にたいして 羊水が腐る という不謹慎かつ非情な発言で炎上したアーティストもいたけれども、妊娠出産については、とてもとても繊細な問題だと思う。
果実が熟して朽ちていくように、やはり私たち人間も老いて朽ちていく。20代の卵子と40代の卵子では、同じ卵子だけれども全く同じ卵子ではない、と思っています。
詳しくは良くわかりませんが、ES細胞、IPS細胞にて卵子や精子を作れる事がマウスでは実証されている、そうです。それが事実であるならば、老いていきながらも卵子を作る事はできる。
倫理の問題もあるし、実用化はされないのかも知れませんが。
何十年何百年後の未来では、妊娠出産という形は、今とは大きく変わっているかもしれないですね、SFのように。
余談でした。気になる方は検索してみてください。
20代のうちに、妊娠出産しても、仕事が続けられて、お金も保障されて、男女共に分け隔てなく、義務として育休が取れる。そんな世の中に変わると、若い頃に妊娠出産を諦める女子は少なくなるかもしれない。
そして、育児に携わることのない人たちにも、同じような保障が与えられるべきだと思う。例えば、育児休暇のように介護休暇も簡単に取得できるようにするとか。育児と同じように介護に苦しんでいる方もたくさんいらっしゃる。そして、子供はいないが介護の必要な親はいる、という人の方が、もしかしたら長寿大国の日本では多いかもしれない。
介護休暇、育児休暇で休んでいる人達を助けてくれてありがとう休暇、仕事を分担してくれている方々の給料を少し上げるなど、何とか休暇が取れない人たちにも恩恵があるべきだと思う。
独身の頃、結婚していても子供がいなかった頃、育休を取る人達を快く思えなかった。結局、休まれた分の仕事の皺寄せは、全て独身、子育てから無縁のこちら側に回ってくるのだから。
いずれ結婚して子供が出来れば、同じように育休が取れるからお互い様。とはならない場合も最近は多いと思う。独身が増えているし、ジェンダーの問題もある。結婚、妊娠で損得がないような社会構造を構築していかない限り、出生率は上がらないし、男性の育児休暇の取得は増えないのではないかと思う。
一生懸命に仕事をして、楽しんで、人生に余裕ができて、いざ子供を作ろうと思った時には、卵子を作れなくなっていた。と後悔する事もあるかもしれない。
恥ずかしながら私は、妊娠するまで、卵子の数が減る一方だとは、知らなかったのです。
子供を産む産まない、それを決めるのは自由です。
妊娠する事は有限である事、年齢が上がると母子共にリスクが高くなる事を、若い人達は必ず知っておくべきだと思う。
その上で、産む産まないを選べるように。
性教育と同時に学生の頃から卵子が有限であり、高齢出産に危険が伴う事実も教えるべきではないか(教えているのかな?教えていたら、すみません)。もし、病気や怪我で生殖器がなくなったとしても、性別が変わったとしても、事前に知っていれば、卵子や精子を残しておくという準備や選択もできる。
妊娠リスクスコアにて、高スコアの人に起こるだろう、早産、低出生体重児、NICU入院を、高リスクの私は、もれなく経験した。
高齢という事だけが、原因ではないのかもしれないけれども、母子ともに危険が高まる事は事実なのだ。
この事実は、若い人ほど、妊娠する前の人ほど、やはり知っておくべき事だと思う。
妊娠ライフを楽しむ?
私は、あまり楽しめなかった。
座っていても、立っていても、寝ていても、辛くて、痛くて、不安がよぎる。優雅にお散歩なんて出来なかったし、妊娠して幸せ、そんな気分には、中々なれなかった。
ここまで、貴重なお時間を!ありがとうございます。あなたが、読んで下さる事が、奇跡のように思います。くだらない話ばかりですが、笑って楽しんでくれると嬉しいです。また、来て下さいね!