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広告ツイートからの解放「tweetpd」レビュー
今回はウマ娘を離れてiOS用のTwitterクライアントアプリ「tweetpd」を紹介する。
(自分はアプリ作者と面識は無いので本記事は「案件」ではない)
Twitterは度重なる改悪で多くのユーザーから不満の声が寄せられているが、依然としてコミュニケーション&情報収集ツールとしての重要性は高い。しかし、Twitter公式アプリは快適とはほど遠く、我慢を強いられてきた。そこに現れた希望の星がtweetpdだ。tweetpdは今や自分にとってTwitterをやる上で手放せないアプリとなっている。
なお、下記のレビューはVer.2.20、利用端末はiPad mini5を元にしている。
tweetpdは2023年6月にリリースされたばかりで頻繁にアップデートされており、下記レビューからの変更が生じる可能性があることはご承知おき願いたい。またApp Storeのユーザーレビューも、古いバージョンに対するものは同様に鵜呑みにしない方がよい。
2023/11/23 追記 (Ver.3.6準拠)
初回投稿時以降のアップデートで変更になった点などを追記した。
記事の各項目にインラインで注記した他、目次の一番下「更新情報など」に変更点をまとめて記載した。
◽️tweetpdのいいところ
自分にとって「いい」と思える順に紹介していこう。
広告(プロモーション)ツイートが一切表示されない
未読管理が可能
マルチカラムで複数アカウントやリストの活用が容易
カスタムCSSで自分好みのデザインに調整可能
フィルタ装備
複数端末間の未読位置同期(EchoSync)
開発者が日本人
鳥アイコンを復活可能
1.広告(プロモーション)ツイートが一切表示されない
今年(2023年)の6月頃からTwitterはプロモツイートが一挙に増えた。3ツイートに1回ほどの高頻度で広告が混じるようになり、欝陶しいことこの上ない。しかし、tweetpdではタイムラインや検索結果を含めてプロモツイートは全く表示されることが無く、快適に利用することができる。一度「広告レス」のTwitterを経験すると、もう公式アプリには戻れない。仕組みとしては、恐らくtweetpdの内部CSSでプロモツイートを表示から除外しているのだろうと思われる。
2.未読管理が可能
タイムラインを時間を空けて表示すると、公式アプリでは未読部分がギャップとなり、時系列順に読み進めるのが困難になる。かつてサードパーティ製(非公式)アプリが許されていた頃は「リロードしても前回の未読位置から読み進めることができる」という未読管理機能を持つものが多かったが、サードパーティ製アプリは2023年1月に実施されたAPI利用制限によってほぼ絶滅。以後、未読管理は手動で行うしかなかった。tweetpdでは失われた未読管理機能を再び利用することができる。
3.マルチカラムで複数アカウントやリストの活用が容易
公式アプリはシングルカラムアプリであり、別アカウントのタイムラインやリストの表示はその都度表示を切り替える必要がある。しかし、tweetpdはマルチカラムアプリなので、任意の数のカラムを増やして同時に表示し、横スイープ操作で複数カラムを閲覧することができる。過去にTweetDeck(マルチカラム)を利用していた人は利便性がイメージしやすいだろう。
4.カスタムCSSで自分好みのデザインに調整可能
フォントサイズや行間、色など、CSSの知識があれば自分好みに調整することができる。CSSの知識が無くても、Web上に転がっているカスタムCSSのサンプルをコピペすれば大体なんとかなる。テーマカラーはテンプレが用意されているのでCSSに頼らずに設定画面から変更可能。また投稿時刻を「10分前」などの相対時間から、「23:45:08」などの絶対時間表示に変更できるのも地味に嬉しい。
5.フィルタ装備
カラムごとに表示対象ツイートのフィルタリングが可能。自分的には「RT非表示」フィルタが最も便利。キーワード検索したときに、同一ツイートのRTばかりが表示されてウンザリすることがよくあるが、「RT非表示」フィルタを使えばRTを検索結果から除外することができるので検索がはかどる。他には「画像ありツイートのみ表示」フィルタを使って「絵師アカウントを集めたリストのカラムで画像ありツイートのみ表示」という使い方もできる。
6.複数端末間の未読位置同期(EchoSync)
外出時はiPhoneでtweetpdを利用し、家ではiPadでtweetpdを使うような場合、iPhoneで読んでいた未読位置を自動で記録して、iPadで開くと続きからタイムラインを読むことができる。同期の仕組みがよくわからないが、自動的に同期されるのを初めて見たときは感動した。 ただし、tweetpdはiOS限定アプリなので「Androidスマホ利用者」や「家ではPCでTwitterを利用する」ような人には恩恵は無い。
7.開発者が日本人
中華アプリが全て信用ならないとは言わないが、やはり何か抜き取られるんじゃないかという不安が付きまとう。その点、tweetpdは開発者が日本人であり、Twitterを通して要望やバグレポートなどのフィードバックコミュニケーションが取れることは安心できる。
開発者のTwitterID @tweetpd_lynn
8.鳥アイコンを復活可能
ダサい「X」のロゴの代わりに、従来の鳥アイコンを復活させることができる。精神衛生上とてもよろしい。
◽️tweetpdの気になるところ
公式アプリよりも圧倒的に快適なtweetpdだが、気になる点もある。
起動に時間がかかる
長時間バックグラウンドで放置していると再読み込みがかかる
X社から見て完全に潔白なアプリとは言い難い
1.起動に時間がかかる
公式アプリは概ね2秒程度で起動するが、tweetpdは未読数がゼロの状態でも起動に5秒程度かかる。未読数が多いとその数に比例して起動時間は大きく伸びる。
2.長時間バックグラウンドで放置していると再読み込みがかかる
例えば、tweetpdを起動したまま(バックグラウンド状態)でウマ娘を30分ほどプレイした後にtweetpdをフォアグラウンドに戻すと、tweetpdは起動した時のように再読み込みがかかる。時には上手く読み込みが出来なかったり、ログイン画面が表示されたりしてアプリ再起動が必要になる。
上記の問題は、tweetpdがネイティブアプリではなく「ほぼブラウザ」な作りであることに起因していると想像できる。恐らくはメモリ管理の点でやむを得ない問題であり、改善は難しいだろう。個人的には多くの利点を考えれば些細な欠点と思う。長時間バックグラウンドにするような場合は一度タスクキルした方が安定した運用ができるので、そうしている。
2023/11/23 追記
上記の問題はVer.3.6時点で大きく改善されている。バックグラウンドから復帰しても大抵の場合再読み込みがかからなくなった。
3. X社から見て完全に潔白なアプリとは言い難い
X社(旧Twitter社)は2023年1月に「Twitter公式アプリに類似するサービスのAPI利用を制限する」と規約を改定し、サードパーティ製(非公式)アプリのAPI利用を禁止(停止)した。一方、tweetpdはスマホアプリ上でWebサイトを表示する「Webview」の仕組みを利用しており、アプリとはいっても実質はほぼWebブラウザだ。このためAPI制限には該当せずにTwitterを利用することができる。例えると、iOS版のSafariでTwitterを利用するのと変わらず、X社から見るとtweetpdから投稿したツイートはブラウザから投稿したものと区別ができない。
しかし、サードパーティを締め出したいX社としてはtweetpdのようなアプリも許容したくはないだろう。Webviewを利用禁止にすることは多方面に影響が出るためtweetpdがすぐに使えなくなるとは思えないが、今後Webviewを使ったサードパーティアプリが増えれば、なんらかの対抗措置(改悪)を取ることもあり得る。そういった点も踏まえて「利用は自己責任」ということは心しておきたい。
◽️tweetpdの利用料金
tweetpdの利用は基本無料だ。ただし画面下部に広告が入る。
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この広告を外すには下記2通りの方法がある。
月額120円のサブスクリプションプランに入る
動画広告を1本見る(その後24時間は広告が外れる)
頻繁にアップデートもされているので個人的には月額120円は高いとは思わないが、こればかりは個人の価値観による。
2023/11/23 追記
動画広告を見る方法は現状使用できない。詳細は後述。
◽️tweetpd導入時の注意点
tweetpdのインストール後にTwitterの既存アカウントでログインすると、操作メニューが全て英語になっていることがある。というか、自分は英語になっていた。これはtweetpdが「ブラウザでTwitterを見るときの設定」をそのまま引き継ぐために生じる現象だ。
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メニューを日本語にするには、設定から言語を日本語へ変更する必要がある。言語設定はtweetpd画面から変更することができる。
言語設定変更手順
Twitter設定メニューから下記の順で言語設定を変更する。
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[Settings and Support]→[Settings and privacy]
→[Accessibility, display, and languages]→[Display language]
言語をJapanese-日本語へ変更してSaveボタンを押す。
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下記のように操作メニューが日本語になれば、言語設定は完了だ。
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◽️tweetpdの設定
tweetpd独自の設定画面は、画面左下の自分のTwitterアイコン→[Settings]を押すと入ることができる。
2023/11/23 追記
設定画面への入り口は自分のアイコン押しではなく、画面左端からのスワイプによって引き出す方法に変更されている。詳細は後述。
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各種設定はいじれば大体判ると思うが、三つほど設定例を記載しておこう。
タイムラインの位置
未読管理をするにはタイムラインの位置を[未読位置]にチェック。[新しいツイートを取得する際、位置を元に戻す]をオン。これで未読ツイートを読み込んだときに、未読位置から閲覧を続けることができる。
2023/11/23 追記
画面上の説明文言が変更されている。詳細は後述。
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鳥アイコンの復活
Xアイコンをやめて鳥アイコンを復活するには、コンテンツ表示設定から[Back to Bird]をオン。
2023/11/23 追記
画面上の説明文言が変更されている。詳細は後述。
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カラム幅の調整(iPad限定)
iPhoneよりも画面幅の広いiPadではカラム幅を自由に調整することができる。
画面右下の[←|→]をタップすると、幅を調整するためのスライダーが表示されるので、そこで好みの幅に設定することが可能だ。
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かつて自分が愛用したサードパーティアプリ(Tweetbot、Twitcle、twicca、etc.)はそれぞれ工夫された独自機能があり、愛着もあったが皆絶滅してしまった。このアプリは長く生き延びてくれることを願う。
◽️更新情報など
ここからは初回投稿時以降のアップデートで改善・変更された点などを記載する。ここに書ききれないほど多数のアップデートがされているため、詳細はApp Storeの「バージョン履歴」や開発者のX(Twitter)をチェックして欲しい。
なお、本項目記載時点の最新版は2023/11/23のVer.3.6だ。
動作改善
バックグラウンドで放置した後の復帰で再読み込みがかかる現象が改善されて、ほとんど再読み込みが発生しなくなった。例えば、バックグラウンドで約30分ウマ娘をプレイしてからフォアグラウンドに戻しても、自分の環境では再読み込みはかからない。
Xの仕様変更対応(未読管理)
2023/11/21の早朝にXの仕様変更があり、tweetpdの未読管理機能が使用できなくなった。タイムラインをえんえんと下に遡る動作をしてしまう。同日の夜に配信された修正版(Ver.3.5)で、この問題は解消された。
なんらかの事情で旧バージョンを使い続ける場合は「タイムラインの位置」設定で「先頭」にすることで遡る問題は回避できる。(ただし、当然未読管理は手動になる)
UIの変更
tweetpd設定への入り口は自分のアイコン押しではなく、画面左端からのスワイプによって引き出す方法に変更されている。
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タイムラインの位置設定では、説明文言が
「新しいツイートを取得する際、位置を元に戻す」から「アンカー更新」に変更されている。「ツイート」も死語になっていくのかな…。
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コンテンツ表示設定中の鳥アイコンの復活は「Back to Bird」から「トリモドス」に文言変更。ダブルミーニングでちょっとオシャレ?
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動画広告視聴による広告外しについて
動画広告を見て広告を外す方法は現状使用できない(メニューに存在しない)。これは開発者が意図的に外したのではなく広告SDK(開発キット)側が未対応なため、とのこと(2023/9/30開発者のツイートより)。SDKが対応すれば機能再開されると思われる。
iOSの対応バージョンについて
tweetpd Ver.3.0より、iOSの対応バージョンがiOS17以降となった。iOS16系に含まれるWebKit(HTMLレンダリングエンジン)に不具合があり、そのせいでtweetpdのセッション切れが多発していたためとのこと。
iOS17へアップデートできない古めの端末ではtweetpdもアップデートできないことになるが、これはやむを得ないだろう。
下書き保存の再編集が反映されない不具合について
これは更新情報ではないのだが、以前から「下書き保存した投稿を呼び出し、再編集して投稿すると編集内容が反映されない」という不具合がある。本家WebApp(ブラウザ版のXアプリ)の不具合のため、tweetpd側では対応できないとのこと。