人手不足、その先にあるもの
人手不足です。どこもかしこも人手不足です。自分たちの店舗はもちろん、自身が外食にでかけてもそれを痛感します。稼ぎ時にワンオペのラーメン店。ランチでオペレーションが爆発している居酒屋。本当に本当に大変です。
働き手の人口がどんどん減少しているのです。当たり前と言えば当たり前ですが、私たち飲食業やサービス業はどうなっていくのでしょう。
今後、飲食業界ではどんどん無人化が進むと思います。すでにファミリーレストランや回転ずし等はこの政策を推し進めています。最近の回転ずしの店舗では、ホールスタッフの手を必要としない機械やシステムが急激に導入されています。
では「鮪のシマハラ」はどうすればよいのか。同じような無人化を進めるのか。答えはNOです。そもそもそんな設備投資の資金はないし、既存店では配膳ロボットの動線すら確保てきません。無人化に最も縁遠い業態がわたしたち居酒屋なのかもしれません。
ここで私たちが進むべき道は、無人化とは対極にある「よりマンパワーに頼った接客で差別化をはかる。機械にはできない人のあたたかみで勝負する。」になるのではないでしょうか。世間一般的にはそうなると思います。私たち経営者はスタッフに対して、「これからの差別化は人間力が重要だ。機械に負けない接客を目指して頑張ってくれ。」そう檄を飛ばすのかもしれません。
でもちょっと待ってください。なんか違う気がします。いや違います。同じ給料や待遇で働き方だけ変えてくれ。これはもう無理です。たださえ人手不足の時代に、より飲食業界は敬遠されています。それは若い世代を中心に、給料が安く拘束時間が長い飲食業界の働き方にNOを突き付けているからに他なりません。
同じ給料では、よりパワーをかけて働く義理も責任もスタッフにはないのです。私たち経営者がやるべきことは、給料を含めた労働環境の改善です。そのためには利益です。すべて利益が解決します。収益の積算を一からやり直す必要があります。
「鮪のシマハラ」では新しい収益の積算を推し進めています。実際結果も出て、給与に反映され始めています。今期店長クラスの年収は500万円をこえてきます。もちろん完全週休二日を達成し、週の労働期間は40時間です。アルバイトの時給は1,300円ですが、1,500円に改定できるようより数字を詰めています。まさに「働き方改革」なのです。
年収300万から400万では嫌ですが、あと100万アップしてくれるなら、よりパワーをかけて働きます。そう言ってくれる人間は多いと私は考えます。より高いパフォーマンスを求めるために、収益性を高めて待遇を改善する。これしか生き残る道はありません。スタッフのやる気を搾取しても道はひらけない。私は「やる気搾取」で創業以来多くの仲間を失いました。自身を戒めて人手不足の飲食業界で戦い続けます。
利益のために、良いマグロを提供して適正価格を頂戴する。働く人間が飲食業界に誇りを持って笑顔になるために、「鮪のシマハラ」は「儲ける」から逃げません。今日もけたたましく儲けるぞ。おう。