夜中のテレビっ子
私は大体が夜10時を回ってから俄然やる気と元気が出てくる、典型的な Night Owl (ナイトアウル、夜型人間)だ。日本でもそうだったが、アメリカの大学生時代も夜もいよいよ本番になってから、課題に取り掛かったり図書館に出向いたりしていた(大学の図書館は24時間オープンでした)。
当時のことはこちらでも書いてます。
私がアメリカに来たばかりの90年代初めはまだネットも普及しておらず、emailはあったものの学校とのやりとりくらいにしか使っていなかった(そして初めてemailを使え、と学校から連絡があったときは未開の人間が文明に触れた時のように感動した)。ウェブで検索、などはしたことなく、論文を書くときは図書館に出向き、文献を何冊も読まなければいけない時代である。
そんな時代、夜中にすることといえばテレビを見るくらいで、私も一生分見なければいけないであるテレビ稼働時間はこの90年代最初の何年かで突破したと思う。見ていなくても点いていたのは多分音がないと寂しいから、というのもあったかなと感じている。
この時代のアメリカで夜中にやっているテレビ(ケーブルではない)は大体が決まっている。昔の人気ドラマの再放送や、ショッピングチャンネル、討論番組やトークショー、MTV、エッチな映画などである。学生でケーブル代は勿体無いので、せいぜい見れるチャンネルは5、6つだ。
その中でも私が気に入ってちゃんと“観て”いたものをご紹介したい。あなたが90年代のアメリカで過ごした人ならば、多分ここら辺の番組で色々と思い出すだろう。
1. Yan Can Cook:中国系アメリカ人が自分の名前がつく看板番組を持ったのはこの人が最初だったのではないだろうか。なまった英語とユーモラスな動き、観客を入れた公開料理ショーで、アメリカのお茶の間に”中華料理・アジア料理は家で作れるのだ”と知らしめた立役者だと思う。マーティン・ヤン、検索してみたらまだご健在で活躍されている。彼が作る中華はどれも本当に美味しそうだった!
2. Married With Children: いまだに根強いファンがいるコメディー(sitcom)はどのエピソードも私にはすごく”アメリカっぽい”のがお気に入りだった。グータラの主婦ペギー、セクシーブロンドだけど頭の弱い娘ケリー、ずる賢い息子バッド、そして靴屋のセールスマンの父アル・バンディ、とその周りの人たちの話はステレオタプや風刺・皮肉なども織り交ぜた笑いで今見ても面白い。夜中は何時間も続けて再放送をやっていて、私も何時間も観ていた。
3. Jerry Springer Show: ジェリー・スプリンガーというおっさんが司会のトーク番組なのですが、出演者はみんな訳ありの素人ばかり。彼氏のお兄さんとエッチした、とか子供は旦那の子じゃない、とか、彼女のお母さんと浮気してる、とかそんなんばっかりで、決まったように激昂した出演者がステージ上で乱闘となりガードマンの兄ちゃんたちに抱えられて退場するのがお約束だった。”時間の無駄”とはこのような番組を見る時間のことをいうのだろうとしみじみ思うが、当時は怖いもの見たさで観ていた。
4. QVC: テレビショッピングはQVCの時代!今もそうなのかは知りませんが、90年代は”テレビで見た”という商品はQVC。チャンネルが丸々ショッピングで時間帯によって売っているものが変わっていたような。私が見ていた夜中は大体がジュエリーなどで、実はどうしても欲しくて1つ指輪を買ったことがある。確か60ドルほどの真珠とガーネットがついた銀の指輪だったが、電話をしていろんな情報を伝えるのがめっちゃドキドキだった。あの指輪、どこにいったのかな・・・。
誰得かはわかりませんが、どなたかがこんな映像を見て面白がってくれるといいな。
この映像を探しながら、私は面白く懐かしく全部見ました(笑)
シマフィー