絵を描く自分
何かのきっかけを作ることは、私の仕事の重要な一部だ(*アメリカ東の高校で教師をしています)。
授業中だけでなく、生徒たちと関わる時はどんな時でも、私の発言や助言や行動が15歳たちの人生をより良いものに変化させるきっかけになればな、と思っている。
若い彼らに限らず、私たち大人も何か新しいことを始められるかもしれない・何かを変えられるかもしれない気づき・・・小さな階段のような、甘い匂いのような、風のような、唸り声のような、張り手のような、そんな”きっかけ”に毎日何度も出会っている。
それを気が付かずに見逃すことも、何かに紛れて見過ごすことも、気持ちが追いつかず見送ることも、いらないと頭から拒否することも、また毎日何度もある。
そのきっかけが本当に自分を変えるファーストステップになるというのは "一目会ったその日から恋の花咲く時もある"(令和のみんなは知らんやろw)、な正に奇跡の一目惚れで相思相愛のようなものなのだろう。
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先日友人とお茶をしているときに、私はこんなことを彼女に言った。
”私は飽き性だから、絵を描くのもそのうち飽きると思う”
本心だった。私は飽きっぽい。
飽きっぽい私なのだが、7月末からほぼ毎日絵を描いている。ほぼ毎日高見沢さんを描いている。
もちろん桜井さんも坂崎さんも描いているが、基本高見沢さんを描いている。
毎日毎日、楽しく、試行錯誤しながら、早く上手くなりたいなぁと思いながら練習している。
描くと夫に見てもらい、”わーシマチャン上手!プロみたい!”とお決まりの感想にふへへへへといい気になりながら描いているわけだが、お目汚しすみませんと思いながらもアル友さんたちにも褒めてもらいたい強欲なので笑、SNSにも載っけている。
友人と別れた帰り道、どうにも気になっていた。
私は何と失礼なことを言ったのだろう。
サラッと口から出てしまった本心だったが、駅の階段を降りながらゾワゾワし、心から反省した。
というのも、絵を描き始めたきっかけを私は鮮明に覚えているから。
一目惚れで、相思相愛だった、高見沢さんの絵やイラストが頭に浮かんできた。
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The ALFEEではなくとも推しがいる人なら共感してくれると思うが、ファンアート、と簡単に呼んではいけないような絵を描かれるアーティストがたくさんいる。
ご本人は好きな人を想いながら楽しく描いているだけで、プロの画家でもなく、ひょっとしたら独学で好きな人を表現する形を手に入れた人なのかもしれない。
写実的な、デフォルメされた、少女漫画のような、動物に見立てた、幻想的な、本当に色々な画風と鉛筆、デジタル、水彩、色鉛筆、など多様なミディアで描かれたアートを巡るのは心から楽しいし勉強になる。
どのファンアートも、見ればその作風からアーティストがすぐにわかる。
スクロールしながらチラッと目に入るだけでも、あぁこれは誰々さんの絵だ〜と認識できる。
そのどれもが私が絵を始めるきっかけの一部なのだろうと思う。
私はまだまだ試行錯誤で作風が定まっていない。あれもこれもやってみたいので笑、描くたびに違うものが出来上がっている。
それもまた飽きっぽい私の正体が映し出されているようでいいか、とも思っている。
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最近になってやっと、はっきりと覚えている自分を変えるきっかけになった高見沢さんの絵と同じ写真を描いてみた。いつか自分もこんなに素敵な絵が描けたらいいなぁと憧れていたもの。
これまでちまちまと色んな写真を見て練習しながらもこの写真はまだ描いていけないような気がしていて避けていた高見沢さんだ。
”すぐに飽きてしまうだろう” なんて失礼なことを言ってごめんなさい、そんな懺悔のような気持ちで描いた。何を大袈裟な、と思うかもしれないが新しい自分をくれたきっかけを蔑ろにしたような嫌な気持ちを浄化させたかった。
一目惚れなきっかけをくれたアーティストの皆様、本当にありがとう。
あなたのおかげで私の毎日が前よりずっと素晴らしいものになっています。
絵を初めて8ヶ月になりました、感謝!
シマフィー