桜と電線
テーマを決めて写真を撮り始めると
すぐにタイトルを付けたくなる。
しかし結局はタイトル負けして
続かないケースが多いのだけれど。
電線のある風景を撮っていると
「~と電線」というタイトルを
付けてみたくなった。
例えば、「月と電線」「雲と電線」
「カラスと電線」「桜と電線」とか。
「ストッキングと伝線」は好きだけど
ちょっと違うかな…。
「脚と電線」も違和感のある組み合わせで
なかなか気に入ってはいるが、
一体どうやって撮るのか…。
撮る前からタイトル負けしている。
今の時期は当然「桜と電線」である。
しかし、こと桜の撮影に関して言えば
電線は邪魔なことが多かった。
柔らかな淡いピンクに咲いた桜を
無粋な黒い線が台無しにしてしまうことがあった。
しかし、今年は「桜と電線」だから
電線は邪魔者ではなくなった。
電線は桜と共に一気に主演である。
撮る側からすれば
電線から自由になったとも言える。
電線も桜も共に日本ならではのものだし、
桜は女性的、電線は男性的なイメージがあるから
その組み合わせは相性がいいはずだ。
「桜と電線」という異質な組み合わせの
タイトルでちょっとエロティックな
写真集だって出来そうな気がしてくる。
と妄想だけは勝手に膨らむけれど
たぶんタイトル負けする気配は濃厚である。