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朽ち写し-1(Oyazine00号から)

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大江戸骨董市で若い女性が出品していた手袋。道端に落ちていればきっとゴミにしか見えないだろう。しかし、彼女はそれを板の上にきちんと並べて商品として売っていた。そのくたびれ方から想像すると、どこかの町工場で職人が溶接などで使っていたものだろうか。使い込んで油が染み込み、焦げたり破れたりした「やれ具合」に惹かれて購入した。きっと彼女も「そこ」を買ってもらいたいのだと思った。道具としての役割を全うした手袋は、撮影用の白い紙の上に置かれた途端に、それは手袋から職人の生真面目な人生を刻んだオブジェとなった。

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