醜いアヒル
白鳥瑞稀 (しらとりみずき)女優 20歳
3歳で子役デビュー。中学では雑誌モデルも経験。
最近主演女優賞を受賞。
Q1「今まで苦労したことですか?んーないですね。」
Q2「楽しかったことはー……ああ!修学旅行ですかね?私仕事でほとんどの学校行事できなかったんですけど修学旅行だけは行けたんですよねー!」
Q3「なんでこんなことしたか?……さあ?なんででしょうね?」
(彼女は笑っているが目に光はなかった。)
「それよりポジティブな話をしましょー?」
Q4「1番大変だったことは、ホラー映画の役ですかね。気が狂う女子高生の役だったんですけど、どう演技すればいいのか分からなくて困っちゃいましたぁー」
Q5…「あっそのまえにお昼にしましょう?マネージャーさん!お願いします❤」
(彼女は出された食事を美味しそうに頬張っている。)
ゴホン……では続けますね。Q5…あなたにとってーーーー
……
さて、インタビューは次で終わりです。
あなたはなぜ人を殺したんですか?
「…私、白鳥になれたんですよ。だって瑞稀の美しさは後天的なものだもん。あの子の家は裕福だったから、小さい頃から美しくなれるように育てられてたのよね。」
「私が生まれた時、彼女と私取り違えられて。私は美しくなる機会を奪われたの。だから奪い返してあの子になろうとしたの。そっくりでしょ?だって取り違えるくらい元々そっくりだったんだから。」
「でもね、生まれた環境は大切ね。私は白鳥の毛皮を剥いで被ったけれど中身は白鷺なんだもん。」
白鷺?
「ええ。だって彼女を捌いたとき私。」
心の底から喜んじゃったんだもの。
そう笑う彼女の顔は白鳥瑞稀では無いことをハッキリと示していた。
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