ヒロアカ THE MOVIE ヒーローズ:ライジングの感想とワン・フォー・オールの考察
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジングを観てきた。
見終わった直後の率直な感想は、え?それやっちゃっていいの!?だった。興奮と驚きが入り混じったような感覚。
興奮は、凄まじい戦闘シーンから。
デクと爆豪の気合いが本気がひしひしと伝わってきた。そこだけでもお金を払った価値はあったと思う。
「ぶっっっっとばせ!!!」
そんな風に心で叫んでいた。
小学生の頃に戻れた気がした。
そして驚き。
おそらく、観た人はみんな感じたはずの驚き。
Twitterとかで色んな人の感想を覗いてみると、マジ!?って声が多かった。
わかる。
そこで、映画鑑賞から一日たってみて、
改めて考えて、自分なりの答えを出してみた。
おそらくこうなんじゃないかな、って。
ワン・フォー・オールはこんな個性なんじゃないか、って。
以下、このノートには映画の内容に触れる箇所があります。映画を基にして考察しています。
まだ鑑賞していない方でネタバレは見たくないという方は、ここから先は絶対に見ないでください。
ってなわけで、いきなり結論です。
ワン・フォー・オールは、オール・フォー・ワンと二つで一つ。
ワン・フォー・オール・オール・フォー・ワンという個性は、所持者の目的(強さとか優しさとか)に応じて、自分・誰かから力を集めたり与えたりすることのできる個性。
だと推察します。
(以下、ワン・フォー・オールはOFA、オール・フォー・ワンはAFOと書きます。また、キャラクターであるオール・フォー・ワンは区別するためそのまま書きます。)
まずは個性が二つで一つであるという部分。
これは、すでに作中で明かされています。
ワン・フォー・オールは元々ある一つの"個性"から派生したものだ
<参考文献>堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』 7巻 集英社 115頁 オールマイトのセリフより
力をストックする"個性"と
与える"個性"が混ざりあった!
これがワン・フォー・オールのオリジンさ
<参考文献>堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』 7巻 集英社 120頁 オールマイトのセリフより
このシーンから、弟に与える前の個性(ここでは旧と表記します)は、
(旧)ワン・フォー・オール・オール・フォー・ワン:誰かから個性を奪い、力を蓄積し、誰かに個性を与えることのできる個性。
だと思われます。
そしてこの個性が2つに別れて、現在に至る。と。
次に個性の内容の部分。
これまで、OFAは「力を蓄積して、認めた後継者にその力を譲渡する」個性だと考えられていました。
そんな中、今回の映画はどうか。
デクの爆豪への個性の継承と二人でOFAを使用、めちゃくちゃな力でナインをぶっ飛ばす、そして戦闘終了後に個性がデクに戻る。
そんなシーンがありました。
いや、それができちゃうなら、この先も強敵を前に個性を継承させて、終わってから気絶させて個性を戻せばいいじゃん。
ってね。
僕自身、あの描写は納得いかないぞ、奇跡なんかで片付けるな、と思っていました。特に鑑賞終了直後は。
でも、ちょっと待てよと。
元々、そういう個性なんじゃないか。と。
あの映画の場面は、これまでのOFAの所持者が行ってきたような"個性そのものの継承"ではなく、"一時的に個性を分け与えるという個性が発現した場面"なんじゃないかと。
なぜか。
有名な話ですが、「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」という言葉は日本で浸透している「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という意味ではありません。本来は、「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」です。
だとすれば。もしこの本来の意味で堀越先生が個性をデザインしていたら。
宿敵オール・フォー・ワンが、誰かから個性を奪い自由に使うことができるのは「一つの目的」を「自分自身の強さ」と解釈したためなのではないか。
自らの強さという目的のために個性を使った結果、個性AFOは「誰かから個性を奪い己がものとする」という発現の仕方をした。
オール・フォー・ワンの目的=強さ=力=個性。
よって、AFOは個性を奪うという発現の仕方をした。
それに対し、今回の映画の場合はどうか。
デクと爆豪、彼らの目的は「助けて勝つ、勝って助ける」です。
真幌と活真を助けるために、ナインに勝つために、デクは個性を使います。
あの場でのデクたちの目的=ナインに勝つこと=OFAを爆豪に渡して二人でOFAを使うこと。
ナインに勝つために発現した結果、OFAは爆豪に個性を分け与えるという発現の仕方をした。
あの場面で起きたのは、個性の継承ではなく、OFAが発現した際に偶然にもこれまでの継承のように他者が個性を使えるようになった。そのため、ナインを倒し目的が達成された後に爆豪からOFAが消えた。
OFAとAFOは別の個性なのに、同じような個性の内容、個性の発現の仕方はおかしいかもしれません。が、元々は一つの個性、どちらも同じ個性と考えてもご法度ではないのではないでしょうか。
目的に応じて、能力が変わる個性。
力を求める者には力を、勝利を求める者には勝利を。
それが本当のワン・フォー・オール・オール・フォー・ワンではないか。
〈真〉ワン・フォー・オール・オール・フォー・ワン:目的に応じて自由に発現する個性
つまり、何でもありです。
どう考えても強すぎる個性ですが、主人公だからオッケー。
だからこそのデクというキャラクターなのかも。
オールマイトは絶対的な平和の象徴。No.1ヒーロー。
そんなオールマイトは絶対的、それゆえに孤独。
No.2のエンデヴァーとの間には隔たりがあり、協力することはなかった。
そんなオールマイトは、OFAを「力」という形で発現させた。
その次世代、デクや轟、爆豪たちはどうか。
なんやかんやありつつも、みんなで協力して壁を乗り越えています。
唯一絶対の象徴ではないけれど、たくさんの仲間と協力して壁を乗り越えていく。
デクは、OFAを「助けるために、協力するために」発現させる。
その方がデクらしいではないでしょうか。
ワン・フォー・オール爆豪が見られたので、そのうちに他の仲間のワン・フォー・オールの姿も見られるかもしれません。
それこそ物語の最終局面で、デク、爆豪、轟を含めた1-A全員でワン・フォー・オールなんてシーンがあるかも。
黒子のバスケの最終戦で火神たちが見せたダイレクトドライブゾーンのように。
はたまた、ドラゴンボールの悟空のように、人々から力を貰って元気玉を放つかもしれません。
物語のこの先が楽しみ。
この考え、全然違うんだろうな笑
ヒロアカが最終回を迎えてからこのnoteを見返して、全く当たってないなって冷やかしてやろうっと。
さすがに、何でもありではないかも。
条件があって、その中から目的に応じて発現するとか?
これまでの体験から、とか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?