ケリス・ウィン・エヴァンス展(エスパス ルイ・ヴィトン東京)
略歴
1958年生まれ、英国ウェールズの出身。英国ロイヤル・カレッジ・オブアートを卒業後、2年間映画監督の助手を務め、その後ビデオアートの制作を開始。実験映像作家としてコンセプチュアル・アートを制作。テキストやネオンを用いた作品が特徴的。
活動としては、2002年にドイツのドクメンタ11へ参加、2003年にはヴェネツィア・ビエンナーレでウェールズを代表するアーティストとして参加。作品はMoMAやテート・モダン、ポンピドゥーセンターに所蔵されている。
展示の意図
会場はシャンデリア、ネオンサイン、送風機と20本のガラスチューブ、赤松の鉢植えで構成されている。
シャンデリアは光の点滅がモールス信号としてクセナキス(作曲家でもあり建築家)が指揮者のヘルマン・シュルヘンに宛てた手紙の一文が表示されているとのこと。宙に浮いたネオンサインはelectricとあるので、ネオンのことを指しているのだろうか。点滅などは特にしていないので、おそらく英文そのままの意味と捉えて良いのかもしれない。フルートもしくはパイプオルガンをイメージした送風機からは20本のガラス管からは様々な音が発生。さらに、ガラス管越しに見ると、向かい
の赤松がゆっくりと回転している。
どう鑑賞する?
一つ一つの作品に何らかの意味が込められているので、謎解きのように意味を考えながら鑑賞するのがよいと思う。ただ、作品解説を見ると過去の文学から音楽といった幅広い作家のオマージュがちりばめられていて、その出所を知っていないとおもしろさがいまいちわからない。かなり難解だと思った。
あとは、一つ一つの作品から発せられる変化や反応を素直に受け取って、純粋に様子だけを観察して楽しむといった鑑賞もよいと思う。
展示概要
展示タイトル/アーティスト:「L>espace)(…」/ケリス・ウィン・エヴァンス
会期:2023年7月20日〜2024年1月8日
会場:エスパス ルイ・ヴィトン表参道展