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「親子ごっこ」という至福の時間
私の人生に「母親になる」プランはなかった。
正確には、何度かチャンスはあった。だけど毎回「母親になる」ほうの人生を選ぶことができなかった。そのくらい、私の中の母性は薄いものだと思い込んでいた。
私が母親になる=子供を産み育てることに憧れなかったのは、ひとえに自己中心だったからだ。何者になるか、将来どんな仕事で成功するか……人生の中心が「私」にある女は、たとえ結婚しようと子供中心の生活を送るなど、考えもしない。
若い頃は漠然と「いつかは子供を産む(かもしれない)」未来も頭の隅のほうに描いていた。だが仕事の「成功」を目指し必死になるほど、出産や子育てといった「女の時間」に身を挺する余裕は微塵も作れなかった。そして心と生活に余裕ができた頃には「産み時」をとうに過ぎていた。
「仕事に生きる人生」と「母になる人生」を両立できるほど、私は器用には生きられなかった。こんな女、きっと多いのではないだろうか。
計算高さと無駄な真面目さが「時期」を逃した
「たとえばうっかり予定外の妊娠でもすれば、母親になっていたのでは?」
以前、酒の席で仲のいい男友達に言われたことがあった。その場では「そうかもしれないね」と答えたが、私の人生にそれはありえなかった。
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