熟女にとってのカラオケとは
レベル53ともなれば、今更若者と張り合うつもりもない。20代の子と一緒にカラオケへ行っても、最近の曲を歌うのは最初のみ。「若者にもわかる曲」レパートリーが切れたら、あとは歌詞を見ずとも歌える80年代アイドルと90年代TKソングでお茶を濁す──それが熟女(昭和44年生まれ)世代である。
カラオケで新曲が歌えなくなったとき「もう若者ではない」ことを痛感した
いつからだろう。カラオケボックスで新曲をチェックしても歌える曲がなくなったのは。
私の記憶が正しければ、たしか絢香の「三日月」あたりが最後だった気がする。今調べてみたら2006年だった。つまりレベル37以降は新曲を見ても「どれも歌えねーや」と早々に諦め、懐メロ(上で述べた80〜90年代)ばかりセレクトし続けてきたわけだ。
不思議なもので、カラオケではどの世代も「一番音楽を聴いていた(口ずさんでいた)時代」の歌ばかりを選曲する。そしてそれは、およそ中学生〜20代に限定される。だからカラオケの選曲で歳がバレるのだ。
ちなみに、2000年代のヒット曲をメインに歌うのはもう少し下、現在30代あたりだ。ここは熟女と呼ぶにはまだ青い(!)ので省く。
カラオケで新曲が歌えなくなる最大の理由は、覚えるほど聴き込んでいないから。YOASOBIやAdoやLiSAや椎名林檎やきゃりーぱみゅぱみゅ(これは新しいとはいえないか)が歌えるのは、ひとえに口ずさむほど聴きまくったからに過ぎない。その証拠に、ヨルシカやあいみょんやずっと真夜中でいいのに。などは、何度聴いても歌えるほど記憶に残らない。
30代前半あたりまでは、さほど聴き込まなくてもヒット曲はすぐ覚えられた。あの頃と今と何が違うかといえば、記憶力だけの問題ではない。
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