「老い」を受け入れた熟女も「痛み」だけは如何ともし難い。
昨年の夏、私は五十肩になった。
だがそれは間違いだった。
1年後、再発して整形外科を訪れた私は、前回とは異なる診断を受けた。
腱板断裂──何やら痛そうな名前だが、実際のところ安静にせなアカンほどの故障ではない(もちろん酷使してたら治らないので、なるべく労る必要はあるが)。
痛みを抑えるために痛い思いをする
ドクターいわく、五十肩(四十肩)は腕を肩より上に上げられなくなり、腱板断裂は支障なく腕を上げられる(しかし腕を特定の向きに捻ったときだけ痛む)のが顕著な違いとのこと。私はまさに後者の症状と合致していた。
しかし五十肩でないといっても、原因は同じ「老化」から起こる症状である。つまりはカラダにガタが来たわけだ。とほほ。
腱板断裂に明確な治療法はない。酷使せず湿布して温存していれば、1ヵ月くらいで痛みが引くらしい。
しかし私は「一刻も早く治したい」とワガママを言い、炎症を抑えるためのステロイドを注射してもらった。こんな故障で筋トレができなくなるのは勘弁だからだ。
ステロイド注射は1回でも効果が出る半面、痛みにまかせて打ち続けることはできない性質を持つ。生涯で打つ回数にリミットを設けている注射なんて、そうそうない。それだけ強力(人体にとっては無茶)な薬ということだ。
それなのに、あろうことか1回目の注射はツボ(患部)を外すというミスを侵された。あげく「超音波ではわかりにくい」と言い訳するドクターに促され、MRI検査を受ける羽目になった。
痛いのは私だし、治したいのも私だから、検査費用は当然ながら自腹である。だが保険適用で1万円近くかかるのは、なかなかの出費である。これで患部がハッキリわからなかったら、暴れるところだった(笑)
結果、MRIで故障箇所は特定された。1万円は無駄にはならなかった。
2回目のステロイド注射は見事ツボにハマってくれた。だが注射から2週間が過ぎた現在、痛みは静かにぶり返している。なんてことだ。
ドクターいわく、ステロイドは短期間に何度も打てないので、次に打つならヒアルロン酸とのこと。痛みから解放されるなら何でもいい。とにかく利き腕の肩が痛いとQOLがダダ下がりになる。着替えの度に「いてっ」となるし、背中がうまく洗えないのも地味にストレスだ。
関節痛は「更年期あるある」のひとつ
数年前、朝起きるたび両手の指がこわばる症状に襲われた。痛みというほどではないが、動かすにはしんどい。10分もすれば症状は消えるのだが、毎朝となると「これはもしやリウマチか!?」と不安になった。
結果、いろいろ調べたらそれも「更年期あるある」だと判明した私は、心底ガッカリした。もちろんリウマチでなかったのは喜ばしいことだが、己の肉体があちこちで「もう若くないんだから無理しないでー」と叫んでくる様は、メンタルにも響く。
「身体の声を聞け」などといわれるが、こちらから探らずとも随所からサイレンが鳴り続けているのが更年期の肉体だ。悲鳴も最初のうちは心配を誘引するが、それが常時随所から発せられれば「うるせー!ちったぁ黙りやがれ!」と主のほうがブチ切れる。
悲鳴という名のノイズを黙らせるために、私は整形外科の門をくぐった。
ドクターは初診時の問診票(人体図の痛む箇所に丸を付けたもの)を一瞥すると「一度に何か所も診られないから(治療は)いちばん痛いところからね」と言った。長期に渡って通院するほうが儲かるから、できるだけ引き延ばそうとしているに違いない。
東洋医学と西洋医学、どちらが早く治る!?
ここから先は
サポート大歓迎です。いただいたサポートは、愛犬アンジュの故郷(保護施設)に寄付させていただきます。