![第65回](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/15172599/rectangle_large_type_2_0c8888ae1f2409091b0fe2e69e50e9f2.jpeg?width=1200)
熟女になると、悩みも熟成するからややこしい。
あたしは悩まない女だ。
正確には、大小悩むことはあれど、3日以上引きずることがない(むしろできない)タイプである。
だから何ヵ月も(場合によっては何年も)悩んだままの人を見ると、正直びっくりする。悩むことが趣味なんじゃないかと思う。もはやその悩みが解決してしまったら、この人は生き甲斐をなくしてしまうのでは……と心配になる。
あたしが悩まないのは、実に単純な原理だ。
悩んでる時間がもったいなくて、素早く対処法を編み出すからだ。
たとえば「ブスな顔」に悩んだとしよう。
実際あたしは思春期の入口である13歳当時、ふと鏡に映る自分の顔が(周りの友達より)ブスだと気づいた。しかし悩んだのはたった1日だった。
ブスな自分に悩み始めたその日、たまたま観たTVドラマで、美人な女優が変顔をしていた。
その時あたしは「顔の美醜は造作より表情なのか!」と悟り、すぐに鏡の前でいろんな表情を作ってみた。「可愛く見える笑顔」を顔の筋肉に記憶させ、ここぞというときに発揮できるようになった。
もはや自分がブスだという認識すら「それがどうした」と思えてしまえば、悩むことはなくなる。顔の造作は1ミリも変わってないのに、だ。
あるいは「妻帯者を好きになったしまった」としよう。
しょせん不倫は不倫。刹那に王道を持ち込んでしまったら、楽しい関係も苦しくなってしまう。
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