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不確実さに堪える能力「ネガティブ・ケイパビリティ」~みつまめ放送後記#01~
月イチで出演させていただいている「大人の学びにきく(聴く・効く)みつまめチャンネル」で、昨日の朝もパーソナリティのみつさんとお話をしました。
みつまめチャンネルは、stand.fmという音声配信サービスで毎週土曜日の朝7時からライブで配信していて、かれこれ1年ほど聴かせていただいています。
私が「大人の学び」に役立つお話なんて……と思いつつ、この春から毎月第4土曜日を担当させていただいています。
昨日、5月28日は「ネガティブ・ケイパビリティ」というテーマで、みつさんとお話ししました。
ネガティブ・ケイパビリティを最初に提唱したと言われている詩人ジョン・キーツは、「短期に事実や理由を求めることなく、不確かさ、謎、疑念を抱き続けられる能力」と説明しているそうです。(『LISTEN』(Kate Murphy、日経BP))
みつさんは、今回『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(帚木 蓬生著、朝日選書)をお読みになって、テーマとして提案してくださったようでした。
配信では二人が思いつくネガティブ・ケイパビリティが求められる場面について、いろいろな方面に話が飛びました。
私からは、キャリアコンサルタント、係長、ファシリテーターそれぞれの在り方について、思ったことをご説明。(ちなみにみつさんも、キャリアコンサルタントであり、係長であり、ファシリテーターなのは私との共通点)
本来のネガティブ・ケイパビリティについての話題も盛り上がりましたが、個人的にはネガティブ・ケイパビリティ "っぽい" ことの話も多く、面白かったです。
例えば、係長の場合。
係長として仕事をしていると、疑問になったことをすぐに知りたくなったり、課長や部長から指示されたことにすぐに着手したくなります。
でも、そんなときに係長の都合で ”直ちに” 係員の皆さんに確認したり、作業をお願いすると、係員の仕事の手を止めさせたり、作業リソースがないのにタスクだけ抱えさせることになります。結果として、チーム全体の生産性が下がることも。
そこで、前に進めない状況ではあるけれども係員に確認も作業依頼もせず、一旦その件は "不確かさ" を抱いたまま、自分は別の仕事を進めたりして、いいタイミングになったら確認や作業をお願いする、なんていう選択肢があるはずなんですよね。
それってネガティブ・ケイパビリティっぽいな~なんて。
あと、ファシリテーターに求められる "沈黙に堪える能力" にも類似性があるかな~と感じました。
ワークショップや会議でファシリテーターを務めていると、皆さんの会話が途切れて場に静寂が訪れることがあります。進行役がその静寂を嫌がって(気まずくて?)、補足説明だったり、質問を重ねてしまうことがあります。
でも、ファシリテーターは、その沈黙を受け入れ、その静かな場の中で佇む必要があるんです。なぜなら、その沈黙は、参加者が自分の内側に降りていって考えごとを深めていたり、自分との対話(内省)をしている時間だったりするからです。
その創造的な沈黙に堪えられるかどうかというのも、ネガティブ・ケイパビリティとの類似性を感じました。
もしかしたら、それらの場面で求められる能力(係長がタイミングを待つことも、ファシリテーターが創造的沈黙を受け入れることも)の、ベースとなる能力がネガティブ・ケイパビリティなのかもしれませんね。
特に昨今は、VUCAなどと言われて、たった一つの正解を探すのではなく、正解が分からないままで修正しながら進んでいくことが求められることが多い気がします。
そういう中で、より自分らしい仮説を組み立てるためにも、手元の材料からすぐに進むべき方角を決めるのではなく、「なんかピンとこないな」といった感覚を信じて、日薬が効くのを待つのも大切なのかもしれませんね。
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