1、あてもなき趣味話と青についていくつか
2024/04/03
タイトルについて
脳の構造を屋根裏部屋に喩えたのはシャーロックホームズで、現代の暗記チャンピオンは宮殿に喩えている。私は名探偵でも抜群の記憶力の持ち主でもないので、頭蓋骨に守られた深い森で青い地図が皺となって刻まれていく様子をどう表現すればいいのか分からない。開けっぱなしの戸棚みたいなものだ。ジャムとか薬草などがたくさん転がっていて、しかも埃まみれ。そんなイメージを込めて『ぱなし戸棚』ですが、いずれ変更するでしょう。
駅ビルのBGM
茨城の駅ビルでも函館の無印でもこれが流れている。まるで『英国に行け!』とドラゴン桜ばりに言われている気がする今日この頃である。ケルト音楽を聞くと泣きたくなる。懐かしい感じがする。理由はよく分からない。祖母はカントリーを聴くと泣く。
このアルバムについてちょっと調べた。
ともかく、アイルランド最後の吟遊詩人と称されるオキャロランが作曲した曲を今も聴くことができるなんて素晴らしい。吟遊詩人について調べていたところで、宮廷のトルバドゥールしか出てこず、ヤキモキしていたので突破口の気がして嬉しい。
『トルバドゥール』という単語は私にとって大切だ。
怪盗が赤い夢で旅をする時に欠かせない飛行船だからだ。
それはさておき、
Massive AttackのAngel。同じ英国でも時代が変わればこうも変わるのが面白い。
ジャケットの青が似ているこの動画も最近視聴している。不穏な天使の音像だが、クレーの『忘れっぽい天使』に合う曲を探していたときに見つけた。
灰色がかった青が好きで、名称を調べたことがある。
このサイトがとても参考になる。錆御納戸が好み。江戸時代の流行色だったらしい。”銀鼠錆”や”錆”、藍染の納戸、という言語表現は実際に染料をそれらの物質から抽出していたからこそ例えられたわけで、それらの知恵を共有しているのがごく一部の人々であることを考慮すると現代では生まれない表現だな、と思った。
この手の話が好きだ。言語が人の認知にどう関わるか。ロシア語には色を表す言葉が現在も多く存在しているらしい。よって、ロシア語話者の被験者に色が変化していく映像を見せると細かい変化にも脳の言語野が反応するらしい。
古書店にて
古書太平書林にて。
(平積みで掘り出し物見つけるのが楽しいです。)
小学生の頃、英語の勉強を始めた時に、原書で読むなら何を読みたいか?と大人に問われ『星の王子さま』と答えて赤っ恥をかいた。それフランス語だよ!馬鹿じゃない?みたいなニュアンスで『星の王子さま笑、フランスじゃなかったですか??』と言われてすごく恥ずかしかった。
それを思い出したので購入した。読みたいんだ、どーしても。
まだje suis Japonaisしか言えないのだが、ドゥルーズまで読めるようになりたいので、勉強します。(パブリックコミットメント!!)
中井英夫の存在はこちらの動画によって知った。
図書館にもなく、ずっと探していた(Amazonなどで購入するものでもないと思っていた。私にとって、作品とは出会い方が大切なのである。)ので古書店にて見つけられて嬉しい。
私は本をパラパラ捲って、大体のニュアンスを受け取る、という遊びをする。ランダムに視覚に入ってきた文字からその書物がどんな美意識によって構築されているのかを大雑把に把握し、手元に置くか否かを判断する。当たりもすればハズレもするが、その直感は磨きたいと思っている。
『とらんぷ譚』、ひらがな表記がいい。
表紙を捲ると精密なガラス工芸のような文章が軽妙なユーモアを孕んで飛び込んでくる。短編集なので、回転木馬から中井英夫の世界を横目で見るような感覚で読める。帰宅するのが待ちきれず『火星植物園』を電車で読み終え降りた駅の人々からは青臭い匂いがした。
トランプ繋がりで、
有名な作品なので読んだことがある人も多いと思うが、小学生の時に祖父に勧められて以来『思い出トランプ』と『女の人差し指』が好きだ。この表紙の青が空気遠近法的にすごく遠くにある印象があって、寂しい気持ちになる。
どこか、この映画を見る感覚に近い。
本名が般若なのに驚いた。
『壁』にもこんな漠然とした砂漠が広がっていて、駱駝が涙を落としていたな、と思った。
↑今回購入した本を読み終わったら読んでみたい。
『蛸』についてのカイヨワのアプローチと比較したら面白いかもしれない。いずれにせよ分厚くて消化に時間がかかりそうだけれど。
いじょ!