
「地方移住先でまちづくりに関わりたい!」、その前に。
こんにちは。2023年1月にNPO関係のつながり・活動への注力のために、山梨県の甲府に移住したしまさんです。
移住してから、移住先にあるNPOの活動、移住先の地域づくり・まちづくりに関わっています。(といっても、生計を立てるというレベルではないので、ここからが勝負、とも思ってますが)
これまでの経緯とかやってきたこととかは、下記の記事を読んでください。
この記事では、偶然自分の知り合いで「今度地方移住するんですけど、その移住先のNPOや地域貢献活動に関わりを持ち、価値を出していきたいんです。しまさんがそういう経緯と活動を今していると聞いたので、話が聞きたいです!」という相談があったので、それに応えているうちに言語化されたことをお届けします。
思えば、地域活動に呼ばれたのだった
地方移住するきっかけ自体は別にありますが、「山梨県の甲府エリアを選んだ」きっかけは、イベントで出会った「山梨県のお寺のお坊さん達で立ち上げた地域活動団体」に呼ばれた、と言っても過言ではありません。
来てからは色んな活動に関わってます。そのことは、先述の記事に譲りますが、まちづくりNPO立ち上げ・事業企画に関わる、山梨県で新しい寄付文化を作るためにKIFUBARを輸入して立ち上げ、市民コミュニティ財団の立ち上げに関わる、などなど。
その中で得られた知見ってあるな、と聞かれてみて気づいたことが沢山ありました。なので、以下のようなことを考えてる方をターゲットに
今住んでる地域で地域まちおこしに関わっていて、Uターンなどで地方移住しても続けたい
地方のNPOなど、リモートで関わりがあったが、この機会に現地に飛び込みたい(自分と同じパターンですね)
家庭の事情などで、移住しなくてはならず、せっかくなので移住先でも取り組んでみたい
地域に入る最初の一歩は?
自分の経験を語るなら、全く血縁関係のある人がいない、そして地縁がない地域である山梨県に飛び込んで、何かを始めるのは大変でした。
(なので、地域に飛び込むぞ!という人の勇気はすごいなと思います。尊い。)
そこで、活動を始めるにあたり「何がポイントなのか」を、実際に僕が始めた活動のストーリーとして、山梨県に輸入したKIFUBAR立ち上げのストーリーを題材にお伝えします。
KIFUBARについて、簡単に解説すると…
コンセプトは「飲めば飲むほど寄付になる」
いろんなソーシャルグッドな活動をしている人の話を聞き、「飲んだ分だけ」その活動を支える寄付ができるスタンディングバーイベント
都内でKIFUBARのスタッフを何度もやってて、発起人の言葉やフローを見ていたから、もありますが、あのイベントの1番の難しさは「開催場所探し」にあります。
山梨で立ち上げするにあたっても同じ壁がありました。しかも「地域の知り合いがいないので、好意で貸してくれる縁は無い」。
そこで力を借りたのは、一緒に立ち上げを進めていたまちづくりNPOの代表でした(厳密には、立ち上げ中だったので準備会代表ですが)。
その話を出すまでにも、自分がどういう人か、どうして山梨に来たのか、まちづくりに対してこう考えてる、などを話し続けていて、その熱意は知ってもらっていました。
その人にKIFUBARの話を出したら、「あ、だったらあの場所の持ち主知ってるし電話してみる!」と電話をかけてもらったところ、「まずはプレゼンしに来てよ」と回答。
※ちなみにあの場所は以下の場所です。
資料を準備し、プレゼンをしに行きました。

不動産屋さんが運営していたキッチンスペースだったので、出てきた副社長さんにプレゼンしました。
すると
「いいよ、タダで。宣伝効果にもなるし。必ず宣伝させてくれるなら。あと何すればいい?」
と恐ろしく簡単に快諾。地縁の強さを感じました。
ここまでトントン拍子に進んだ(ように見える)のですが、これらのポイントは、
「地域の地縁がある人を無償でも良いのでお手伝いする(借方を作る)」
「その間、自分の思いややりたいことなど、思ってることは沢山語っておく」
の2つだと思っています。
後者がどうしても先になりがち(こうしたい!が強いと、ね)ですが、大事なのは圧倒的に前者です。
そして、前者の難しいポイントは「その人とつながること」です。
ここについては、正攻法がないのですが、僕の事例を話すと「地域の人が集まるコミュニティに参加してみる」「そこで自己紹介の中にやってみたいことをさりげなく紛れ込ませて話す」の2つかなと思います。
山梨県甲府市であれば、「得々三文会」という朝セミナー会があり、そこに参加した繋がりのおかげ様の部分が多くあります。
「自ら場を作りたい!」という思いは大事とはいえ、いきなり作るのは相当大変です。けども、どこかにある場に参加者としてふらっと入るのはそんな大変じゃないです(よね?)
そこにまずは「ちゃんと新参者の顔をして入る」ことかなと思います。偉そうに入らないこと。(これも意外と難しい)
コミュニティを運営している人は「自分の売り込みに来た」人より「おもしろそうだから素朴に参加してみた」人の方が嬉しいと感じることがほとんどだと思います(自分もそうですし笑)。
私は○○をしていて、今度こういうイベントがありまして…
と
初めて参加しました!こんなことが得られると聞いてます!楽しみです!
のどちらがお客さんとして来て嬉しいか、運営をやった事がある人なら一目瞭然かなと思います。
場は作れそう。でも場に不可欠なのは…?
さて、KIFUBARの話に戻しますね。
こんな感じでトントン拍子に開催場所が決まりました。
しかし直ぐに次の壁にぶつかります。
それは、「プレゼンターを呼ぶこと」「集客すること」です。見出しの問いに答えるなら、「場に不可欠なのは、人」ということです。

せっかくイベントができる準備ができても、プレゼンする人(ソーシャルグッドな活動を話題提供してくれる方)とそれを聞く人(飲んで寄付する人)がいないと、KIFUBARが成立しません。
とはいえ、知り合いもあまりいない中でどうしたのか?
そういうときに、これまで顔見知りになって興味を持ってもらえていた人にまずは声をかけてみることを欠かさなかった、ことがよかったのかなと思います。
その「声をかける先」も、新たに入ったコミュニティに積極的に参加することに加え、まちづくりNPOの立ち上げの手伝い、イベントの手伝いなど、先述の「地域の地縁がある人を無償でも良いのでお手伝いする(借方を作る)」に取り組んだ結果、それなりにつながりが増えていました。
以前から参加していた朝会「得々三文会」に参加していた方や、イベント情報が流れているFacebookグループ、知り合いづてに関心がありそうな人に声をかけてもらう、知り合いの店にチラシを置かせてもらう、会う人に名刺代わりに渡すなどなど…
インターネット集客の取り組みはほぼしていない(というかできていない)中、どんどんいろんな人に声をかけることをしていました。個人的にはあまり向いていないのですが。笑
そして当日。

結果的には、初回から20人くらいの参加者が集まり、プレゼンターも4人にお話しいただけました。
と、初回立ち上げまでにやってみたことを一通り思い出しながら書き出しましたが、いかがだったでしょうか。
先ほども書きましたように、地域の地縁がある人とつながるために、「地域の人が集まるコミュニティに参加してみる」「そこで自己紹介の中にやってみたいことをさりげなく紛れ込ませて話す」を実践していると、「その活動面白そうじゃん!」と関心を持ってくださる人も増えてきます。その結果がつながったのではないか、と思います。
地域の人は「行動」、特に「顔出し」を見ている(と思う)
この振り返りを総括すると、これまでの取り組みに共通することは「ともかく顔を出す」ことから繋がってる気がします。
「地域の資源を活かしたい」とひとくちに言っても、「地域を盛り上げたい」が先か、「自分が稼ぎたい」が先か、は大きく違います。
言っている言葉は一緒でも、その先の「取り組んでいること」を地域の人はしっかり見ていると感じています。飛び込んで2年目で言えることはそれでしょうか。
言い換えれば、その地域に「本当に尽くしたい」気持ちがあるかどうか、を「言葉」でなく「行動」を見て判断されていると思っています。
なので、ともかく自分を売り込みする、ではなく、「ともかく顔を出して、こうしていきたいという思いとマッチした活動をセットで話す」ことは重要なのかなと思います。
「ともかく顔を出す」のであれば、地域のイベントに顔を出す、ミートアップイベントに顔を出す、勉強会に機会あれば出る、誘われたらともかく行ってみる…いろいろできますよね?
そのつながりのために、可能だったら「その地域に行き来する期間を作って知り合いを沢山作っておく」ことが必要かなと思います。
最近だと「お試し移住」や「地域おこし協力隊」など、自治体側が制度的に用意しているパターンもあるので、ぜひそっちも調べてみてください。
▼地域おこし協力隊のデータが集まっているサイト
ちなみに僕の場合どうしたかなーと思ったのですが、こんな流れでした▼
地方移住したい!でもどうしよう!決め手がない!
あ、いざという時に頼れる知り合いが多い地域にしよう(この時点で山梨県に決定)
でもどんな市町村があるの?制度で何か出来る?と調べる
調べる中で「このエリアなら住めそう?」を把握し、わからない点やイメージを膨らませるために相談会を受けたり現地で話を聞いたりする
という感じでした。
といってもまだまだ途上です

そうはいっても、移住2年目。
いろんな取り組みをしている中で苦労や失望(絶望?笑)はあります。
だからこそ、「こんなことないっすか?」「実際やってみてどうっすか?」などなど、話せることはお話ししたいので、もしもっと話が聞いてみたいよ!などがありましたら、お気軽にコメントやら連絡やらしてください!
いいなと思ったら応援しよう!
