夢見て朝まで笑っていようよ【しまさんの読むラジオ】
こんばんは。気が付いたら1か月ぶりのラジオ放送。
その1か月前から、東京で公演があるミュージカルの練習が始まって、通っては踊って、歌って、また踊って、役を作って、飲んで(結局)、そしてまた歌って…という日々を過ごしてます。
ミュージカル?出るの?え?
はい。
普段から、そんな歌わんし、踊らんし(特に踊らん)、でも歌うことくらいは自信あるからとチャレンジ。(その経緯は多分後ほど書きます)
この劇中(ちなみに演目名は「A COMMON BEAT」、カタカナ表記が良く使われてる気がする)で使われる曲は80人総出ないしは20~60人くらいの大所帯で演じ、歌うことも多いです。
一方で、ソロで歌う、ソロで踊る、ソロで演じるところもあり、相当選ばれた者が出ます。
オーディションがあるんだけど、「落とす」ではなく「選ぶ」オーディションがあって、その他の役も決まっていきます。
ちなみに僕はその「ソロ」的な役はありません。今のところ。
実はこの前、そんな僕に突然訪れた「ソロ」の機会が、心を動かされたのでそのことを書きたくなりました。
訪れた機会に「戸惑った」
毎度毎度練習の前に、ウォーミングアップの時間があります。
いきなりダンスしたり、いきなり歌ったりすると、怪我したり痛めてしまう。なので、準備体操をちゃんとやります。歌もウォーミングアップもします。
それは、ただの発声練習もある(ハミングとか音程取りとか)んだけど、実際に歌うことも。
今回はその歌った歌が題材です。それは、
ゆずの「友達の唄」、です。
すでに公言?しているように、ぼくはゆずファン(正しくはゆずっこ)です。
以前はゆずの「雨のちハレルヤ」を題材にしたこともあります。
と思ってもっと探したらなかった。もっと書こう。笑
自分の話は置いといて、「友達の唄」の話を。
「時間がない人のための友達の唄」という動画があったらこんな感じの解説になるだろうかなと。
友だちの良さの唄、というより、友だちといるとこんな気持ちになれるよね!という喜びが唄になった感じ。
ウォーミングアップにこの歌を選んだのは、劇中のソロを勝ち取った人で、フリーで歌うたいもしている人だ。
そんな彼が、一通り発声練習して、その後に「じゃあ歌詞カード配るね」と配ったのがこの曲だった。
曲を紹介して、メロディパート(北川悠仁が歌う方)を、曲を知ってる人だけでまず歌いながら教える。僕は偶然知ってたので歌った。メロディを思い出しながら。
さあそして、次はハーモニーパート(岩沢厚治が歌う方)。僕はそっちを歌うつもりだった。綺麗なロングトーン。そっちに自信があった。
そう思ったら突然、彼は言った。
その一言を言われて、
「え?俺のソロでいいの?」
と思ったんです。
そして気が付いたら僕が1人で北川悠仁パート(メロディーライン)を歌って、周りのハーモニーパート(=女声)の練習が始まってました。
過ぎてく時間に戸惑っていた僕、休もうかなと思った僕。
ミュージカルの練習はこの日、前半の佳境。
あっという間に1か月が過ぎ、ほぼ毎週のように練習して、ほぼ毎日のように何か連絡して、連絡が来て、返して。
あまりにもすごい過ぎ方に戸惑っていたし、「ちょっと休もうかな」と思ってました。なにより、移住した理由も東京の猛スピードで回る世界が無理だったからだし。
そんな気持ちでした。実際。前半が終わって、一息つける・・・という思いも(もちろんちゃんとやってましたが)。
そんな時に訪れた「ソロで歌ってみてよ」。
気が付いたらここまでの練習に対して、前向きになり切れず、「乗り切ろう」という気持ちで来てしまっていたのかもしれない。事実、ダンス大変だし。苦手だし。
ふと足元を見てみようよ
でもでも。
歌うことくらいは最高に楽しんでる。
だから、ここは最高に楽しもう。
そう思って、歌い始めました。
久しぶりに歌ったゆずの曲は、やっぱりキーが高いと思った。でも精いっぱい、歌った。奇跡的に歌えた。
1回目は(ハーモニーを教える声もあったので)少し控えめに、でもみんなに聞こえるように歌った。
もう1回は、気が付いたら満席のライブ会場の中で歌っている気分で、何もかもを解放して歌った。解放しすぎて、近くで聞いていた友だちが、「ハーモニーの人が60人くらい歌ってるのに、しまの歌が勝っている…」と引いたくらいには。
気が付いたら、周りの視線が。
あ、しまった、これはやりすぎたかな。
でも、周りはみんな一生懸命歌っていた(ように見えました)。
だから、僕一人が目立ってるのはおかしい、と感じました。だって、これは「みんなのウォーミングアップ」だから。
でもでも。
合唱では味わえない、誰よりも歌える気分が今ここに。
じゃあこのままやろうじゃん!
と、結局最後みんなで歌い上げるタイミングまでそのままの大音量で歌い続けました。
「友達の唄」には、さっき書いた歌詞のあとに、こう続きます。
忙しく過ぎる、あっという間に過ぎる日々の中で、気が付いたら足元を見る機会を失っていた気がしました。
前述したように、ソロで歌う人は限られていて、ほかは基本合唱。
僕は、自分の歌声が聞こえず、届いているか不安すぎて、出す声が力みに力み、練習が終わるたびに喉を潰していました。合唱をずっとやっていた友だちには「最後まで持たないぞ!ちょっと!」と言われてしまう始末。(ごめんなさい)
そう、気が付いたら「歌」さえも苦痛になっていたみたいでした。このときまで、気が付かなかった。
歌詞の通り、
そんなことを気づかせてくれました。歌ってすごい。
生きてるって事が何より素晴らしいってわかる気がするから
なんでこのミュージカルの出演をしようと思ったのか。
「仲間」がいて、その中にいたから、なんだかんだコロナの鬱々とした期間も、「なんで生きなきゃいけないの」という問いを毎日持った時期も、生き延びれた。
だから、その「仲間」になってくれたみんなに何か返したい。ミュージカルで出会った仲間には、ミュージカルでお返ししたい。
そんな思いが僕にはあります。
そう、思い出せばあの時期は、何もかもが「変わってゆく」、それも強引に。自分のライフステージに関係なく。
たくさんの命を奪ったという意味でも「何もかも変わってしまった」。
でも、そんな中でも「何も変わらない」のは、もしかしたら、ここまで一緒にいてくれた仲間なのかもしれない。まだ「仲間」とまで呼べるほどじゃないかもしれないにせよ。
だから、歌おう。
最後のワンフレーズに力を込めて(でも力まないで)。
ミュージカルを作る過程での大変さは、仲間がいれば何とか行けそう。「昨日の悲しみも、明日への不安も全てしまって」、完成するその時をめがけて、「夢見て笑っていようよ」。
悩みも葛藤もあるから、「生きてるってことが何より素晴らしいってわかる気がするから、朝まで笑っていようよ。」
このタイミングにこの歌を、ソロで歌わせてもらえたことが、本当に最高でした。
だから、みんなにこの感動を届けたいと思って、パソコンを開いて、気が付いたら3,000字を超える文字数を書いてました。
もちろんここでは全く終わりじゃないんですけど、8月19日・20日の本番を迎えるまでに、忘れかけていた何かを、気持ちを、何より想いを、思い出せたこの瞬間を伝えたくなりました。
あの時、指名してくれて、ありがとう。
なにより、歌っているところを見て、ハーモニーで追いかけてくれた周りのみんなに、ありがとう。
そんな気持ちにさせてくれる場があるのが、このミュージカルの場です。
改めて、そんな場から、今度はステージのみなさまにこの想いを届けたいと思います。
▼8月19日夜・20日午後・夕方の公演です!
▼チケットも発売中!東京です!
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